Eighter -Practical Era-
8ther 〜残された試し書き B〜



#3
 王治部おうじぶ真が何者かに襲われ……そして現場に残された血文字の試し書き……果たして、それが意味するものとは
一体!?
※そういえば、派手に出血していないのに、どうやって血文字のダイイングメッセージを残したのだろうか
 <富山、富山県警
警官「……ダメですね、降來戸ぶらいど警部……王治部おうじぶ氏に恨みを持つ人間はいないようです」
降來戸ぶらいどミナヅキ「そうか……」
 ならば、やはり、この試し書きを解読するしかないようだな……と降來戸ぶらいど警部
警官「……いや、しかし……それ、どう見ても試し書きですよね……」
ミナヅキ「だよなぁ……どうみても……なぁ……」
 ドダドダドダッ
 バムッ
警官「降來戸ぶらいど警部ッ!」
 突如やってくる警官
ミナヅキ「どうした?」
警官「繭嬢のお話から屋敷に出入りしていた人物が判明しました」
ミナヅキ「ほう」
警官「名前は櫟木樂いちい・らく……繭嬢の同級生にしてこの屋敷のメイドをやっていた人物です」
ミナヅキ「メイドぉ!?」
警官「はい」
ミナヅキ「それだけか!?他にはいないのか!?」
警官「はい。どうやららく氏以外にこの屋敷を出入りしていた人物は居ないそうです」
ミナヅキ「それは怪しいな……うん、わかるぞ……きっと王治部おうじぶ氏に襲われそうになって……色々な部分を、もみ
合っている内に殺してしまった……と」
警官「……『いろいろな部分を』っていらないんじゃ……」
 と、いうか、そもそもまだ王治部おうじぶ氏は生きています!と警官
ミナヅキ「ともかく、彼女に逢いに行くぞ!……で、どのメイド喫茶に行けば会えるんだ!?」
警官「いや、ですから……彼女は学生でして……」
※なんでこんな人物が警部になれたんだろう……
 かくて、一行は思い込みの激しい降來戸ぶらいど警部に激しく不安を覚えつつ、らくの通学する天四斗あまよと工業へと足を運ぶ
のであった
・
・・
・・・
 天四斗あまよと天四斗あまよと工業、3-J
 ウ〜〜〜ウ〜〜〜ウ〜〜〜ウ〜〜〜
生徒「見ろよ……パトカーだぜ……」
生徒「マジ!?」
 そのまま一行は窓の外に釘付けとなる

#4
品辛斬子ぴんから・きりこ「おいおい、誰だ!?この中でクスリや売春をやった馬鹿者は!?」
一同「いませんよ!ってかなぜに決め付けるんですか!?」
 バムッ
 ドカドカッ
 と、そんなことをやっていると警官一行が殴りこんでくる
警官「あ〜〜、失礼……櫟木いちい……櫟木樂いちい・らくさんはいますかな?」
斬子きりこ「残念だが、彼女は渡せんな……」
ミナヅキ「……ほう……つまり、それは……犯人を庇うとみていいのかな?」
 ……突如、緊迫した空気が流れる……
斬子きりこ「と、まぁ、冗談はこれまでにして……おい、櫟木いちい、ご指名だぞ……」
櫟木樂いちい・らく「……えっと……何でしょうか……?」
ミナヅキ「む!?」
 そのままらくのもとへ詰め寄る降來戸ぶらいど警部
ミナヅキ「君か……君は王治部おうじぶ邸にメイドとして働いているというのは本当かね?」
一同「な……なにぃ!!?メイドだとお!?」
 男士達の以上な盛り上がり……コイツら全員そういう趣味の持ち主か!?
らく「……それが!?」
ミナヅキ「実はその真氏が何者かに殺されてな……」
生徒「主人が殺された!?こ……これは……事件だ!……王治部おうじぶ家メイド湯煙殺人事件!!」
警官「おいおい、なんで屋敷の事件なのに温泉めいたタイトルなんだよ?」
※いや、その前に勝手に殺すなと突っ込もうよ……
生徒「サスペンスといえばやっぱ湯煙ギャルが出てこないと面白くないでしょ!?」
警官「……フム……」
斬子きりこ「甘いな……サスペンスと言えば知らず知らずのうちに犯行現場を見てしまう家政婦……だろ!?」
警官「それも……確かに……」
ミナヅキ「そして、『事件は会議室で起きているんじゃないッ!現場で起きているんだ!』のあの台詞!」
一同「……」
 警官一行して一体何をやっているんだか……
・
・・
・・・
警官「で、犯行時刻ですが……」
 そして、何事も無かったかのように捜査を続ける警官
生徒「おいおい、櫟木いちいさんを疑うってか!?……」
警官「……犯行時刻は9:00〜9:30の間ですが……」
斬子きりこ「当然、授業の真っ最中だったぞ……」
ミナヅキ「だろうな……」
生徒「しかも、抜け出したりしてもいないし、仮に抜け出したとしても往復+殺人の時間なんて無いだろ?」
生徒「大体メイドが殺人を犯すわけねぇだろ!」
生徒「そうだそうだ!メイドだぞ!!」
※それは偏見です
生徒「……いや、しかし、メイドがご主人様を殺めちゃうのもアリかもしれない……」
 と、そんな中1人の生徒がポツリと漏らす
一同「オイ……そこの奇特な趣味の持ち主!」
 一同、ヤヴァ気な趣味の人物に冷たい視線を送る
生徒「な、なんだよ……べ、別に俺はメイドに殺されたいなんて思って何かいないぞ……」
一同「いや……そういう意味じゃなく……」
ミナヅキ「……やはり、事件は迷宮入りか……済まんな……王治部おうじぶさん……あなたを殺した犯人を見つけ出せなく
て……」
警官「ですから、勝手に殺さないで下さいって……」
 ……果たして、事件は解決するのか……そして、いい加減にかんなは登場しないの!?


続

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