朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第26幕 〜神鉄手甲の麗暴姫ジェノサイド・クィーン



折られた神魔光叢牙しんまこうそうがを修復するため烏丸に貰った地図からこの世で唯一の神鉄鍛冶屋の元へ向かった一行、
そこで直す代わりに折れたる刃で一本取れとの条件が……
正入まさいり商店
大典ひかる「……あの、五郎さん……」
正入まさいり五郎「はい、何でしょう?」
ひかる「……あんなのに勝てる気がしないんですけど……」
五郎「何を言っているんです。娘は手甲1つ……いや2つか……でも貴方は刀。貴方の方が有利じゃないです
 か……同じ神鉄ですよ?」
ひかる(いやいや、破壊力はあっちの方が上だって……)
正入道流まさいり・みちる「……行きます……」
ひかる「いや、来ないで……お願い……」
ゴガウッ
その言葉も虚しく、道流みちるの鉄拳が飛ぶ
ひかる「うぉう!!」
バキバキバキバキッ
地面に亀裂が走る
ひかる(……くっ……いかに神鉄だろうと……あんなの喰らったらひとたまりもない……)
五郎「逃げ回っているだっけじゃぁ勝ってませんよ〜〜〜」
安童あんどう切子「……頑張って♪」
ひかる(応援されてもなぁ……)
ヒュンッゴガアアッ
ひかる「おわあ……あぶねぇ……」
道流みちる「……う〜〜〜、当ったらない……当ったらないよぅ……」
ひかる「当たってたまりますかい!死ねるわ!マジで!!」
道流みちる「……じゃあ、こ〜する……」
ドドドドドドッ
連打、連打……
ひかる「の……のおおおおおお!!!!」
ザザザザザザッ
辛うじて回避するひかる
ひかる(く……くそう……どうやって一本取れってんだよ……)
五郎「……ふむ。ふむ」
切子「……」
黙って傍観する2人
五郎(……逃げてばかりじゃあ……勝てない……永遠に……やはり、この程度ということなのでしょうか
 ……しかし……なぜ……)
切子を眺める五郎
切子「……」
五郎(なぜ……あの漢なのです?……烏丸……貴方は一体何を考えているのです?)
ドゴガンッベギャアアアアッ
尚も続く大破壊
ひかる「……はぁ……はぁ……」
道流みちる「しぶとぉい……」
ひかる(大分攻撃を躱せるようになってきたが……打てない……一撃たりとも打ち込めない……くそっ……
 世の中にはまだこんな猛者がいたってのかよ……)
五郎「……埒があかないですねぇ……道流みちる……左手のを外しなさい……その方が武器が1:1で正々堂々
 戦えます」
ひかる(1つになってもなぁ……)
道流みちる「……分かったよ♪」
すっく
左手の手甲を取り外し……
ズッシャアアッ
ひかる「え!?」
ひかる(何か凄い陥没音が聞こえ……)
ドゴアアアアアッ
ひかる「……が……はあああ!!!?」
次の瞬間間合いを侵食してきた道流みちるの一撃を喰らい吹き飛ぶ
ザダダダダダダダッ
道流みちる「当たった……当たったぁ〜〜〜♪」
ひかる「ぐ……ぐくっ……」
ひかる(これなら両手に装備していた方がまだ楽だった……って言うか……何て重みだ……)
五郎「ぼ〜〜〜っとしていると死にますよ……」
キュゴアッ
間髪入れずに右の拳が飛んでくる
ひかる「ちいいっ……」
ガギャアアアアアッ
折れた刀で受けるが……
ビシビシビシビシ……ザガガガガガガガッ
圧し負け、さらに刀にヒビが入っていく
ひかる「くっ……」
ヒュバッダダンダンッ
距離を取る道流みちる
道流みちる「受っけられた、受っけられたぁ♪……じゃ、次行っくよ〜♪」
ひかる「来てもらってたまるか……創世の炯光ジェネシス・フォトン!」
ドンッ
切っ先から閃光が走る
道流みちる「そ〜んなのい〜らない。返す。創世の炯光ジェネシス・フォトン」
ズドギャアアアアアッ
拳打と共に閃光が走り弾き返される
ひかる「んな……バカなあ!!?」
ヒュンッ
道流みちる「はい、おっ疲れ様ぁ♪」
ゴギャインッ
瞬時に間合いを詰め、道流みちる渾身のストレートが極まる
ひかる「が……はあああ!!!?」
ドダアアアアンッ
ひかる……ノックアウト……
道流みちる「残念でした♪」
五郎「……ムダだったか……」
切子「待って……」
五郎「……これは、彼の問題……お前が手助けしても何の得にもならない……」
切子「……分かっている……」
五郎「……それでも……?」
切子「……それでも」
五郎「……道流みちる……彼が起き上がるまで待っていなさい……まだ勝負は終わってないそうだ……」
道流みちる「はぁい♪」
……しかし……完全に打ちのめされたひかるは立ち上がることができるのか……いや、出来たとしても……
道流みちるを斃すことは出来るのか!?


続

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