つくがく de SS
課外活動の11・後篇



ある日の放課後、けいの発案で冬が迫るこの時期に唐突に肝試しを行うことになった一行・・・男女ペアとなり
理科室、音楽室、保健室を経て図書室で記念写真を取るまでに誰が一番怖がりかを決めることになる。
その不名誉な称号は『ビビリ・オブ・ザ・イヤー』たった1回の肝試しで1年の称号が決まるなどと、
まさに『ビビリ・オブ・ザ・嫌ぁ〜』(寒ッ)
天然蛍あましか・けい「・・・」
ササ「・・・」
そして・・・第4陣のけい、ササなのだが・・・
うら美「・・・この2人・・・ちっとも驚きませんねぇ・・・」
理科室も、音楽室も保健室も難なく突破した2人・・・を背後から観察しているうら美
※そういえば、けいもササも面倒くさがり屋だからなぁ・・・ササはともかく、けいは『驚くことすら面倒くさい』と
 いう理由で驚いていないのだと思います。いや、それ、『面倒くさい』で片づけていい言葉じゃないよ・・・
 (ちなみに、ササの方は『わぁ、びっくりしたなぁ、も〜〜』と、驚くというより、怒るみたいな感覚なので
  カウントしていいのかどうか微妙な判定で困ってしまっているうら美・・・)
その頃、図書館では・・・
氷菓子茜薙ひがね・せな「あとはここで記念写真を取るだけか・・・」
フィル「・・・早めに終わらせて、最初の教室に帰・・・」
と、途中で言葉がとまるフィル
茜薙せな「ん?どうしたんだ・・・?」
フィル「あ・・・あうぅぅう・・・後・・・後ろっ!!」
茜薙せな「後ろ・・・?」
振り向くと・・・
茜薙せな「のぉうはあ!?」
フィル「ッ!!?」
そこには事件現場のような白いテープでマーキングされた数ヵ所の床の上にバラバラ殺人かのような状態の血糊
に塗れたルシャ先生が・・・
思わずこれまでで一番の大声で驚いてしまう茜薙せな。フィルはフィルで声にならない叫びをあげているようだ
ルシャーティー・エィユゥミス「・・・この恨みぃ・・・」
ガタガタっと・・・バラバラにされた手足や胴体を動かすルシャ先生
フィル「・・・よ・・・」
ルシャーティー「・・・はい?」
茜薙せな「フィル・・・?」
と、そんなとき、突如空気が変わる・・・と、いうか、フィルの回りだけ夜の暗闇よりもなお、暗い何かで
覆われているような・・・そんな感じに・・・
フィル「・・・そこまでして驚かすなんて・・・悪ふざけがすぎるよ?」
ズズズズズッ
茜薙せな「マズイ!?」
ルシャーティー「・・・あわわ・・・フィル君・・・少し時間を・・・先生、この状態では文字通り逃げることが
 ・・・」
あまりの恐怖に、フィル、黒化・・・そのまま魔法詠唱にかかる。達磨だるま状態のルシャは絶体絶命のピンチだ
茜薙せな「フィ、フィル、お、落ちつけ・・・ここはお前の大事な本の・・・」
だが、茜薙せなの声も届かないようで・・・更に悪いことにフィルは・・・アノ呪文を唱えている
茜薙せな「くっ・・・くそおっ!!」
バヒュッ
フィル「アポカリ・・・むぐっ!!?」
すかさず髪の毛マジックハンドを展開し、フィルの口を塞ぐ茜薙せな
フィル「んぐぐ・・・むぐぐぐぅ!!?」
しばらくばたついたフィルは・・・やがてぐったりと気絶してしまう
茜薙せな「ふ、ふぅ・・・危なかった・・・」
すうっ
うら美「茜薙せなさん・・・」
と、そこへ、うら美
茜薙せな「む!?何だ?」
うら美「今、フィル君が大変なことに・・・」
茜薙せな「へ・・・?」
と、慌ててフィルを見ると、泡吹いてびくびくと・・・
茜薙せな「のはぁあう!!!フィ、フィルぅ・・・だだ、大丈夫か!?」
ゆさゆさっとフィルの体をゆする茜薙せな・・・
うら美「茜薙せな・・・ビビリカウント追加で・・・ございます。」
その横で、ビビリカウントを追加するうら美
司「どぉおお!!!?なな・・・なんじゃこりゃあ!?」
ファイン「ふぁえぇ〜〜!?」
と、そんなとき、司とファイン、図書館へ到着。ルシャ先生のバラバラ殺人事件現場に盛大に驚く
うら美「司、ファイン、共にビビリカウント追加でございます。」
・
・・
・・・
そして、全ての組が肝試しを終え、一同はは最初の教室に集合する
うら美「では、これよりビビリ・オブ・ザ・イヤーを発表したいと思います。」
ジャジャ〜〜〜ン
と、助っ人3人が効果音を演奏する
うら美「ビビリ・オブ・ザ・イヤー、第3位は・・・フェア、4カウント・・・で、ございます。」
高らかに宣言するうら美
フェア「・・・芹沢先生!!」
半分くらいは芹沢先生のとばっちりだ・・・と恨めしそうなフェア
うら美「続いて・・・ビビリ・オブ・ザ・イヤー、第2位は・・・ファイン、フィル、5カウント」
フィル「あう〜〜、2位・・・」
ファイン「ふぁえ〜。」
ちょっとがっくりしつつ、でも、まだビビリ・オブ・ザ・イヤーじゃないから、少し一安心の2人
うら美「では・・・不名誉のビビリ・オブ・ザ・イヤー・・・第1位は・・・」
ダカダカダカダカダカダカダカ・・・
助っ人3人は太鼓を鳴らしたような効果音を鳴らし続け・・・
一同「・・・」
一同が固唾をのんで見守っていると・・・
ジャァ〜〜〜ンッ
うら美「茜薙せな、司、6カウント」
シンバルを鳴らしたかのような効果音がなり、そして続けてうら美が宣言する
司「嘘っ!?」
茜薙せな「ぬなっ!?」
けい茜薙せな、司、おめでとう〜」
パチパチと拍手をするけい
司、茜薙せな「ちっとも嬉しくないっ!!」
一同「では・・・健康にいい、この・・・ノニジュースを!」
ずおおおおおおおっ
異様なオーラと異臭を放つノニジュース・・・を受け取る茜薙せなと司
茜薙せな、司「・・・」
そのまま2人は顔を見合わせ、沈黙
茜薙せな「ええいっ、ままよっ」
ぐぐっ
そのまま一気に呷る
司「ガッハッ!?」
茜薙せな「酸っぱッ!苦ッ!渋ッ!」
飲みほした後、若干悶え苦しむ2人
・
・・
・・・
と、いうわけで、こうして季節外れの肝試しは幕を閉じたのだが・・・
けい「じゃ、次は花火しよう!?」
一同「だから、今は夏じゃないッ!!」
・・・肝試し大会・・・次は本場の夏に開催を予定・・・しているらしい。
※ちなみに、次は、芹沢先生は参加者じゃなく、驚かす方に回ってもらうらしい・・・まぁ、驚いたら、石降り
 とか天狗火とかでパートナーが更に驚くという悪循環になっちゃうしね・・・


END

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