Eighter -Practical Era-
8ther 〜残された試し書き A〜



#0
 試し書き……それは、(ある意味)最初のフロンティア……
 そして、これが試し書きが重要なカギとなったとある事件の物語……

#1
 天四斗あまよと王治部おうじぶ邸
 ピンポ〜ン
王治部おうじぶ真「ん?来客だぞ……おっと……今日は私1人だけだったか……」
 事件は……そのとある住宅にて起こった……
 ガチャリッ
 玄関に出ていき、ドアを開ける真……そこには、1人の漢が……
*「やぁ……真さん……」
真「……何だ……君か……」
*「上がらせて貰うよ」
真「あ〜〜、まぁ……構わんが……」
 そのままリビングへ漢を通す真
真「しかし、今日は一体……どんな用件が……?」
*「……ああ、実はな……」
 と、そのまま机の上に置いてあるノーパソに目を移す漢
真「おっと、済まない、今、仕事の最中でな……」
 そのままノーパソでログオフ作業を行う真
真「……で、何の用なんだ?」
 そのままノーパソに向き合いながら真が言う
*「……お前が――――なのか!?」
真「……な……んでソレを!?」
 漢が口にした言葉に……真は驚愕の表情を浮かべ、凍りつく
*「……そうなんだな……」
 そのままきつく問いただす漢
真「どこで……それを!?」
*「……娘からな……」
真「くっ……まさか……」
*「だから……悪いがそのパソコンの中身は貰っていく」
 ドガアアッ
真「ぐあっ!?」
 ドサリ
 突如浴びせられる衝撃……そして、真はそのままその場にくずおれる……
*「……」
 漢はノーパソを手に颯爽と王治部おうじぶ邸を後にするのであった……
・
・・
・・・
警官「降來戸ぶらいど警部……第一発見者は王治部おうじぶさんの娘、繭さんです……」
王治部おうじぶ繭「帰ってきたら……父が……リビングで……」
 と、とつとつ語る繭……
降來戸ぶらいどミナヅキ「なるほど、何者かに殺害されていたと言うわけですな……」
繭「いや、まだ殺されてないんで……」
 勝手に殺さないで……と繭……しかし、降來戸ぶらいど警部はそれを華麗にスルー
警官「降來戸ぶらいど警部……これを……」
 机の上にあるケーブルを指さし警官が喋る
ミナヅキ「これは……電話線か……」
 ズコッ
 その発言に一行は盛大にコケる
警官「違いますって!!100BASE-Tですよ!100BASE-T!!つまりインターネットに必要なケーブルってことです。
モジュラーケーブルとサイズが違いますよ!!」
ミナヅキ「……もじゅらぁけぇぶる……ってのは!?」
警官「だから、電話線のことです」
警官「降來戸ぶらいど警部……大体、電話なんて盗んでどうするんですか!?」
ミナヅキ「フッ……分からんぞ……一人暮らしで携帯も買えず……でも、家電で家族と連絡を取りたい……という
若者がいるかもしれないだろ……」
繭「いや、いないでしょ……」
一同「……」
 スッパリと否定されてしまった降來戸ぶらいど警部であった……

#2
警官「あと、降來戸ぶらいど警部……こちらを……」
ミナヅキ「これは……」
 と、1人の警官が指さしたそこには……床に血文字で試し書きがされていた……
 そう、よく、文房具店で見かける連なった円が8つの試し書き……
ミナヅキ「試し書き……?」
警官「試し書きですね……」
繭「うん……試し書き……だね……」
 一同も思わず……試し書きに反応するのだが……
警官「いや、いくら何でも血文字で試し書きって無いでしょうに……」
繭「……そう……だよね……」
ミナヅキ「だとしたら……ダイイングメッセージか……はたまた犯人が仕組んだトリックか……」
警官「トリックって一体何のですか!?」
ミナヅキ「いや、何となく……」
警官「降來戸ぶらいど警部……思いつきで話すのやめてくださいよ……」
ミナヅキ「ン、ゴホン……とにかくだ……これは鑑識に回しとけよ……」
警官「はっ……」
 と、言うか言われなくてもやりますよ……と警官
ミナヅキ「ああ、それからそちらの娘さんも……輪姦まわし……おっと、危ない……危ない……」
一同「何を考えているんだ!アンタは!!」
 一同から盛大に突っ込みが入る……
ミナヅキ「で、繭さん……お父さんに恨みを持つ人とか……おりましたかな?」
そして、何事も無かったかのように自称聴取を続ける降來戸ぶらいど警部
繭「……知りません……よ……」
警官「うむ……」
ミナヅキ「これは……迷宮入りの予感がするな……死んだお父さんに何と詫びればよいか……」
繭「いや、だからまだ死んでないんで……勝手に殺さないでくれる!?……と、言うかまずそのことを詫びて欲し
んだけど……」
 と、繭の抗議も虚しく……降來戸ぶらいど警部は1人、真が死んだものとして話を進める
※ちなみに、今、真は病院で入院中であります。怪我事態は大したことがなかったのだが……精神的なショックが
 ちょっとばかし強いようです……
警官「……と、ともかく、一旦署に戻って……」
ミナヅキ「うむ、話はそれからだな……」
 ……あの試し書き……あれにはどんな意味があるのだろうか!?
 そして、犯人は一体……!?


続

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