Eighter -Scarlet Nocturne-
34ther 〜黄泉国へ繋がる島 C〜
#5
元人交喙「乾藤葦嵩ッ！てめぇのせいで俺達トレジャーハンターの評判はダダ下がりッこの風評被害、どう責任と
ってくれるんだ。あぁ！？」
乾藤葦嵩「黙れ！てめぇらこそどいつもこいつも威隻法腱、威隻法腱！誰も俺を認めようとしねぇ！」
微妙に会話が噛み合っていないが、この二人には並々ならぬ因縁があるようだ。
交喙「おらっ！死ねぇッ！」
背中に背負った金匙玉楊を手に取るとそのままグルグル小枝を振り回すように扱い、葦嵩に叩きつける
葦嵩「フッ貴様こそ、俺の力の前にひれ伏せ！」
飛び退ってそれを躱すと拳を握りしめヴァルカナリアクターであることを見せびらかす。
交喙「貴様、それは……」
梓與鷹「気を付けろ、交喙、奴はヴァルカナリアクターだ！」
交喙「いや、なんだよ、そのヴァルカナリアクターってのは！？」
慈円「人の心配をするとは余裕ですな……」
交喙にアドバイスをしたいのも山々だが、今はこの場を切り抜けるのが先決。交喙には悪いと思いつつ與鷹は目
の前の敵に集中する。
上総介「フッ、知りたければそいつに勝て！」
交喙「うるせぇ！」
※煽るのはやめて差し上げろ！
交喙「紅薙破！」
葦嵩「悌・飛刃抜剣掌！」
ドゴオンッ
交喙が繰り出す紅きオーラの刃を黒き拳で相殺する葦嵩。
交喙「なるほど、少しはできるみたいだな……」
葦嵩「これが俺の幽闘術、祟るの黒き拳よ！」
新田姜馬（スィーロゥの幽闘術が判明するまでは迂闊に動かないのが得策……）
＊「「「オオオオオオッ」」」
一同「な、なんだ！？」
その時、寒気を催す雄叫びのようなものが響き渡る。
ゴゴゴゴゴゴゴッ
更に地震のような地響き
化野梶太郎「なな、なんだ！？」
古畑呂司「一体何が！？……まさか火山の噴火？！」
姜馬「いや、近くに活火山は……」
あるかもしれんが、これは噴火のソレとは違う。
與鷹「お、おい……な、なんだ、アレは！？」
そして、屋敷からゾロゾロとソレは現れる。
ソレは額に角を生やした生物……ソレはどこからどう見ても鬼と呼ばれる存在だった。
総介「フッ、流石は鬼界島……あの世と繋がる島なだけはある」
與鷹「いやいや、感心している場合か！」
#6
梶太郎「おし、じゃあ、どっちがより多くの鬼を倒せるか勝負だ！」
與鷹「はぁ、お前は気楽でいいな……」
もはやヴァルカナ争奪戦のことなんかどうでもよくなっているんじゃないかってな梶太郎の発言に、思わず與鷹
も呆れてものが言えなくなる。
それはさておき、姜馬は敵戦力の分析に注力する。
慈円「やれやれ……私に歯向かうとは愚かな。私に歯向かうとは愚かな。私に歯向かうとは愚かな……仏の顔も三
度まで……あなた方に仏の慈悲を与えましょう」
悪い笑みを浮かべながら右手の甲を見せびらかす慈円。
赤と青の四角を組み合わせた八芒星にCCCXIIIの数値。それはデミカナリアクターの証だ。
慈円「幽闘術……三蠱の零！」
ドッドッドッ
迫る鬼に三度の拳を叩き込む慈円。
鬼「ぐおおお！？」
すると、鬼は苦しみ藻掻きながら砕け散る。
慈円「これが、仏の慈悲ですよ」
※いや、絶対違う
姜馬（二撃決殺ならぬ、三撃決殺と言ったところか……）
それは同じ攻撃を三度重ねることであらゆるものを粉砕するエクストラスキル。正しく慈円にうってつけのエク
ストラスキルであった。
スィーロゥ・A・マクサル「幽闘術、投影の白蛇神……」
ボソリと呟くように囁く。と同時にエア抜刀。すると光が収束し刀が出現する。
姜馬（武器を生成する幽闘術……無限の正義製と同じか？）
だが、幽闘術に同一のモノは存在しないはずだ。ならば、無限の正義製と投影の白蛇神では何か絶対の差分があ
るはず。
スィーロゥ「死にたい奴は前に出ろ！」
鬼「オオオオオッ」
ザクザクザクザクッ
スィーロゥが手を天に掲げると、空より刀が降り鬼を貫く。しかし、多勢に無勢、スィーロゥが呼び出す刀の数
よりも、迫りくる鬼の方が多い
スィーロゥ「チッ……ならば……」
姜馬「何！？」
スィーロゥの手から刀が消え、次の瞬間には両手にFNファイブセブンが握られていた。
姜馬（剣だけではなく、重火器も召喚可能？……それが無限の正義製との違いということか？）
続
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