Eighter -Grand Harmonise-
30ther ~木刀の悪魔は再び B~
#3
刃金鐵郎……『木刀一本で何でも叩き割る男』……なのだが、彼の愛刀、割鉄牙は総介の手によって
破壊された……だが、彼は割艦爪を手に帰って来た!!
警官「……」
刃金鐵郎「……」
鐵郎を取り囲む警官と取り囲まれていながらも逮捕されることは無いと思っている鐵郎……
鐵郎「フフフフ……どうした、どうした!?」
警官「中川警部……ここは強行突入をした方が……」
中川邦武「バカもの!ヤツは木刀一本で『何でも割く漢』だぞ!……前回刃物で斬る事が難しいとされた警察
の服を一発で斬ったことを忘れたのか!?」
しかし、中川警部はそれを拒む……
警官「……いや……しかし……」
邦武「防弾チョッキをも叩き割り、挙句に銃弾すら弾き飛ばしたんだぞ……ヤツは……」
警官「……でえぇえ!?それは初耳っすよ!」
人間にそんな芸当ができるのか!?と、あまりの鐵郎の凄さに、警官一同、逮捕する気をなくしてしまう……
※指揮を低下させるようなことは……あまり言わない方が身のためです……
鐵郎「俺は無駄な時間が大ッ嫌いなんだよ!」
そろそろ飽きた……みな、死ねやぁ!……などと思ったその瞬間……
スタッ
鐵郎「うん!?」
1人の漢が現場に舞い降りた……
警官「な……何だ?!お前……そこは危険……」
現れた漢の名前は……神崎通!
ビュゴアッ
鐵郎「おおっとぉお!!」
無言での一閃……しかし、躱される
鐵郎「キサマ……この俺とやるってか!?」
神崎通「木刀一本で何でも割く漢とか言ったな……どれほどのものか死合いたくなってな……」
鐵郎「……いいぜぇ!その身にたっぷりと思い知らせてやるぜぇええ!!!受けてみろ!我が打斬術法!」
ゴギャンッ
バギャインッ
近くの電信柱や看板を叩き割る
警官「うおお!!こ、こっちに倒れてくるぅう!!!」
ズズ~~~ン
唐突に始まった死合……警官一行はそれをただ呆然と見守るしかなかった……
鐵郎「ちぃ……ちょこまかちょこまかと……」
通の意外な敏捷性にてこずる鐵郎……
通「……すさまじき剛の剣よ…………」
通もまた、鐵郎の膂力を前に、迂闊に手が出せない状況ではある……
鐵郎「だが……そこだっ!叩割舞・断!」
ドゴギャアアアアアッ
ズズゥ~~~ンッ
通めがけて一刀両断が入る……
一同「うおおおっ!!?」
#4
鐵郎「チッ……逃したか……」
……が、その渾身の一撃は回避され、地面に亀裂が走る……
通「……随分とガサツな漢だな……」
鐵郎「だが、今度は外さん!!ハッ!叩割舞・刺」
ドッ
通の会話を無視して……今度は刺突が入る
通「神崎一刀流……旋」
ギャギャギャギャインッ
鐵郎「のおぐ!!?」
ザザザザッ
鐵郎の刺突を回避しつつ斬撃を4回叩き込む
鐵郎「くっ……やるじゃねぇか……」
ザザザッ
なんとか致命傷を避け、距離を置く鐵郎……
鐵郎(このヤロウ……)
通(……ガサツだが……できる……)
両者ともども……相手の力量を認め……気を引き締める
鐵郎「……おおおりゃあああ!!!!」
ドッ
一足飛びに掛かる鐵郎
通「はっ!」
通もまた、それを受ける……
ガインッ
ギギギギギッ
かくて、そのまま鍔迫り合いへと移行する両者
・
・・
・・・
一同「……」
警官「中川警部……」
邦武「何だ?」
と、そこで、ただ見ているだけだった警官たちがポツリと……
警官「俺たちの出る幕……無いですよね?」
邦武「……ああ……」
警官「……帰ります?」
邦武「バカ言え!」
ここで帰ってこのことが上警部にバれでもしたら……と中川警部……
ダンッ
ザザザザッ
一同「む!?」
そんなことをやっていると……再び距離を取る2人……互いに切り傷が無数に出来ている
鐵郎「やるじゃねぇか!キサマ!!名前はぁ!?」
通「……神崎……神崎……通!」
鐵郎「そうかい……その名前と強さ……覚えておこう……」
ザッ
木刀を帯にしまう鐵郎
警官「な……何だ!?何を!?」
ゴアッ
そして一気に間合いをつめる鐵郎
鐵郎「叩割舞・抜」
ギャンッ
鞘なしの状態から放つ居合い……
通「ハッ!嵐」
ズバシュアアアアアアッ
鐵郎「お……おごえああああ!!?」
ドギャアアアアッ
だが、斬撃が届く前に通によって斬り飛ばされる
鐵郎「ぐ……くっ……」
通「……居合いは鞘走りが要……」
……故に鞘のない木刀での抜刀術は通には通用しないのだ……
鐵郎「……くっ……お……おのれ……」
邦武「はっ……今だ!全員、鐵郎の逮捕だ!!!」
逃走しようとする鐵郎に対し、警官隊が動く
一同「おおう!!!」
ドドドドッ
鐵郎「……なめるなぁあああ!!!!」
ドギャオッガラガラガラガラッ
一同「ぬ……なああ!!!?」
だが、警官隊が動くと同時に鐵郎も動いた……廃屋を叩き割り、その瓦礫が落ちてくる隙を狙って逃走……
鐵郎「この俺を捕まえようなんざ1000万年早いんだよ!!!」
……かくて、鐵郎の伝説はまだ続く……
END
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