Eighter -Grand Harmonise-
56ther 〜神々の討議と裁決 C〜



#5
陰轟留牡鴉アンゴルモアとの決戦が終わって束の間……今度は創造神鵺帛主ヤヌスが……人類抹殺計画を発動する……!?
そしてそれを知らせにやって来た望均羅モイラだったが……話は意外な方向に……
望均羅モイラ「私を……たおしてください」
白拍子かんな「望均羅モイラ……」
かんなが月天げってん覚醒したのも、全てはこれを見越してのこと……だが、まだどうしても死合う気にはなれない
かんな……
白拍子かなり「かんな……あんな自虐癖の神サマなんかぱっぱとたおしちゃいなさいよ……」
梓與鷹よたか「おいおい……かなり……」
望均羅モイラ「……ここで争うのはイヤとあらば……場所を変えましょうか?」
ヴオムッ
一行は歴史の墓場に飛ばされる
・
・・
・・・
歴史の墓場
かんな「……どうあっても……?」
望均羅モイラ「ええ、どうあっても私とあなたとの戦いは避けされません……全ては人類の未来のため……」
かんなの言葉を遮って、望均羅モイラが言う。
これは、私の運命です……と望均羅モイラ……
運命の女神が言う『運命』ならば……それは定められし事実……
かんな「……分かりました……」
チキッ
かくして、覚悟を決めたかんなは真の碧聖刃シアンセイクレドを構える
與鷹よたか「お、おい……」
いいのか……かんな……と與鷹よたかが言いかけるが、それを制止するかなり
かなり「ま、黙ってみてましょう……」
與鷹よたか「黙って……ってなあ……」
と、言うわけで、Eighter一行は黙って事の成り行きを見守ることに……
かんな、望均羅モイラ「……」
暫く対峙したまま微動だにせぬ両雄……重い沈黙が流れ……そして、それを打ち破ったのはかんな
かんな「龍咬舞刃りゅうこうぶじん!」
キュインッ
応龍おうりゅうに変幻する光の龍を解き放つ
望均羅モイラ「……いい技ですが、まだまだです、月天げってん。……このような龍では……鵺帛主ヤヌス様に傷1つつけること
 できませんよ?」
バシュンッ
光の龍が一瞬で砕かれる
與鷹よたか「な……何だと!?……牡鴉モアでさえ圧した光の龍が!?……あんなに簡単に!?」
軽々とかんなの一撃を打ち砕く望均羅モイラに驚愕の與鷹よたか
※だが、邪神を相手に光の技を使うのは効果的だろうが、そうでないものを相手に使う際は注意が必要と言う
 ことだね……

#6
ふおっ
瞬時にかんなの背後を取る望均羅モイラ……そして呟く
望均羅モイラ「本気を出しなさい……月天げってん……」
かんな「……望均羅モイラ……あなたは……」
望均羅モイラ「人のことを気にしている場合ではありませんよ、月天げってん……」
キュオオンッ
空間をゆがめ、ぎざぎざな刃が凶悪な巨大な鋏を取り出す望均羅モイラ……
望均羅モイラ「……それとも……人類抹殺計画を黙認しますか?」
パキン
その鋏を2つに分解して二刀流の構えを取る望均羅モイラ
望均羅モイラ業の断裁フォアフェクス……運命の糸を断ち切る鋏ですよ……」
與鷹よたか望均羅モイラと言えば……鋏……か……)
運命の糸の長さを決め、紡ぎ、そして断ち切る……それが望均羅モイラ……故に、望均羅モイラの神器は鋏であるのか
……などと考える與鷹よたか……
ひゅおっ
ガギンッ
與鷹よたかがそんなことを考えている間に、一気に間合いを詰めて斬りかかる望均羅モイラ
望均羅モイラ「……月天げってん!私のことよりも世界を!全人類を見据えて行動しなさいッ!あなたが負ければ人類に明日
 は無いのです!」
ギリギリギリギリギリッ
組み合ったまま動かぬ2人
かんな「くっ……」
でも……そうなると……あなたは……と、かんなは望均羅モイラの身を案じている……
某敢それがし・いさむ「かんな殿……」
迷いがあるなか死合っていれば……命取りになるでござる……と敢……事実、かんなは望均羅モイラに圧されつつ
ある……
望均羅モイラ「……」
バッ
ダダンッ
組み合っていた中、突如として望均羅モイラが距離を置き……両者は再び対峙する
望均羅モイラ「……人の身でありながら……神の身を案じる……お前は何さまのつもりですか!?……おごりを
 捨てなさい月天げってん……我は死ねない神……正確には"死滅をゆるされない神"……我が滅することなど、
 この鵺帛主ヤヌス世界が滅する時以外にありえない……」
ジャキッ
業の断裁フォアフェクスを突き付け望均羅モイラが叫ぶ
かんな「……」
しかし、かんなはまだ無言のまま……
望均羅モイラ「では、仕方がありません……我も神……人類抹殺計画を始めさせてもらいます……」
ひゅおっ
言い終えるなり、かんなを飛び越え、與鷹よたからの元へ
與鷹よたか「うおっ!?」
ガギンッ
業の断裁フォアフェクス……その2つの兇刃が與鷹よたかに迫る……が、そこに割って入るかんな
與鷹よたか「かんな……!?」
※背後から走ってきてどうやって両者の間に割り込んだんだ!?とか突っ込まないこと
かんな「……そこまでするなら……もう私は戸惑わない……躊躇ためらわない……あなたをたおして鵺帛主ヤヌスも
 たおす!人間を滅ぼさせはしないっ!」
ドウンッ
望均羅モイラを弾き飛ばすかんな
ザザザザザッ
望均羅モイラ「……そうです。それでいいのです!月天げってん!!全ての命運はあなたにある!!」
かんな「はあああ!!!」
ガッギギイインッ
ガガガガガガガガガッ
そのまま鍔迫り合いへと移行する
かんな、望均羅モイラ「おおおおお!!!」
……かくして……この哀しき戦いはクライマックスへと進む……


続

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