Eighter -Scarlet Nocturne-
38ther 〜過負荷なりし影智(マイナスヴァルカナ) A〜



#0
 激化するヴァルカナ争奪戦。
 そんな中でも今回は新たな展開が巻き起こる。
※サブタイトルでネタバレしてるんですが、それは……
 果たして、ヴァルカナに秘められた事実とは一体!?

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「おい、聞いて驚け!次のヴァルカナがある場所は月だってよ!」
 今日も今日とて騒がしく登場するのは梶太郎(かぢだろう)
(かみ)総介「ンなわけあるか、馬鹿野郎!」
 ボコンッ
梶太郎(かぢだろう)「痛ぇっ」
 そんな馬鹿やってる梶太郎(かぢだろう)を殴ってでも止めるのは総介である。
梶太郎(かぢだろう)「なんでだよ!グラナダって言えば月にある施設。俺たちの世界では常識だろ!」
一同「どこのガンダムの世界の常識だよ!」
※フル〇タ四期でグラナダって単語が出てきて地上にもグラナダってあるんだって思った人は少なくはないと思い
 ます。(そんなワケあるかい!)
山咲(やまざき)桜「グラナダ……スペインにある都市の名前ですね。アルハンブラ宮殿で有名な場所と言えばわかるのではな
いでしょうか?……ちなみに余談ですが、グラナダとはスペイン語でザクロを意味します」
梓與鷹(よたか)「ともかく、スペインに行くか……」
 ひとまず、話はスペインに行ってからだ。なぜなら、ヴァルカナ争奪戦は既に始まっているからだ。

 スペイン、グラナダ某所
梶太郎(かぢだろう)「アルハンブラ宮殿が俺を呼んでいる!」
古畑呂司(りょうじ)「いや、観光に来ているわけじゃないんだが……」
 有嗎幇(ユーマハン)から出向してきた呂司(りょうじ)梶太郎(かぢだろう)の発言に呆れ顔である。
総介「ヴァルカナが検出された場所は残念ながらアルハンブラ宮殿の近くではない!諦めろ!」
梶太郎(かぢだろう)「そ、そんな……じゃあ、せめて、サグラダファミリアだけでも……」
呂司(りょうじ)「サグラダファミリアがあるのはバルセロナでグラナダじゃねぇよ!」
新田姜馬(きょうま)「観光したいなら一人で行ってこい!」
 本当にYouは何しにスペインへ?と言った感じである。
出音(でおん)・グロウシュベル「で、俺たちが今回向かう場所というのは?」
 梶太郎(かぢだろう)という馬鹿は放置して、一行は今回のヴァルカナ争奪戦に向けて話を進める。
桜「はい。なんでも最近になって見つかった遺跡だそうです。時代から推定するにウマイヤ朝時代のものだと囁か
れているようですね」

#2
 特徴的なのは遺跡には鹿の角とザクロを組み合わせたような紋章が描かれていたということだ。
梶太郎(かぢだろう)「なるほど、馬が嫌だから鹿ってことか!」
一同「……」
 馬が嫌だからウマイヤ朝だなんてことは断じてない!
與鷹(よたか)「なんか嫌な予感がしてきた……」
出音(でおん)「それは、どういう?」
 與鷹(よたか)が懸念するのはその遺跡が考古学者を自称する詐欺師、乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)がでっち上げた代物なのではないかということだ。
 だが、ここであれこれ言っていても始まらない。まずはその遺跡へ向かい、ヴァルカナを確保することが先決で
ある。

星露(シンルー)・ユピテルメア「クソ兄貴!今日という今日こそは死ね!幽闘術、耿暉放つ八鉱陣(ライトハウス・ナンバーエイト)!」
弥如(びぎん)「愚妹よ、今日という今日こそ諦めろ!幽闘術、影に生き影に逝く哉(シャドウ・ハウス)!」
 そして、やはりと言うべきか、既にヴァルカナ争奪戦は始まっていた。(と、言うか、因縁の兄妹対決が始まっ
ていた)
ジョスィフ・クロード「U(セカンド)シレントワイザード……相変わらず我らの邪魔をするか……」
 最も、個人的な感情を優先して大神の降真靈(こうしんりょう)につっかかっているので特に文句はない。
韻麗(いんれ)「お前たちも、我らが大願成就の邪魔ですがね」
クラウド・ノシュケー・マルーメ「フン、貴様らこそ、邪魔だ!そこをどけ!」
 大神の降真靈(こうしんりょう)とノイエDA、ノース光輪結社と宣教倶楽部、Eighter・有嗎幇(ユーマハン)連合軍、そしてU(セカンド)シレントワイザー
ド
天音(あまね)シア「役者は揃ったようですね……」
バーベラエ「みたいね……」
バーベラエ(今日も、あの人は来てないのね……)
 チラリとEighter一行を一瞥して、バーベラエは思う。
與鷹(よたか)(やっぱり、こっちを見て何かを確認している?……だが、何を?)
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃあ!今日は生まれ変わった俺様の晴れ舞台だ!行くぜ!虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
出音(でおん)呂司(りょうじ)「待て待て待て待て!」
 しかし、そんな制止の声を聴く梶太郎(かぢだろう)ではなく、二人は途方に暮れる。
総介「フッ、奴の問題なら片付いた。つまり、もう、奴のために時間稼ぎをする必要はないということだ!」
 そういうことは早く言ってよと二人は憤慨するのであった。


続

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