Eighter -Scarlet Nocturne-
52nder ～降真靈は高くない A～
#0
大神の降真靈を叩き潰すべく、Eighter・有嗎幇連合軍は兵庫県某所にある嘉曦渋寺へとやってきた。
量産型デミカナリアクターとの苦戦を強いられると覚悟したが、とんだ肩透かしだったのはさておき、既に異世
界の神召喚ガチャは実施されてしまった。
果たして、この事態、どう収束させるのか？
#1
ここで、光の柱が本堂を貫く、ほんの少し前に話は戻る。
古畑呂司「奴らは異世界の神を召喚すると言っていたが……」
梓與鷹「簡単に言うとオーパーツを儀式に組み込んで異世界から神を召喚する……ってのが奴らのやり口らしい」
化野梶太郎「オーパーツぅ？……そんなモンどこに？」
新田姜馬「……そうか！」
上総介「ああ、そういうことだ」
姜馬と総介が通じ合っている中、俺にも分かるように説明しやがれ！って感じの梶太郎がそこにいた。
姜馬「少し考えれば分かることだ……大神の降真靈もまたヴァルカナを求めてヴァルカナ争奪戦に参加していた。
しかし、既にいくつかヴァルカナを確保しているのにも関わらず、奴らがヴァルカナリアクターになった形跡がな
い……」
ノース光輪結社やⅡシレントワイザードの連中はヴァルカナリアクターになっているのにも関わらず……と姜馬
は続ける。
そして、そこまで聞かされれば呂司でもわかる。奴らが異世界の神召喚の儀式で使うというオーパーツが何なの
かに……
そして、本堂を光の柱が貫く。
総介「チッ……貴様らと遊んでいるヒマはない！」
だが、ノイエDAを突破しない限り儀式をキャンセルすることができないのも事実
しかし、総介は一人ではない。
御御脚「甲蟲と炎雷！」
旧透水「覇道色の闘気！」
姜馬「お前たちは先に行け！」
呂司「雑魚は俺たちが何とかする」
遣陀、罵音「雑魚だと！？」
夜灘、端診「貴様、誰に向かって口をきいている」
有嗎幇の連中が幽闘術を駆使して雑魚に専念してくれるのであれば、総介らは心置きなく儀式のキャンセルに向
かえる。
総介「死ぬなよ」
梶太郎「てめぇらこそだ！」
#2
本堂の中では、光の柱が収まり、そこには一柱の神の姿があった
反永「おおっ！」
それはオレンジの衣を身にまとう蒼髪の神……そして、刀傷か何かにより、その左目は潰されていた。
韻麗「成功だ！術式も安定している！」
総介「チッ、遅かったか……」
本堂に入るや否や、総介が舌打ちをする。
慈円「外が騒がしいと思っていましたが、侵入者ですか……」
韻麗は異世界の神召喚ガチャの儀に専念せねばならず、陀疎は山門の警備に当たっている。まして、反永の手を
煩わせるわけにもいかず、慈円が対処しようとした矢先、袰烏がそれを止める。
袰烏「よいよい。そ奴らにも見てもらおうではないか、わっちらの偉業を、大願成就を！」
與鷹「な、なんだアイツは……」
一見すると、ただの和服少女に見えるが、しかし、只ならぬ気配に與鷹は思わず身構えた。
反永「貴様ら光栄に思え、貴様らが拝謁しているこのお方こそが大神の降真靈の大僧正！袰烏闇人であるぞ！」
與鷹「あん……じん？！」
山咲桜「……『世界の光』と謳われた親鸞聖人……その逆位置にあり、『世界の闇』と謳われた破戒僧が手安闇人
……そんな、彼と同じランクにいるのが彼女……」
反永「よく知っているな……手安闇人は我らが光であった……残念なことに消息を絶って久しいが……」
※世界の闇なのに大神の降真靈においては光とかややこしすぎる。
総介「そんなことよりも、貴様ら！用もないのに異世界から神を呼び出すということが、どういう結果に繋がるの
か、分かっているのか？」
反永「そんなこととはなんだ貴様！」
袰烏「わっちが会いたいから呼んだ。それが用件だ」
総介「巫山戯るな！そういうのを用がないのに呼ぶというんだ！」
話し合いで解決できるようであれば、最初から異世界の神召喚ガチャなど行わない。
與鷹（総……あの神はなんだ？）
総介（今はまだ分からん……）
與鷹（そして、もう一つ、何故あの神はさっきから微動だにしないんだ？）
総介（それは……）
桜「これは、厄介なことになりました……」
総介「チッ……」
一体、何がどう厄介なのか……そして、奴らが呼び出してしまった神の正体とは？！
続
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