つくがく de SS
課外活動の13



ある日のツクール学園の食堂での一コマ
ツクール学園、食堂
フリード「バロン先生、隣、いいかな?」
バロン「フリード先生・・・構いませんよ。」
昼食を取っていたバロンの元にフリードがやってくる。
フリード「いや、すみません。職員室でちょっと仕事に追われていまして・・・この時間帯だと特に混んで
 いますよね。」
バロン「うむ。それは、確かに・・・」
・・・そして、そのまま食事は進み・・・
フリード「そういえば、もうすぐ中間テストですね。」
もうすぐ中間テストの時期・・・テストはどうしようか・・・などとフリードが会話を持ち出す
バロン「不正行為に対してはパラライズですな。」
フリード「魔法剣で廊下まで吹き飛ばしちゃうのもアリだね。」
※いきなりそんな会話から始まるのかよ!
ちなみに、ここは食堂・・・教員専用の施設ではなく、生徒も利用する・・・ので、2人の教師の会話を聞いた
生徒の一部はビクっとしたりしなかったり・・・するのだが、それはまた別の話である。
フリード「・・・そして、テストの範囲なんですが・・・」
一同「!!!!」
ガヤガヤしていた食堂の・・・生徒の大半が突如沈黙し、聞き耳を立てる
バロン「ここでそのような話をするのですかね?フリード先生」
フリード「ここは思い切ってまだ授業でやってない場所に重点を置いて問題を出そうかと考えているんですが
 ・・・」
だが、そんなバロンの注意をよそにフリードは笑顔のまま語りだす。
フリード「あるいは・・・まだ証明されていない定理を2〜3問出しましてですね・・・ちょっとみなさんに挑戦
 してもらおうかな・・・なんて・・・」
バロン「・・・」
それは、テストの意味があるのだろうか・・・などと考えるバロン。
フリード「・・・ま、テストの出題範囲はさておいて・・・」
そのまま話題を変えるフリード。胡散臭かったテストの出題範囲は一応頭の片隅に置いておくとして、食堂にいた
生徒はお喋りや食事を再開する
※・・・いつも微笑んでいてどことなく胡散臭いフリードの・・・テストの出題範囲(今までの会話)は・・・
 やっぱり胡散臭くヤマを張るのは難しいようです。
フリード「バロン先生は何か、中間テストで考えていることとかってあります?」
バロン「・・・中間テストだけではないのだが、私が考えるに・・・あまりに点数の低い生徒に対しては、
 『降級』があってもいいのではないか・・・と考えている。」
一同「!!??」
し〜〜ん
ザワザワっとしていた食堂が、バロンのサラリとした恐ろしい発言で急に静まり返る
フリード「逆飛び級とかも一考の余地ありそうだね。」
フリードもフリードでニコニコしながら話に便乗する。
※降級(進級の逆)とか逆飛び級・・・恐ろしい制度だ・・・特に逆飛び級が恐ろしい・・・そんなシステムを
 持つ学校には通いたくないな・・・
・
・・
・・・
フリード「あ、そうだ、バロン先生・・・次の期末テストでは合同で試験を行いませんか?」
バロン「合同!?」
一同「!!!!」
※ちなみに、今更だが、フリードの担当教科は数学、バロンの担当教科は英語である。
・・・フリードの数学の問題をバロンの英語で出題する・・・英語圏の学校なら普通のことのような気もするが
・・・ここは日本語圏の学校なので・・・食堂にいる生徒の一部はちょっとした戦慄状態に・・・
バロン「フリード先生・・・そろそろ昼休みの時間が終わってしまいますよ」
時計を見ながらバロンが言う
フリード「あ、本当だ・・・会話に夢中になってしまって、気が付きませんでしたよ。」
急いで食事を終わらせるバロンとフリード。また、食事を中断して2人の会話に聞き耳を立てていた生徒も急いで
食事を掻きこんでいく
フリード「では、ここでの話は生徒には内緒だよ。」
一同「・・・」
悠々と、微笑みながら食堂を後にするフリード。それを胡散臭双に生徒は見る・・・
・・・ちなみに、後日のフリードの数学のテストは・・・今、食堂で会話にあがったトンでもないものではなく、
普通のテストであったという・・・また、バロンが言及していた降級、逆飛び級も行使されることは無く、残念
なことに赤点を取ってしまった生徒もほっと胸をなでおろしていたという・・・


END

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