#7
鵺帛主（ヤヌス）の均衡が築かれた今、その均衡を崩す存在である人間は不要……そう告げるは運命の女神望均羅（モイラ）……
そして、かんなはそれを止められるかもしれない……と告げ……その試験として、望均羅（モイラ）と死合うことに
なったのだが……
白拍子かんな「はっ！」
望均羅（モイラ）「ていっ！」
ザザザザザッ
鍔迫り合いから距離を置く両者
かんな「龍咬舞刃（りゅうこうぶじん）」
ゴッ
と、間髪いれずに応龍（おうりゅう）に変幻する光の龍を飛ばすかんな
望均羅（モイラ）「良い技ですね……ですが……まだ鵺帛主（ヤヌス）様には通じませんよ……」
バアッシュッ
梓與鷹（よたか）「またか！？」
光の龍がかき消される
2つに分解した業の断裁（フォアフェクス）でX字に薙ぎ払い光の応龍（おうりゅう）を掻き消す望均羅（モイラ）
かんな「……」
チキッ
真の碧聖刃（シアンセイクレド）を構え直すかんな……そのまま両者は睨みあう……
與鷹（よたか）（しかし……なぜ望均羅（モイラ）は反撃してこないんだ……？あれだけの力がありながら……甚振っている
　ようにも思えないし……）
白拍子かなり（まぁ、反撃したくても出来ないのよ……いいこと、もともと望均羅（モイラ）は人、神、存在の運命を
　見る神であって……戦闘タイプの神じゃないのよ……）
だから、こそ、最初、かんなが望均羅（モイラ）に刃を向けるのを躊躇っていたのよね……とかなりが付け足す
與鷹（よたか）（戦いの神では……無い！？）
※その割には望均羅（モイラ）の神器・業の断裁（フォアフェクス）は刃が凶悪なデザインなんですが……突っ込んではいけません。
白拍子かれん（なるほど……無抵抗な相手を倒せるほどかんなは荒んでいないってことなのね……）
一同「……」
つまり、そういうお前は荒んでいるのか……？と一同は思ったのであった
・
・・
・・・
かんな「……麟廻舞刃（りんねぶじん）！」
ゴガアアッ
剣気で具現化した麒麟……それは相手がどうあろうと必ず叩き潰す絶対の麒麟
望均羅（モイラ）「……あなたの信義では……私を超えられません」
ザシャアアアッ
しかし、やはり、望均羅（モイラ）に斬り裂かれる麒麟
ヒュバウッ
そのまま距離を詰めてかんなに刃をつきつける望均羅（モイラ）
望均羅（モイラ）「……そろそろおしまいにしましょうか！？」
ガギイッ
振り下ろされる業の断裁（フォアフェクス）……だが、それをしっかりとかんなは受ける
望均羅（モイラ）「……」
かんな「くっ……」
ギリギリギリギリギリ……
組み合う両者だが……かんなが圧されているのは見ていて明白であった……

#8
望均羅（モイラ）（月天（げってん）……神である我々には定められた事実がある……分かっているんでしょう……神の力は絶対
　にして不変……あなたの力では……私には届かない……）
※Q:あれ！？四堕天（しだてん）とかは段々強くなっていったような気がするのですが……
　A:アレは本来の力を段々取り戻していっただけで、最後に死合った時が彼らの本来の姿だっただけなのです
歳殺月天（さいさつげってん）（……それでも……我は……この人間にかけたのだ……）
望均羅（モイラ）（……）
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ
與鷹（よたか）「かんな……？！」
圧されつつあったかんなが、徐々に望均羅（モイラ）を圧し返していく
かんな「はああああ！！！」
ゴコアアアアアッ
と、その時、真の紅闇刃（ルビーシェイド）が光りだす
一同「何！？」
ズドンッ
望均羅（モイラ）「くっ……」
ザザザザッ
かんなの裂帛の一撃に弾き飛ばされる望均羅（モイラ）……
與鷹（よたか）「かん……な！？」
かんな「……」
いつの間にか、かんなは右手で真の碧聖刃（シアンセイクレド）、左手で真の紅闇刃（ルビーシェイド）を構えていた……
かなり「ふふん、二刀流には二刀流……いいわよ！かんな……サクっと斃（たお）しちゃいなさい」
與鷹（よたか）「おいおい……そんな……」
かんな……真の紅闇刃（ルビーシェイド）の闇に呑まれるなよ……とかんなの身を案じる與鷹（よたか）
望均羅（モイラ）「……仕切り直し……いや、ケリをつけましょう……」
ジャキキッ
業の断裁（フォアフェクス）を構え直す望均羅（モイラ）
かんな「……」
かんなも当然のように紅と碧の刃を構え直す
望均羅（モイラ）（……やはり……彼女は……我の紡ぐ運命の糸を変える……）
だからこそ……彼女に……鵺帛主（ヤヌス）様を止めてほしい……そのために、我はここに来たのだ……と望均羅（モイラ）
・
・・
・・・
一同「……」
そのまま緊迫した空気が流れ……
かんな、望均羅（モイラ）「ハッ！！」
ゴアッ
両者は一気に飛び掛かる……奥義や技などではこの勝負はつけられない……勝負を決するのは互いの信念
……
ザシャアアアアッ
一同「！！！！」
やはり、業の断裁（フォアフェクス）は鋏……鋏の形状にもどして斬りかかる望均羅（モイラ）と……それを両手の刀でX字に斬りかかる
かんな……そのまま、両雄は無傷のまますれ違い……
望均羅（モイラ）「……月天（げってん）……やはり、あなたなら……鵺帛主（ヤヌス）様を止められる……」
ガクリッ
勝者は……かんなであった……

#9
與鷹（よたか）「……かんな……」
よかった……と、與鷹（よたか）が安息したのもつかの間……何気なく望均羅（モイラ）を見ると……彼女の体が徐々に崩壊
していく……
與鷹（よたか）「お、おい……望均羅（モイラ）……お前は……死ぬことのできない存在……なんじゃ！？」
望均羅（モイラ）「……ええ……ですが、これは"死"ではなく、眠り……すぐに……目覚めます……」
サラサラサラ……
その言葉を最後に……望均羅（モイラ）は完全に崩壊……
かんな「……」
望均羅（モイラ）のことも気がかりだが……今はそれよりも、鵺帛主（ヤヌス）の計画を止めることが先決である……
果たして……かんなは人類を救えるのか……


END