Eighter -Midnight Howling-
40ther 〜無得点の折り返し C〜
#5
修行(?)の果て、闇(?)に飲まれたかんなら一行だが、今、正気を取り戻し、成果を見せる時……かもしれ
ない。
過初叨素(「無駄な足掻きを……」
まぁ、いい、付き合ってやるのもまた一興と過初叨素(はレンの硝子を構えなおす
白拍子かんな「行きます」
ドッ
過初叨素(「何?!」
思った以上のスピードで一気に間合いを詰められ、驚きを隠せない過初叨素(。
迫る神滅超越者(の刃をレンの硝子で受ける過初叨素(だったが……
過初叨素(「馬鹿な……圧されている……だと!?」
人の力を侮っていたせいもあるが、先ほどとは明らかに違う力に過初叨素(は瞠目する。
元人交喙(「見ろよ、さっきよりはいい勝負になってんぞ」
これなら、勝てるかもしれない!と思う交喙(
梓與鷹(「あ、ああ……」
だが、どことなく上の空な與鷹(。
その一番の理由は……蒐葡貮繰(が続ける
蒐葡貮繰(「これは、界間撤鋼接衝点(からの供給……?」
過初叨素(「いや、その逆だ」
交喙(「逆ってなんだよ?」
與鷹(「……界間撤鋼接衝点(から発信される神の力を得ているのではなく……」
受信するキャパシティが増えているということだ。
ローザ・エスピンガルダ「女子三日逢わざれば眼福と称して胸を見よ!ってヤツですね」
一同「違ッ」
そもそも三日も立ってない
白拍子かなり「これが修行の成果ってわけよ!」
過初叨素(「ぬうん」
背後から襲い来るかなりの兇刃……その大鎌の柄を左手で受け止める過初叨素(
過初叨素(「なるほど、面白い……ならば、貴様らは目的を果たせた……と言うわけか?」
さぁて、それはどうかしらね……って意味深なことを告げるかなり。
今、ここでまだ他にやることがあるのか……?
白拍子かれん「私がいることも忘れないでよね」
その時、かれんも一足飛びに襲い掛かる。
とりあえず、全ての怒りは過初叨素(にぶつければいいってな半ば八つ当たりにも似た所業である
過初叨素(「貴様こそ、忘れているのではないか?」
かれん「何をよ?」
ガキンッ
かれんの刃は過初叨素(には届かなかった。
突如としてそれを阻むモノが割り込んできたからだ
それはバルザイの偃月刀……そして、それを繰るのは……
かれん「蒐葡貮繰(……?!」
くっ、卑怯よ!と言いかけてぐっとそれを飲み込むかれん
まぁ、こっちは既に三人で過初叨素(に襲い掛かっているんだからどっちが卑怯かって言われるともう何も言えな
いのだ。
#6
かなり「こっちは三人だけど、いいのかしら?」
過初叨素(「驕るなよ、人間」
過初叨素(、蒐葡貮繰(から放たれる神氣が神々しく、そして、重々しくなる
これが、神の力……だが、それはまだ片鱗でしかないのだろう。
かなり「まあ、そうよねぇ……」
かなりの呟きにかんなもこくんと頷くとともにとびかかる
かんな、かなり「はっ!」
かれん「ってか、なんで二人はこんな重っ苦しい空気の中動けるのよ!」
サクサクうごくかんな、かなりとは裏腹に、かれんは指一本動かすのも辛そうだ。
これが運がある者とないものとの差なのか!?
かんな「龍咬舞刃(!」
かなり「鳳鸞舞刃(!」
かんなが応龍(に変幻する光の龍を、かなりが平安を齎(す鳳凰を斬撃と共に繰り出す。
蒐葡貮繰(「昴世の晶壊(」
カキンッ
応龍(、鳳凰をクリスタルに閉じ込め打ち砕こうとする蒐葡貮繰(
過初叨素(「下がれ!」
かれん「闇龍極舞刃(」
過初叨素(の警告と同時に砕け散るクリスタル。しかし、それは応龍(と鳳凰が砕かれた音ではない。
クリスタルに封じ込められていた応龍(と鳳凰が黄泉帰った音だ。
さらに、もう一つ、かれんが闇の剣気で具現化させた龍を解き放つ。
蒐葡貮繰(「これは……」
ズドンッ
応龍(、闇の龍、鳳凰が過初叨素(、蒐葡貮繰(に襲い掛かる。
交喙(「や、やったのか!?」
與鷹((そんなセリフが出てくるときはやってないって気がする……)
與鷹(が思った通り、かんなら三姉妹の技を喰らっても、二柱はまだ健在だった。
過初叨素(「……ふふふ……ふはははは……面白いッ!」
交喙(「んなぁ!?」
アレでも斃せないのかよ……って驚愕の交喙(に、それが神たる所以なんだよなぁ……と思う與鷹(。
ついでに言うと……言い訳がましく聞こえるかもしれないが、かんなら三姉妹はまだ全力を出しているわけでも
なかったりする。
かなり「流石は神……と言ったとこかしら」
かんな「……」
かなり「どうする?もうちょっと遊んでいく?」
蒐葡貮繰(「そうですねぇ……」
これ以上となると流石に界間撤鋼接衝点(から破壊神の力を引き出さないと厳しい戦いになる。
手に汗握りつつ、かんなは神滅超越者(を構えなおす
過初叨素(「帰るぞ……」
しばらく沈黙が続いたのち、ぽつりと漏らす過初叨素(
蒐葡貮繰(「はい、では、そのように……」
直後、二柱はまるで最初からそこにいなかったの様に消えてなくなるのであった
#7
與鷹(「た、助かった……」
かんな「ええ、今は……」
二柱の気配が完全に消えたところで三人も覚醒を解除
交喙(「ってか、なんで奴らは急に帰ったんだ?」
かなり「さぁ、なぜかしらねぇ?」
あ、これは絶対知ってる顔だ……って思う一行。
※まぁ、楽しみはもうちょっと後で……ってことで見逃してもらったってわけですが……
かなり「そんなことよりも、全部の目的が達成できたからこんなところからさっさと帰るわよ!」
交喙(「確かにそりゃ言えてるな」
かれん「いや、どうやって帰るのよ!」
そもそも行きも過初叨素(の導きでここに来たわけだし、帰り道なんてわからないわよ!とかれん
かなり「ああん?なんですって?かれん、だから、あなたはアホなのよ!」
かれん「いや、別にアンタの弟子じゃないし、私」
かなり「だからあなたはアホなのよ!……大事なことなので二度言いました」
かれん「言わんでいいッ」
次の瞬間、かなりの鉄扇制裁が飛んでくる。口は禍の元ってことだね。
※いや、なんか違う……
與鷹(「で、実際のところ、どう帰ればいいんだ?」
かんな「はい。この星の羅針盤を使えばいいんです」
與鷹(「……アビスの大穴へと導くアイテム……ならば、その逆も然り……と、いうことか……」
かんな「そういうことです」
と、言うわけで一行は元の世界へと戻ることに成功する。
依頼も達成できたし、レベルアップもできたし、場違いな黒き遺物よ、来るならいつでも来い!と言った感じで
ある。
END
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