つくがく de SS
課外活動の7・後篇



唐突に食堂で始まった料理バトル・・・審査員は司、フィル、けいの3人で・・・料理人はリズ、レイン、茜薙せなの
3人・・・制限時間は2時間で・・・あと残り半分・・・さて、一体どんな料理が完成するのだろうか・・・
氷菓子茜薙ひがね・せな「♪〜〜♪〜〜」
皮をむき、輪切りにし、更に煮崩れしないような下拵えを施した大根を大きな鍋の中へ放り込む茜薙せな。
また、それとは別に鍋に水と本だしを入れ、適度な大きさに切った大根と里芋を放り込み、もうひとつ鍋を
取り出し、醤油やら調味料、ブリと大根と生姜を入れていく
※こう見えて茜薙せなは出来るんです・・・天蓋てんがいあだのデータベースが間違ってなければ・・・
 (いや、それって・・・データベースに問題があった場合は・・・)
一方
レイン「フィル、サフランって何?」
フィル「えっと・・・サフランは・・・」
レイン「待って・・・思いだした。サフランライスとか言うよね・・・アレに使ってたりする?」
フィル「あ・・・うん。」
レイン「ふ〜〜ん、食紅(黄)のことなんだ・・・」
一同「違う!!!」
流石に一同突っ込む。
※余談ですが、レイン+フィルは・・・本を片手に悪戦苦闘していたのですが・・・結構失敗が続いており、作る
 料理が二転三転しちゃっていたりします。それに付き合うフィル・・・アンタは偉い。
ちなみに、現在は・・・魚介類と鶏肉、トマトピューレとお米などを並べてなにやら作っている様子ですが・・・
・
・・
・・・
ササ「ここまで〜〜」
そして、制限時間の2時間が経過・・・フィルはようやく、料理も完成した・・・と、いうことで急いで審査員
席へと急ぐ。
一同(作った上、食べる・・・大変だな・・・フィルも・・・)
ササ「では、真っ先に出来上がったリズから審査を始めるよ」
リズ「天麩羅蕎麦てんぷらソバとチョコパフェだよ。」
と、いうわけで天麩羅蕎麦てんぷらソバとチョコパフェを並べていくリズ
司「・・・あれ?・・・チョコバナナはどうなったんだ?」
リズ「えっと・・・」
時間が結構余っていたため、我慢できずに全部食べちゃった・・・とは言えないリズであった・・・
一同「・・・」
ササ「作った料理が必ず食卓に並ぶとは限らない・・・これは名言だね」
一同(そんな名言やめて・・・)
ともかく、試食タイム
むぐむぐむぐ・・・
フィル「・・・えっと・・・これは・・・何の天麩羅てんぷらなのかな・・・」
フィル、早くも箸を置く
リズ「バナナの天麩羅てんぷらだよ」
司「バ・・・バナナ・・・!?」
と、司は天麩羅てんぷらを箸でつかんだまま硬直
天然蛍あましか・けい「ふ〜〜ん。そうなんだ・・・」
気付けば1人完食しているけい
フィル「・・・え〜〜っと・・・バナナの天麩羅てんぷらってのも・・・料理としては・・・あるんだよ・・・」
司「なんだ・・・そうなのか・・・」
と、ほっとした司は天麩羅てんぷらを口に運ぶのだが・・・
司「・・・ぐふっ!?」
口に入れたことを後悔する司
フィル「・・・まだ熟していない緑色のバナナを使って天麩羅てんぷらにする・・・のが普通なんだけど・・・」
※つまり、通常出回っている黄色の熟したバナナは天麩羅てんぷらにしてもベチャっとしておいしくない・・・と、
 そういうことだ
リズ「あれ!?そうなの!?」
・
・・
・・・
気を取り直して、2品目。レイン(フィルが8割サポート)の作。パエリア
司「今度のは大丈夫だよな・・・なんたってフィルがサポートしていたんだしな・・・」
司、安堵しつつ配られるのを待つ
レイン「ささ、どうぞ召し上がれ・・・」
そして、パエリアは3人分取り分けられ・・・
司「では・・・」
むぐむぐむぐむぐ・・・
司「げはっ!!?」
食べた途端いきなりむせる司
フィル「どうしたの!?司・・・」
司「煮えてない・・・それに・・・味が濃い・・・」
フィル「あれ!?」
と、フィルも一口・・・確かにお米がまだ完全に煮えておらず・・・また、味も何故か濃い
レイン「フィ〜ル〜〜〜!?どういうこと!?ちゃんと本の通りに・・・あなたの言った通りに作ったんだから
 ね!!」
フィル「あう〜〜〜」
レインに睨まれたじたじのフィル
と、そんなとき『・・・そういえば、レイン、味見した?』とボソリと呟きが・・・
レイン「へ!?してないわよ。」
一同「・・・」
それが一番の原因だ!と一同思ったのであった。
けい「・・・水〜〜〜」
と、その時、またも完食したけいしきりに水を求めていた・・・
一同(けい・・・すげぇな・・・)
・
・・
・・・
茜薙せな「では、最後は私だな・・・」
ゴトゴトっと料理を並べる茜薙せな
フィル「えっと・・・これは・・・?」
茜薙せな「うむ、里芋と大根の味噌汁とブリ大根だ。ご飯はいくらでもあるからな・・・」
大根を大量に持っていったのはこのためだったのか・・・と一同は思ったのであった・・・
司、フィル「・・・」
そして、これまでの仕打ちから2人は恐る恐る料理を口に運ぶ・・・
司「あ、うまい!」
フィル「うん、おいしい!」
茜薙せな「デザートもあるからな・・・」
司「デザートもあるのか・・・」
と、いうわけで一同はマトモな食事にありつけた・・・と感激する
※別にリズとレインの料理がマトモじゃない・・・と貶しているわけではありませんよ。いや、本当ですよ・・・
でもって、デザートが配られる
フィル「・・・えっと・・・氷菓子ひがねさん・・・これは!?」
そこには湯気立つ大根が・・・
茜薙せな「これで仕上げだぞ」
と、言ってそのまま大根の上に味噌を乗せていく
一同「・・・」
それは・・・誰がどう見ても『風呂吹き大根』であった・・・
司「氷菓子ひがねさん・・・これは?」
茜薙せな「む!?風呂吹き大根だぞ?知らないのか?」
一同、やっぱり・・・と思う
司「いや、知ってるけど・・・これ、デザート?」
茜薙せな「当然だ!デザートと言えば甘いモノだぞ。・・・そして風呂吹き大根にかける柚子味噌は甘いもの・・・
 つまり、風呂吹き大根はデザートに属する料理だ!」
一同「違うから!!甘い料理もあるから・・・」
力説する茜薙せなに一同、抗議を行う。
けい「もっとないの?」
・・・と、そんな中、食べきったけいが催促
一同(・・・こいつ・・・)
茜薙せな「うむ、デザートはまだまだあるからな・・・」
※ここで言う『まだまだあるからな』とは『風呂吹き大根の他にもデザートがあるからな』・・・ではなく、
 『風呂吹き大根はまだ大量にあるからな』という意味です。
司、フィル「うえ〜〜〜」
・
・・
・・・
ササ「え〜〜、と、いうわけで、今回の料理バトルですが・・・優勝者は無しということになりました・・・
 じゃ、景品のタダ券は私が貰うってことで問題ないよね?」
一同「大ありだぁ!!!」
と、いうことで料理バトルは幕を閉じることとなる・・・
ちなみに、この件以降、調理実習とかで失敗した際、さりげなくけいに進めればきっと何でも完食してくれる
・・・という噂が学園を駆け巡ったのであった・・・


END

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