Eighter -Grand Harmonise-
60ther 〜牙を剥く天下太陰てんげだいおん B〜



#3
ウルフ・ミブ跡地に登場した御座四聖獸みざしせいじゅう……威無世帝イムセティ……彼女の目的はみずちおろちの抹殺である……
かくして戦いは始まったのだが……絶大なる神の力の前にみずちおろちは苦戦を強いられる……
安村みずち、安村おろち「はあああ!!!」
威無世帝イムセティ「2人して突っ込んでくるか……」
すっ
右手をかざす威無世帝イムセティ
おろち「いつまでの優位にたっていられると思うな!!」
ゴガアアアアアッ
きっさきを合わせてそのまま右手に突撃するみずちおろち
威無世帝イムセティ「ぬ!?……」
ザガガガガガガガッ
そのまま圧される威無世帝イムセティ
威無世帝イムセティ「……少しはやるようだが……」
グニャリッ
空間を歪めて刀を取り出し、左手で構える。
ようやく刀を抜かせることに成功したわけだが……しかし、それが何か意味を持つわけではない……
斎藤そうみずちおろち!退け!」
威無世帝イムセティ「遅いッ!!雷風刃勢らいふうじんせい!」
みずちおろち「はっ……」
ザザザッ
チュギュオオオムッ
みずちおろち「くあああああああ!!!!?」
後退したにも関わらず、電撃が飛び、みずちおろちを絡め取る
威無世帝イムセティ「やはり、汝らは殺しておかないといけませんね……後々のためにも……」
ボタッ
右手を見ながら威無世帝イムセティは言う……さっきの刺突がわずかでもダメージを受けているのだ……
みずち「ううう……レベルが違うよ……」
おろち「まだ……ダメか……」
泣き言を言うみずちと忌々しげに威無世帝イムセティを睨むおろち……そんな2人を見て、そうが叫ぶ
そうみずちおろち、もういい、退くんだ……」
みずち「お姉さんは何も出来ないでしょ……」
おろち「それにアイツの狙いは私たちだ……」
そう「……くっ……」
確かに、今の状況では自分は足手まといでしかない……そうはそんな自分が情けなくて許せないのだが……
やはり、どうしようもない……
そう(この呪縛さえ……)
ぐぐぐぐぐっ
なんとか呪縛を解こうと試みる
威無世帝イムセティ「無駄である……その呪縛は……我が滅びない限り……永久に解けない……」
そして、みずちおろちはこの場で死に……人類もまた、抹殺対象であるから……結局、お前は死ぬまでそのままだ
……と威無世帝イムセティ……
みずち「だったら……」
ギュンッ
距離を取って高速移動する2人
威無世帝イムセティ「……無駄なことを……」
みずち「はあっ!血慘юィけつざんとうせい!」
ゴアッ
再びみずちの刃が迫る
威無世帝イムセティ「学習せんようだな……」
ガギンッ
しかし、左手で受け止める威無世帝イムセティ
おろち「アンタは油断のしすぎなんだよ!光翳滅勢こうえいめっせい!」
ズドムッ
そのまま威無世帝イムセティの影に刃を突き刺す
おろち「このまま影に飲まれろ!!」
相手を影に呑みこませるこの奥義……しかし、何も起きない……見事に何も……

#4
おろち「なっ!?」
おろちが唖然としていると……威無世帝イムセティは悠然と解説を行う
威無世帝イムセティ「……最初に行ったはずである……天下太陰てんげだいおん流は我が興し流派……その全ての技を編み出したの
 は我であり……故にそれらに対する対処法も熟知している……」
ブンッ
みずち「ぐう!?」
みずちおろちに投げつける威無世帝イムセティ
威無世帝イムセティ「はっ!」
ドゴアアアアアアッ
走る剣閃……みずちおろちを巻き込んで吹き飛ばす
みずちおろち「ぐ……ぐううううう……」
ザザザザザッ
威無世帝イムセティ「……耐えたか……」
そうのいる場所まで飛ばされる2人
そうみずちおろち!」
みずち(くっ……もう……)
諦めかけたその時……そうが2人に囁く。身動きの取れない状態での……せめてもの助け舟として……
そう(……あいつは自分が作り出した技は全て対処可能と言った……)
おろち(つまり手詰まりじゃん)
そう(だったら……お前らが技を作り出せば良い……)
みずち(私たちが!?)
そう「ああ、そうだ……」
みずちおろち「……」
そのまま沈黙が流れ……そして、2人は逆転の発想を元に再び神に立ち向かう
威無世帝イムセティ「覚悟を決めなさい……人間ヒトよ……」
おろち「アンタこそ……」
威無世帝イムセティ「ハッ……」
みずちおろち「受けろ!冴凄狼勢こぜろうせい!!」
ドゴアアアアアアッ
2人の剣気を合わせて巨大な狼を具現化、そのまま威無世帝イムセティに解き放つ
威無世帝イムセティ「……これは……!?なるほど……だが……甘……」
パキンッ
威無世帝イムセティ「な……何!?……これは……一体!?」
威無世帝イムセティの周り一面が凍りつく
おろち「とくと味わいな……威無世帝イムセティ!」
みずち「これが……私達の全力……」
みずちおろちアンタを凌駕する最大にして最後の奥義ッ!!!」
威無世帝イムセティ「くっ……馬鹿な……人間ヒトが……しかも……あんな子供が……この我を凌駕するとでも」
グオオオオオッ
迫る狼
威無世帝イムセティ「こんな……ことがッ!!?」
バキャアアアアッ
完全に凍りついた威無世帝イムセティを噛み砕く狼
みずちおろち「はぁ……はぁ……」
バッ
そう「うおっと……」
威無世帝イムセティが滅んだことで呪縛から解き放たれるそう
みずち「やったぁ!やったよ!お姉さん!」
そして、はしゃぎ出すみずち
そう「あ、ああ、お前たちはよくやった……」
※もはや教えることは何もない……ってな感じの雰囲気ですが……そんなことはなく、これからもそうみずちおろち
 の面倒を見ていきます……
……威無世帝イムセティ……ここに滅びる……
かくて、御座四聖獸みざしせいじゅうは全て……人の前にたおれたのであった……


END

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