Eighter -Scarlet Nocturne-
35ther 〜黄泉国(ヨモツクニ)を封じる島 A〜



#0
 ヴァルカナがノース光輪結社、大神の降真靈(こうしんりょう)U(セカンド)シレントワイザードの手に渡らないようにEighter・有嗎幇(ユーマハン)連
合軍はもう一つのSアイランド(違)、薩摩硫黄島へと足を運んだ
※正確には鬼界島と言う謎の島です。
 そして、そこでヴァルカナ争奪戦が始まると同時に、突如として鬼の大群が出現。
 ヴァルカナ争奪戦の前に鬼退治を行うこととなったのだった。

#1
元人交喙(いすか)「オオオオアアアアアッ」
 鬼界島全土を震撼させるような凄まじい雄叫びに、思わず鬼の軍勢を含めた一同が動きを止める
(かみ)総介「フッ、やっと目覚めたか」
梓與鷹(よたか)「いや、何がだよ……」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「俺にも分かるように説明しやがれ!」
乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)「弱い犬程よく吠えるという奴だな……」
 ぼそりと呟く罵声を、交喙(いすか)は見逃さなかった。
交喙(いすか)「シャアッ!」
 ドゴオオッ
葦嵩(あしたか)「うごえあ!?……なっ、何ぃ!?」
 ギロリと葦嵩(あしたか)を睨みつけたかと思うと、次の瞬間には一気に間合いを詰められ、金匙玉楊(きんしぎょくよう)のフルスイングが直撃、
盛大に打ち上げられる葦嵩(あしたか)。
古畑呂司(りょうじ)「な、あいつ、まだあんな力を隠し持っていたのか!?」
総介「鬼どもを駆逐してヴァルカナを手にれるためには一刻も早く葦嵩(あしたか)を倒す必要がある」
山咲(やまざき)桜「そのために警部は発破をかけたわけです」
 リミッターを解除したとも言いますねなどと桜が続ける。
新田姜馬(きょうま)「激昂させて怒りのまま戦わせると?……しかし、冷静さを欠いた状態の奴が仲間にいるのはいかがなも
のかと……」
総介「最悪俺が奴を止める!それでいいだろ?」
一同「開き直った!?」
 さておき、死合は交喙(いすか) VS 葦嵩(あしたか)へと戻る
葦嵩(あしたか)「てめぇ、調子に乗るなよ!(こう)貫槍抜剣掌(かんそうばっけんしょう)!」
交喙(いすか)「オオオッ」
 錐の形をした黒き拳を飛ばす葦嵩(あしたか)だが、その拳を片手で掴み、握りつぶす交喙(いすか)を見て唖然とする。
葦嵩(あしたか)「な、なんだコイツ!?バケモノか!?」
 驚き冷めぬ間に交喙(いすか)は天高く飛翔し、太陽をバックに葦嵩(あしたか)の上空を取る
葦嵩(あしたか)「くっ、逆光が……」
交喙(いすか)九留紅霄(くどこうしょう)雲日(うんじつ)!」
 ドドドドドドドドドッ
 そして、葦嵩(あしたか)が怯んだ隙を逃さず九回の打撃を叩き込む。

#2
葦嵩(あしたか)「うごごごごご!?」
 無様に地面に激突する葦嵩(あしたか)だが、交喙(いすか)は攻撃の手を緩めない。
交喙(いすか)「ハッ!九留紅霄(くどこうしょう)陰諧(いんかい)!」
 ズドオンッ
 ゴガガガガガガガガガッ
葦嵩(あしたか)「ほげはあっ!?」
 交喙(いすか)も地面に着地するとそのまま金匙玉楊(きんしぎょくよう)を地面に突き刺す。すると直後、葦嵩(あしたか)の影から葦嵩(あしたか)を叩きのめす九回
の打撃が繰り出される。
呂司(りょうじ)「うわぁ、エゲツな……」
 思わずそんな感想を漏らす呂司(りょうじ)であった。
梶太郎(かぢだろう)「やったか!?」
 いや、そのセリフはフラグ!と一行が心の中で突っ込んだ。
葦嵩(あしたか)「ぐふっ、がはっ……ごほっ」
 そして、案の定、満身創痍ではあるが、立ち上がる葦嵩(あしたか)。最早勝敗は決したかに見えるのだが、奴さんはまだ勝
負を諦めてないようだ
呂司(りょうじ)「まだやるのかよ……」
姜馬(きょうま)「見上げた根性だな……」
 だが、それほどまでに奴の執念は凄まじいということか……と姜馬(きょうま)は内心思う。
葦嵩(あしたか)「まさか、貴様の力がここまであるとはな……正直見誤っていたわ……だが、最後に勝つのは俺だ!なぜなら
俺は天才だからだ!」
交喙(いすか)「うおおっ!」
 しかし、何と言うか、物理的に交喙(いすか)には言葉が通じないようで、葦嵩(あしたか)に襲い掛かる。
葦嵩(あしたか)()円殺抜剣掌(えんさつばっけんしょう)!」
 黒き拳が出現すると同時にその場で回転、リング状になったところで交喙(いすか)に襲い掛かる。
 これまでが殴るタタールの黒き拳だったのに対してこちらは斬るタタールの黒き拳だ!
交喙(いすか)幻紅十字(げんこうじゅうじ)酸与(さんよ)!」
 対して交喙(いすか)は斜め上から金匙玉楊(きんしぎょくよう)を振り下ろし、衝撃波を飛ばして応戦。
 一度しか振り下ろしていないのに、なぜか衝撃波はX字状に飛んでいった。
 ズドンッ
葦嵩(あしたか)「な、なんだと!?」
 リング状の黒き拳はX字状の衝撃波に粉砕され、威力そのままに葦嵩(あしたか)に迫る。
葦嵩(あしたか)「ぐ、ぐおおお!?」
 X字状の衝撃波の直撃を受けて吹き飛ばされ、鬼が湧き出る群れのど真ん中に落とされる葦嵩(あしたか)。
 今度こそ勝負ありと誰もが思った瞬間であった。
交喙(いすか)「ウオオオオオオオッ!」
呂司(りょうじ)「それはいいんだが、どうすんだよ、アレ……」
 そして、交喙(いすか)の暴走は止まらない。
総介「言っただろ、最悪、俺が止めると……」
 かくて、総介、交喙(いすか)と対峙する


続

前の話へ  戻る  次の話へ