Eighter -Scarlet Nocturne-
42nder 〜智利美(ら伝翳(り剣 A〜
#0
U(シレントワイザードの暗躍により、ヴァルカナ争奪戦は混迷する。
奴らの目的はヴァルカナ争奪戦をかき乱すことなので、これ以上ないほどの成果であるが、しかし、この先も主
導権を握っていられるほど甘くはないのだ……多分。
※そこは断定してほしかった
#1
化野梶太郎(「おっしゃ〜〜!野郎ども!今日も楽しいヴァルカナ争奪戦の時間がやってきたぜ!」
無駄にウキウキしながらEighter本部にやってくるのはもはや言うまでもない、化野梶太郎(である。
最早呆れを通り越して感心までする状態だ。
上(総介「今回ヴァルカナ反応が出現したのはチリ」
梶太郎(「チリだぞチリ!つまり、イースター島を観光できる」
一同「できません」
そもそも観光に行くわけではない。一同が盛大に梶太郎(に突っ込んだ瞬間であった。
さておき、Eighter・有嗎幇(はすぐさまチリへと出立する。
有嗎幇(からは例によって例の如く姜馬(と呂司(のコンビが出向している。
山咲(桜「今回ヴァルカナが出現したのはチリのロス・リオスという場所になります」
総介「フッ、どうやら一番乗りはアイツのようだな……」
ヴァルカナ反応が出現した場所……そこには既に狐面のメイドが突っ立っていた。
ジョスィフ・クロード「チッ、てめぇが一番乗りってワケかよ……」
慈円(「どうやら純粋にスピードではアレには勝てないようですね……」
大神の降真靈(、ノース光輪結社……役者は揃った。
睨みを利かせ合ったまま、どの陣営も動こうとしない。すると、最初に動いたのはヴィルヘル・奈美だった。
ヴィルヘル・奈美「全員でかかってきてもいいんですよ?」
ジョスィフ「てめぇ……」
慈円(「大した自信ですね」
梶太郎(「いいだろう!てめぇに双虎拳鉄の掟を見せてやる!」
與鷹(「ま、待て!」
梶太郎(「なんだァ、テメェ、邪魔をするな!」
一番やりとして殴りかかろうとする梶太郎(を與鷹(が止める。奴の挑発に乗り、無策で挑むのは危険だ……と、言
うことだが、與鷹(はもう一つ、今、攻撃を繰り出すのはマズいと無意識に感じ取ったためでもある。
しかし、挑発に乗ってしまう人物も少なからずいた。例えばジョスィフである。
#2
ジョスィフ「てめぇ、あまり俺達をなめてると後悔するぞ!……幽闘術、月の御手(の前に鎮めや!」
叫ぶと同時に一気に間合いを詰め、拳を繰り出すジョスィフ
ジョスィフ「月齢掌(・繊月(」
ズドグァアンッ
ジョスィフ「ぐはぁッ!?」
ジョスィフが拳を突き入れた瞬間、突如爆発が巻き起こり、派手に吹き飛ばされてしまう。
古畑呂司(「な、なんだ今の爆発!?」
ジョスィフ「貴様ッ!月齢掌(・有明(!」
ズグァアムッ
懲りずに左の拳を叩き込むも、再び爆発が巻き起こり、吹き飛ばされるジョスィフ
梶太郎(「おいおい、奴は何をしたんだ!?」
呂司(「知るかよ……俺にはただ爆発が起こったようにしか見えなかったぞ……」
慈円((フム……奴の幽闘術はスピードに特化した代物だと思っていましたが……どうやら少し違うようですね)
新田姜馬(「爆発……爆発!?」
ふと、姜馬(は気づく。アレは爆発を利用した防御だと……
呂司(「……そういえば、爆発を治療に利用する奴がいたと聞いたことがある……あれはもしかして……」
総介「いや、違う」
ふるふると首を左右に振る総介。
確かに莫肆瀬事(という、爆発を食らうことで自身の回復や治療を行えるトンでもない人物がいるにはいるが、ア
レはRPGで言うところの炎属性の攻撃を食らうとHPが回復するような特殊な事例に過ぎない。
姜馬((アレは爆発反応装甲だ!)
ソレは爆発をもってして防御を行う戦車によく使われる(?)技術である。
姜馬((はっ!?まさか……だとすれば、奴のスピードの秘密は……)
総介(あぁ、爆発を利用した加速だろうな……)
そして、総介もその発想に至った。
ヴィルヘル・奈美がデミカナリアクターだった頃の幽闘術、迦楼羅の光翼(も脅威のスピードを誇るエクストラス
キルだった。それは力場を使って加速し続けられるからこそ、そのスピードを出すことができたのだ。しかし、そ
れでも、瞬間的は加速度は8Gを超えることがない。
対して爆塵の神翼(は爆発のエネルギーを一方向に集中させることで文字通り爆発的な加速を可能とする。それに
より殺人的な加速Gと引き換えに迦楼羅の光翼(を超えるスピードを手に入れられるのだ。
続
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