Eighter -Grand Harmonise-
31ster 〜相容れぬ漢達の宴 A〜



#0
これは……とある漢の復讐のストーリーである。……漢の名前は零大辰れいだい・しん……なんだか3日しか生き延びれ
ない秘孔めいた名前だが、そのことには触れてはならない……

#1
天四斗あまよと、某所
零大辰れいだい・しん「消えうせろ!ザコがぁあ!!!」
ザシュアッ
ドシュアアアアッ
*「ぎええああ!!?おごえ!?」
2刀によって斬り捨てられる漢達
しん「……弱い……これでは修行にならん!!」
まだ、こんなものでは足りない……としん……
コツコツコツコツ……
と、そんな彼の前に1人の漢……
しん「……アンタか……」
それは、彼の師匠……
※ちょっと待って……師匠を前にため口って……命知らずだな……しん……
*「お前に流水二刀流それを授けたのは儂の間違いだったようだな……零大辰れいだい・しん……お前は……なぜ
 そうまでして力を求める?」
師匠は師匠で、こんなことのために、お前に剣術を教えたのではない……と嘆く……
しん「……フン……全てはあの漢を殺すためだ!そのために俺は修行を積んだ!!」
グギッ
刀を握る手に力を込め、しんは忌々しげに叫ぶ
*「あの漢……とな!?」
しん「ああ、あれは……忘れもしない、4年前のある日……」
かくて、しんはその忌々しい出来事を語りだす……
・
・・
・・・
俺はいつものように山で修行をしているときだった……
天四斗あまよと、某山中
しん「ハアアアア!!!!」
ズバウアアッ
ドドオオオッ
当時、俺は流水二刀流を習いたての剣客だったが……それでも自分の腕は自負していたつもりだ……
事実、俺よりも強い剣客は……師匠のみ……いや、あるいは、兄弟子もまた、俺よりも強いかも……
しかし、その話は今は必要ないので、割愛させていただく……
しん「でえい!!」
ズバンッ
ドガガガガガッ
*「……いった〜〜〜」
しん「あん!?」
何本目かの木を斬り倒したとき、そいつと出会った……
*「まったくも〜〜、折角人が昼寝しているってときに……もっと優しい起こし方できないの?」
しん「は!?」
どうやらそいつは俺が斬り倒した木の上に寝ていたらしい……
※まぁ、その謎の漢ってのは……言うまでもなく天然蛍あましか・けいです……

#2
しん「アホが!こんな場所で寝ていたら風邪引くだろうが!!」
死にたくなければとっとと消えろ!としん
天然蛍あましか・けい「……あっれぇ?……そうだっけ!?……ん〜〜〜、ま、いいや、どうでも……」
だが、けいは別に何も気にしない……ってな雰囲気でしんの言葉を軽く聞き流す……と、言うか、基本聞き流す
しん(……何だ!?コイツ!?)
けい「あ〜〜、で、君はなんでこんな場所にいるの?」
しん「決まってるだろ!剣の修行だよ!剣の修行!!俺は誰よりも強くなるんだよ!」
見て分からないのか!?貴様……としんはイラっとしながら答えるのだが……それを更に神経を逆なでする
言葉で返すけい
けい「あ〜〜〜、剣の修行!?……動かない大木もの相手に!?……ふ〜〜ん……ま、せいぜい頑張って
 ね……ふあぁ〜〜〜……俺は次の寝床に移るから……」
欠伸をしながら、けいは語る
ビキッ
しん「せいぜい頑張ってだあ!?……キサマ……おちょくるのもいい加減に!!」
ゴガキンッ
流石にこれにはキれたしん……怒りに任せて斬りかかるが……
しん「な……にぃ!?」
けい「あ〜〜、イキナリ斬りかかるなんて非常識だなぁ〜もう……」
いつの間にかその手に炎双刃えんそうじん……それが、しんの双剣を受けていた……
しん(コ……コイツ……出来る!)
しん「ええい!非常識なのはどっちだ!木の上で寝る……初対面の人物に暴言……」
けい「え〜〜〜!?」
ジャリイ〜〜ン
双剣を捌いて距離を取る
けい「あ〜〜、でも、いいや……相手して欲しいんならちょっとは相手してあげるよ……非常識くん……」
しん「だからそれはキサマだ!!」
けい「……も〜〜、何イライラしてるの!?……さては……アレだね。……うんうん、アレ、アレ……
 定期的に……」
しん「……ふざけやがってぇええ!!俺は女じゃねえ!!!」
ガギンッギギインッ
また斬りかかる
けい「はい!?女?……アンタどうみても漢じゃん……俺が言いたいのは水酸化カルシウム不足なんじゃない
 かと……」
しん「んな……ッま……紛らわしいことをッ!!ってか水酸化は余計だ、余計!!」
※ってか想像する方が……ねぇ……?
ドギャオアアアアアッ
けい「おっとと……」
そのまま弾き飛ばされるけい
しん(何だ!?コイツ!?強いのか弱いのか!?……いや、俺の調子が狂っているのか!?……フン、何でも
 いい……こんなヤツはさっさとたおして修行の続きだ!続き!)
けい「あ〜〜〜、そうだ……思い出した……俺って殺し屋だったんだ……」
ゴアアアアアッ
しん「は!?……なん……」
けいの笑みが消える……そして殺気が増していく
しん(ぐ……くっ……コイツ……一体……何なんだ!?)
炎のエキスパート・天然蛍あましか・けいと水のエキスパート・零大辰れいだい・しんとの闘い……この闘いの行方は……


続

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