Eighter -Scarlet Nocturne-
44ther 〜因縁渦巻く影埼玉 C〜
#5
星露(・ユピテルメア「死ねぇえ!」
弥如(「生きるぅう!」
幽闘術では星露(の方が上だが、戦闘術では弥如(の方が上。よって今のところこの死合は総じて互角と言ったとこ
ろだった。
そして、そんな血で血を洗う因縁の兄妹対決を後目に縄網光弦(はEighter一行の前に立ち塞がる。
縄網光弦(「貴様らは儂が始末する!」
化野梶太郎(「爺さん、無理すんなよ。年寄りの冷や水って言葉知ってるか?」
ヒュバッ
突如梶太郎(目掛けて飛んでくる棒手裏剣……しかし、いち早く察した與鷹(はそれを受け止め、地面へ落とす
梓與鷹(「油断しすぎだ」
梶太郎(「うおおっ、びっくりした!?」
棒手裏剣は横から見れば直線だが、前から見れば点にしか見えないのだ。更に夜陰に紛れ込ませれば、見つかり
難さは格段に上がる。
上(総介「フッ、勝負は既に始まっている」
梶太郎(「ただの耄碌ジジィかと思ったがそうではないってことかよ」
いや、そこはヴァルカナリアクターになった時点で察してほしい。
梶太郎(「だが、見切ったぜ!今の見えない攻撃が貴様の幽闘術だな!」
ドヤ顔で叫ぶ梶太郎(。ってか、よく考えると見切ってないし、與鷹(のおかげで傷一つ負ってないのだが……ひと
まず與鷹(も総介も何も言わないことにした。
光弦(「いや、今のはただの忍術だが……」
単なる棒手裏剣ですが、何か?と言われて赤っ恥の梶太郎(であった。
梶太郎(「と、ともかく、見せてもらうぜ!貴様の幽闘術!」
光弦(「フッ、貴様に見せる資格があればな……磯撫(!」
シュカカカカカッ
またしても脳天目掛けて飛んでくる無数の棒手裏剣。しかし、先ほどと同じく、與鷹(は片手でそれらすべてを受
け止めて地面へと落とす
光弦(「貴様は少しは出来るようだな……」
総介「フッ、戦力の出し惜しみは後悔するぞ。俺たちは貴様を殺す覚悟でここにいる」
Eighterの本来の目的はヴァルカナの回収であり、ヴァルカナリアクターからヴァルカナを抜き取ると、ヴァル
カナリアクターは死あるのみ。
光弦(「言いよる。禺彊(!」
腰につけた左右の直刀を抜き放つと同時にX字の斬撃を繰り出すも、総介が蒼王の刃(と藍后の刄(をもってして切り
払う。
#6
総介「言ったはずだ、戦力の出し惜しみは死を意味すると」
ガキィンッ
そのまま距離を詰めて蒼王の刃(を振り下ろす総介。だが、その刃は光弦(の直刀で受け止められる。
光弦(「……よかろう。ならば儂の幽闘術を見よ!」
仕掛けてくると感じた総介はすぐさま後退って距離を置く。と、同時に光弦(は静かに呟く。
光弦(「幽闘術、死して屍拾う者ありや(」
ボコボコッ
梶太郎(「な、なんだ!?地面が!?」
*「オアアアッ!」
突如地面の中から黒装束の漢たちが襲い掛かる
梶太郎(「へっ、奇襲のつもりか、だが、双虎拳にそんなものは通用しない!」
飛び出してきた集団はどうにも動きが緩慢だったので、梶太郎(は難なく拳を食らわせ吹き飛ばす
梶太郎(「……な、なんだ!?今の……生きた人間の感触じゃなかったぞ」
しかし、妙な感触に戸惑いを隠せない。
光弦(「フッ、これが儂の幽闘術の真骨頂よ!」
與鷹(「なるほど……死者を操るとかそんな類の幽闘術ってことか……」
光弦(「そうだ。そしてそれだけではない!」
*「オオオオッ!」
梶太郎(に吹き飛ばされたはずの死人が何事もなかったかのように起き上がり、再び緩慢な動きで迫りくる。
梶太郎(「なっ、馬鹿な!……完全に流し斬りが決まったはずなのに」
いや、だから斬ってねぇから!とかそんな突っ込みはおいといて。
與鷹(「死者だから、生者を相手にするのはワケが違うってことかよ……少し厄介だな、これは」
梶太郎(「おいおい、まさか不死身ってことはないよな?」
総介「臠蒼極連(!」
ズバババババババババッ
総介「フッ、バラバラに切り刻めは流石に死者も動きようがない!」
それが一番の解決法。死者に安らかに眠ってもらうためにも仕方がないことなのだ。
梶太郎(「つまり、オーバーキルすればいいってわけか!おっしゃ〜!そうであれば双虎拳に任せろ!」
いや、その自負もどうなのか……
梶太郎(「おらぁ!死にたい奴は名乗り出ろ!極彩虎襲!」
ドコドコドコドコッ
かくて、迫ってくる死者を拳打の嵐で殴って完膚なきまでに叩き潰す。
※いや、相手は死人なのでもう死んでいるんですけどね……
続
前の話へ
戻る
次の話へ