Eighter -Scarlet Nocturne-
34ther 〜黄泉国(ヨモツクニ)へ繋がる島 D〜



#7
慈円(じえん)「慈悲、慈悲、慈悲、慈ィ〜〜悲慈悲慈悲慈悲慈悲慈悲慈悲慈悲ッ慈悲ィッ」
スィーロゥ・A・マクサル「ハッ!ヨッ!フッ!」
 オラオラのラッシュの如く三連打を繰り出し鬼を駆逐していく慈円(じえん)と、ムダにかっこつけながら二挺拳銃で鬼を
駆逐していくスィーロゥ。
※某ありふれた職業で世界最強を意識でもしているのだろうか?
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「俺達も負けていられねぇなぁ!うおおっ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 梶太郎(かぢだろう)も負けじと拳打の嵐を叩き込んで鬼を駆逐。何に対抗しているんだか……
梓與鷹(よたか)「いや、ゲームじゃないんだから……」
古畑呂司(りょうじ)「ってかこいつらどこから湧いてくるんだよ」
 そんな中、素朴な疑問を投げかける呂司(りょうじ)
(かみ)総介「フッ、そりゃあの世からだろう」
呂司(りょうじ)「いやいやいや……」
 場を和ませる小粋なジョークだとしても笑えない。
新田姜馬(きょうま)「だが、この鬼があとどれだけいるのか、それが分からなければこのまま戦い続けるのか、
それとも一旦退くべきかも決断できない……」
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、退くとか何弱気なことを言っていやがるんだ!鬼は全て倒す!桃太郎も通った道だぜ!」
與鷹(よたか)(いや、絶対通ってないとは思うが……)
姜馬(きょうま)「桃太郎か……なるほど、鬼界島と鬼ヶ島は同一だったと仮定すると……」
呂司(りょうじ)「仮定すると……?」
姜馬(きょうま)「いや……結論にはまだ早い」
與鷹(よたか)「仕方がない。だったら時間を稼ぐしかあるまい……」
総介「フッ」
 現状を打開できる策を見いだせるとすれば姜馬(きょうま)しかいない。そう考えて與鷹(よたか)と総介も鬼退治へ回る
梶太郎(かぢだろう)「お前ら、今更俺のスコアに追いつけるのか!?」
與鷹(よたか)、総介「いいハンデだ!」
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)!」
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)!」
 迫る鬼を斬る、殴る、KILL!怒涛の追い上げを見せる與鷹(よたか)と総介。
梶太郎(かぢだろう)(なんて奴らだ……二人で協力しているというのもあるが、それでも、この駆逐スピードは……)
 流石は俺が認めた生涯最大のライバル!と感心する梶太郎(かぢだろう)
※いや、お前、総介の事はライバルとか思ってないだろ?……と突っ込んではいけません。
総介「どうした?双虎拳ってのはその程度なのか!?」
梶太郎(かぢだろう)「ぬかせ!俺の力はここからが本番よ!」
一同「ちょっと待て、それはアカン奴!」
梶太郎(かぢだろう)虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」

#8
 しかし、皆が止める間もなく梶太郎(かぢだろう)はソレを使ってしまう。
※ってか、効力を発揮するまで時間がかかるんだかららハイスコアアタックの今ではデメリットしかないのでは?
総介「どうやら俺とお前だけでこの場を切り抜けないといけないようだな」
與鷹(よたか)「それ以前に考えなしにアレを使わないでほしいんだが……」
 愚痴りながらも鬼退治を続ける與鷹(よたか)、総介。
 勿論、慈円(じえん)とスィーロゥも競うように鬼を駆逐している。共闘すればもっと早く駆逐できるはずだが、ヴァルカ
ナ争奪戦の最中、それは絶対にありえないことなのだ。

 そして、鬼を駆逐する闘いとは別に、もう一つの戦いも繰り広げられている。
元人交喙(いすか)九留紅霄(くどこうしょう)!」
乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)(じん)殲裂抜剣掌(せんれつばっけんしょう)!」
 ドドドドドドドッ
 一度に九回の打撃を叩き込む交喙(いすか)に対して無数の黒き拳を放って応戦する葦嵩(あしたか)交喙(いすか)「チッ、ユートー術だとかヴァルカナなんとかだとか、俺にはさっぱり分からないが、貴様は一筋縄ではいか
ないってことだけは分かった」
葦嵩(あしたか)「ならば、どうする?俺を認めるか?」
交喙(いすか)「認めるかボケ!それとこれとは話は別だ」
※そこは「俺の力を認めるか?」じゃないんですね、威隻法腱(いせき・はっけん)に対するコンプレックスが酷い。
葦嵩(あしたか)「てめぇ……いいだろう、ならば、この幽闘術をもってして、認めさせてやろう!俺の方が威隻法腱(いせき・はっけん)よりも上
だということを!」
 まぁ、戦闘能力を比べるのだとしたら、明らかに葦嵩(あしたか)の方が上だろうが、そういうことではない。
 そして、そもそも認めさせる方法が間違っている上に、交喙(いすか)にだけ認められても嬉しいのか?
葦嵩(あしたか)「おおおっ!(れい)穿砕抜剣掌(せんさいばっけんしょう)!」
交喙(いすか)「ハッ!幻紅十字(げんこうじゅうじ)!」
 手を天に翳してからロケットパンチの様に回転を加えた黒き拳を飛ばす葦嵩(あしたか)、対して交喙(いすか)金匙玉楊(きんしぎょくよう)を斜め上か
ら振り下ろすだけでなぜかそれをX字に粉砕する。
交喙(いすか)「おらっ!くたばれ!」
葦嵩(あしたか)「甘いわッ!(てい)飛刃抜剣掌(ひじんばっけんしょう)!」
 一気に間合いを詰めて勝負に出る交喙(いすか)だが、しかし、黒き拳が飛んできたため金匙玉楊(きんしぎょくよう)を地面に突き刺して急停
止し、体をひねってそれを回避。
交喙(いすか)(チッ、奴を倒すには懐に飛び込むしかないが……)

#9
交喙(いすか)(下手に近づけばあの黒い拳にやられる……)
 それだけではない。とっとと葦嵩(あしたか)を倒して鬼退治に加勢した方がいいと、交喙(いすか)も感じ取っていた。
交喙(いすか)(どうする……)
葦嵩(あしたか)「どうした?手も足も出ないか!?やはり、俺は天才だ!」
 勝ち誇ったかのように宣言する葦嵩(あしたか)に、交喙(いすか)はなんだか怒りが込み上げてきた。
 そして、それを利用する者がもう一人いた。
総介「お前の腕も大したことないようだな」
交喙(いすか)「あぁ!?なんだと貴様!」
與鷹(よたか)「お、おい、総……」
 何煽ってんだって止めようとするが、そんな與鷹(よたか)を桜が引き留める。
山咲(やまざき)桜「警部を信じてください」
與鷹(よたか)「いや、そんなこと言っても……」
総介「代われ、後は俺がやる。お前は鬼退治でもやってろ!」
交喙(いすか)「てめえ……」
 しっしとハエでも追い払うような追い打ちの仕草に、交喙(いすか)はキれた。
交喙(いすか)「黙れェ!」
 ズドオンッ
 怒りに任せて金匙玉楊(きんしぎょくよう)を地面にたたきつける交喙(いすか)。今は仲間割れなどしている場合ではないのだが、総介は何故
こんなことをしたのか?


END

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