朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第11幕 〜喧しい昼下がり〜



さてさて、血十字ブラッディ・クロスとの対決も終わり、また(ひかるにとっては意味あるものが仇討ちだから……)無意味な学園
生活が再会される……と思われたのだが……
SS学院
恐ろしきは刷り込みというヤツで……安童は俺が親鳥のような感覚で付きまとっていやがる……ああ、いつか
巣立つ日は来るんだろうな……
珠数恒次たます・こうじひかる!この前聞き損ねたことがあったから今日と言う今日は聞かせてもらうぞ」
大典光おおのり・ひかる「はいはい、分かった分かった……あとでな……」
恒次こうじ「そんなわけにはいかんのだ……コレは俺の……」
日宗三月ひむね・みつき「はいはい、バカはバカやってないでとっととしないと遅刻よ遅刻!!」
恒次こうじ「だぁれが!バカか!!」
・
・・
・・・
さてさて、授業なんてのは製作者が作るのがメンド……いやいや、特に変わったことも無いので割愛し、時間
は昼下がり……喉かな昼下がり……になることは無いのかなぁ……
バムッ
恒次こうじ「さて!聞かせてもらおうじゃないか!」
机に両手を叩きつけて恒次こうじが叫ぶ
ひかる「……はぁ……」
三月みつき「いい加減にしなさい、しつこい男は嫌われるよ」
恒次こうじ「うるさいわ!……さて、本題に入ろう……ひかる……お前、リコたんと1つ屋根の下で暮らしていて
 何もおきないはずなかろう……」
だから、名前に『たん』とか『きゅん』とかつけて大声で叫ぶな……挙句『萌え〜』とか言い出した日にゃあ
縁を切るってか……叩っ斬るぞマジで
ガヤガヤッ
三月みつき「うん?」
そういえば今日はやけに騒々しいな……どうせ安童あんどうに男どもが群がって……と、見ると……
安童切子あんどう・きりこ「……」
……群がってはいなかった……切子きりこはなんだか知らんが俺の横に陣取っている……むぅ、マジか!?
気配が無かったぞ……
恒次こうじ「これは事件だ!きっと美少女の絡んだ大事件だ!!」
三月みつき「アンタの妄想もここまで来るとたいしたものよねぇ……」
恒次こうじ「ってなわけだ……お前への追求は後ほど、今は美少女が……いや、事件が俺を呼んでいる」
一同(訂正する前のが本音だろ……)
ドヒュ〜〜〜ン
恒次こうじ……颯爽と去る……
三月みつき「あ、そうだ。今度お邪魔させてもらってもいいかしら?」
ひかる「はい?」
三月みつき「ま、抜き打ちのチェックだと想いなさい」
※何のだ!?
ギュオア〜〜〜
疾風の如く恒次こうじ参上
ひかる「速かったな……」
恒次こうじ「フッ……当たり前だろ?韋駄天の恒次こうじ様だぜ!」
そんな通り名は聞いたことが無い。むしろ今考えただろお前……
三月みつき「その様子じゃあ本当に女絡みの事件だったようね……」
ひかる(……確かに、コイツは女のことになると俄然張り切るタイプだ……例えるならルパンだな……よくも
 まぁ……)
恒次こうじ「フッフッフ、聞いて驚くなよ!何と何と!南斗紅鶴拳なんとこうかくけん奥義!」
ひかる「また随分とマニアックなの選んできたな……」
恒次こうじ「財閥嬢が誘拐されました」
三月みつき「は!?」
ひかる「いや、財閥嬢って……この学院に少なからずいるだろうよ……」
※ってか財閥嬢が侍を目指すのかって聞かれたらまず目指さないと思うが……
恒次こうじ「な……何と!何と南斗鳳凰拳なんとほうおうけん極十字聖拳きょくじゅうじせいけん!……財閥嬢を知らないのか!?」
叫びつつビュビュっと手刀で十字を切る恒次こうじ……
ひかる「……極十字聖拳きょくじゅうじせいけんは技名じゃなく流派名だ、極星十字拳きょくせいじゅうじけんの間違いだろ?」
恒次こうじ「ぬぅ……俺の渾身のボケを真顔で返すとは……やるおるわ……」
……まぁ、知っている俺も俺だけどな……
三月みつき「アンタのボケにいつまでも付き合っているヒマは無いのよ!用件だけ話しなさい?」
※『アンタ』なのでひかるは入っていない模様
スララッ
双剣抜刀、笑顔で話す三月みつき
恒次こうじ(こ……怖ぇえ……)
恒次こうじ「……財閥嬢といったらこの学年で有名なのはアイツしかいないだろ!!」
切子きりこ「……綱國丸鬼こうこく・まき」
ぼそっと呟く切子きりこ
恒次こうじ「そう、綱國こうこく財閥の1人娘……今朝登校するまではたしかにいた……との情報だ……となると、学院
 に到着するまでのどこかで誘拐されたか、はたまた学園内で誘拐されたか……」
三月みつき「アンタ、どっかに監禁していたりしないでしょうね?」
ジロ〜〜っと睨む三月みつき……うむ、恒次こうじならやりかねん……なワケないって……さすがに恒次こうじでも婦女子
監禁まではしないって……
恒次こうじ「おいおい、俺を何だと……」
三月みつき「ま、そうよねコイツならせいぜい脳内補完よね?」
ひかる(マジで恒次こうじとの縁を切りたくなってきたな……)
恒次こうじ「ともかく、誘拐されたのならば救出しなければならん」
ひかる「まぁ、その発言は正しいだろうが、何も俺達がやることはないだろ……」
恒次こうじ「アマイなぁ、ひかる……ここで財閥嬢を救い出せばフラグ立つかもしれないだろ」
一同「……何の話だ!?」
ああ、恒次こうじが遠い世界にいるよ〜〜きっとこなたとならいい話が出来るだろう……
※ってか恒次こうじのキャラの設定がだんだんオタッキーになってませんか!?……ええ、そうですよ……
 オタッキー&腐女子ですよ!(←うわぁ……)
三月みつき「さて、バカはしばらく放っておいて……どうする?」
ひかる「……どうするもこうするも……まぁ、人助けもたまにはね……」
切子きりこ「……決定」
と、言うわけで1人妄想にふけっている恒次こうじを置いて、3人は教室を後にする……
恒次こうじ「そこで……っておい!待てや!!お前ら……俺様の完璧なシミュレーションを……」
一同(妄想のシミュレーション!?)
ダダダッ
すかさず後を追う恒次こうじ
・
・・
・・・
※しかし、手がかりも何も無いのによくもまぁ行動を起こそうと決めたなぁ……(おいおい……)
……さてさて……彼らは無事財閥嬢を救い出すことが出来るのだろうか……そして……彼女を誘拐した
ヤツらの目的とかは一体……?


続

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