朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第27幕 〜刃に魂は戻ったか?〜



神魔光叢牙しんまこうそうが修復のため、道流みちると死合うことになったひかる……が、彼女の破壊力の前に成す術もなく、
ついに倒れてしまうのであった……
正入まさいり商店
正入まさいり五郎(……ムダだと思うけどなぁ……この娘が言うんなら仕方がない……待ちますか……)
安童あんどう切子「……」
・
・・
・・・
*(……は……をき……)
大典光おおのり・ひかる(……何だ?……)
……ここでひかるの深層心理の中へダイブしてみます♪いやっほぉ〜〜い
※意味不明。(特に最後の『いやっほぉ〜〜い』が)
*(……は……斬る道具……)
ひかる(……伊勢先生……の声?)
伊勢村正(……刀は人を斬る道具です……ですが、必ずしも人を斬るためにある道具ではありません。また
 ……必ずしも刀でしか人を斬れないということも然り……)
ひかる(……今更……講義の言葉か……)
ザザザザザッ
急にノイズがかかる
ひかる(……?何?)
*(所詮刀は斬る道具……侍は殺すが職業……人を斬ることが愉しみ。斬って、斬って、斬って……斬って
 斬って斬って……斬り刻め!抉れ!叩き割れ!!壊せ!!!殺せ!!!!!それこそが侍の真髄!)
ひかる(……やめろ!!ふざけるな!そんなことが……侍であってたまるか!俺は……俺は……人斬りじゃ
 ねぇ!!!)
*(ハッ……認めろよ……何のためにお前が侍になったんだ?仇をブチ殺すためだろ!)
ひかる(やめろ!!!)
ザッ……ザザザザザザザッ
また……ノイズが……
*(……物に……頼っていてはダメ……)
ひかる(……今度は……切子か……?)
切子(……技で斬る、信念で斬る、魂で斬る……)
ひかる(おいおい、切子……お前何を……)
……だんだん声がぼやけていく
切子(……私を……信じて……ねが……)
ひかる(……いや、だから……切子……)
切子(……なた……でき……足りな……のは……魂……)
ひかる(……何……だって!?……ちょ……待って……待ってくれ……何が……伝えたいんだ?)
ブツンッ
そこでまるっきり何も聞こえなくなる……
・
・・
・・・
五郎「……これ以上は無意味だ……」
切子「待って……」
五郎「……もう待てん……いや、私が待てないのではないのだよ……道流みちるが待てないのだよ……あの顔
 ……殺したくてうずうずしている……」
正入道流まさいり・みちるっていいですか?ってもいいですか?」
五郎「……許可する」
切子「やめ……て」
ドゴギャイインンッ
必殺の一撃……
道流みちる「……う……く……うぅ……」
……を受け止めるひかる
ひかる「……っ……マジで殺す気かこんちきしょう!!」
ドオンッ
ひかる復活!?……そのまま道流みちるを弾き飛ばす
五郎「2ラウンド開始か……いや、どの道これが最終ラウンドだな……」
道流みちる「……っちゃえ♪っちゃえ♪跡形も無く粉々にっちゃえ♪」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
殺気が高まる道流みちる
ひかる「……そう簡単にやられてたまるかよ……絶対に一本取って直してもらうからな……」
コアアアアッズズズズズズズッ
ひかるの剣気が上がり、蒼き閃光に包まれる
道流みちるひかる「はあああああああ!!!」
ドッ
両者、一足飛びにかかりそのまま大激突
バキャアアアアッ
道流みちる「あ……あああ……アアァアアぁああ!!!!!!!?????」
ドギャアアアアアアアッ
勝負に勝ったのは……ひかる……折れてボロボロになった神魔光叢牙しんまこうそうがで神鉄の手甲を打ち砕き、そのまま道流みちるを
弾き飛ばしたのだ……
ひかる「はぁ……はぁ……はぁ……」
パチパチパチパチ
五郎「お見事、お見事」
手拍子と共に五郎がやってくる
ひかる「はっ……道流みちるさんは……大丈夫……?」
五郎「何、心配いらんよ」
ひかる「いや、だって……結構……」
五郎「神鉄手甲の麗暴姫ジェノサイド・クィーンの異名を持つ娘をここまでやるとは……やるねぇ……」
ひかる「……俺、そんなアブないヤツと死合ってたのかよ……」
道流みちる「あ〜はは……負けちゃった……」
だらだら……
ひかる「……顔面流血で笑わないで……怖いから……」
五郎「さて、約束どおり直してあげましょう。その刀」
ひかる「え?……」
五郎「何を驚くんです?言ったじゃないですか。娘をノせたら直すって……」
ひかる「いや……しかし……」
修復不可能なまでにヒビの入った刀を見るひかる
五郎「神鉄をただの鉄と同じに考えちゃダメですよ。刀身が消滅しない限り修復は可能です」
ひかる「……」
五郎「さて、道流みちる、私は今から神魔光叢牙しんまこうそうがの打ち直しを行いますから傷の修復は自分でやるんですよ」
※『治癒』じゃなく『修復』って……オッサン……
道流みちる「うん」
ひかる「いやいやいや、まずは娘さんの手当てが先でしょうが!!?」
五郎「大丈夫大丈夫。あんなの唾付けとけば治ります」
ひかる「治りませんって!拓馬じゃないんですから……」
……と、言うわけで、刀の修復の目処は立ったのだ……


続

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