Eighter -Extra Voyage-
48ther 〜続々世界の中心で〜



#0
 日足(ひだり)孝一……三次元に興味がなく、そして、親泣かせにも程がある社会不適合者……今は悠々とアンドロイドと
暮らしているのだが……そして、これは、そんな孝一の、近況を綴ったエピソルプレッサ
※エピソ『ルプレッサ』じゃなく、エピ『ソード』だからッ!!……スペイン語で奇襲?

#1
 SHIL(シール)……そこはアンドロイド研究開発の最先端にして最高峰
日足(ひだり)孝一「……フ……フフフ……フフフ……」
 突如、研究所に響く笑い声
紫外五廢子(いほこ)「気でも触れたか、弟一位主人格(アドミニストレーター)江楠曾子(えだん・そうこ)「うぅ、そんなことをいうもんじゃありませんよ……五廢子(いほこ)……」
五廢子(いほこ)「フン、突然笑い出す等と、狂人のすることだ……」
曾子(そうこ)「それはそうかもしれませんけど、面と向かっていうのはいけないことだと思います」
※そういうことを本人の目の前で言うことがよくないことだと思います
孝一「出来たぞ!」
五廢子(いほこ)「で、何が出来たんだ?弟一位主人格(アドミニストレーター)……」
孝一「フッフッフ……お前たちの妹だ!」
 そして、そのままベッドの上に横たわるアンドロイドを指差す孝一
五廢子(いほこ)次世代OS(いもうと)?」
曾子(そうこ)次世代OS(いもうと)ですか……」
孝一「そうとも……名前は黒櫛ななこ……」
 そして、目覚めよ!ななこ!とか叫びつつ大仰にパソコンのエンターキーを叩く孝一
 バチバチバチバチッ
 迸る電流……それがベッドの上のななこを嬲る……
 そして、電流が治まった後……ななこは目を開ける
黒櫛ななこ「……んむ?」
孝一「おはよう、ななこ」
ななこ「はえぇええ……ここはどこですか!?」
 起動と同時に泣きそうな顔になり、辺りを見渡すななこ
五廢子(いほこ)「これが、次世代OS(いもうと)なのか?弟一位主人格(アドミニストレーター)」
 無駄に偉そうに五廢子(いほこ)が叫ぶと再びひぃいい〜と怯えるななこ
曾子(そうこ)「なんだかとってもかわいいですね……」
孝一「うむ、開発コードネームのViennaにちなんで泣きそうな顔をデフォルトにしてみた」
一同「……」
五廢子(いほこ)「たったそれだけのためにそんなことをしたのか?弟一位主人格(アドミニストレーター)」
孝一「ハッハッハッハ……そんなわけはない……時代は日々進歩するからな……俺だって負けてはいられないわけ
よ……」
曾子(そうこ)「と、いうことは、他にも何か特別な機能がついでいるんですか?」
孝一「ああ、そうだ……」
 フフフ……と含みのある笑いをしながら孝一は皆を見渡す
孝一「このななこにはなんと……」
曾子(そうこ)「何と?……」
五廢子(いほこ)「フン」
 表情豊かな曾子(そうこ)とは裏腹に、五廢子(いほこ)は相変わらず無愛想であった……
※もはや融通が利かないというか、デレのないツンデレだ……
孝一「そう、ななこはなんと、パイルバンカーに変身できるのだ!!」
 そして、満を持して孝一はそう叫ぶのであった

#2
ななこ「ほえ?」
曾子(そうこ)「パイルバンカーに?」
 なんでまたそんな機能を?と首を傾げる曾子(そうこ)に、孝一は更に続ける
孝一「なんたって、MacroSoft(埋葬機関)7番目(第七位)OS(武器)だからな!」
曾子(そうこ)「わ〜〜、すごいです!」
五廢子(いほこ)弟一位主人格(アドミニストレーター)……それは、よもや……」
 感激するのは曾子(そうこ)のみ……五廢子(いほこ)は呆れてものも言えない様子……そして、肝心のななこは、どう対処していい
のか分からない様子だ……
孝一「……ああ!!」
ななこ「ひゃっ」
 と、そんな折、孝一が盛大に叫びだす……その叫び声にななこは思わず怯える
孝一「ポニテにすればよかった!!」
 ななこはショートヘア……故にポニテは不可能……
 最も、アンドロイドなので、髪の毛を変更することは可能ではあるが……
五廢子(いほこ)「それは、やはり、動物に例えると馬だからか、弟一位主人格(アドミニストレーター)……」
孝一「無論……」
五廢子(いほこ)「……フン」
 そのまま値踏みするかのような眼でじろじろとななこを見つめる五廢子(いほこ)
ななこ「はわわ……なんでしょうか?」
 青い衣装、黄色いショートヘア……動物に例えるならば馬……パイルバンカーに変身可能……そして『ななこ』
 ここまでくればもはや、答えは一つしかない……
五廢子(いほこ)「露骨すぎだろ、弟一位主人格(アドミニストレーター)」
孝一「え?何が?」
五廢子(いほこ)「……もう、いい……」
 そのまま頭をかかえる五廢子(いほこ)であった
ななこ「ええと……あの……」
孝一「まぁ、五廢子(いほこ)はいつもこうだからきにすんな……それよりも、挨拶、挨拶……」
ななこ「あ、はい」
 そして、すかさず曾子(そうこ)が名乗りを上げる
曾子(そうこ)「はいはい、私は江楠曾子(えだん・そうこ)……この中では一番のお姉さんよ……分からないことがあったら何でも聞いてね」
五廢子(いほこ)「フン、そいつは古いから分からないことは本当に分からないぞ……私は紫外五廢子(いほこ)……私の方がお前に近
い存在だから、分からないことがあったら私に聞け!」
曾子(そうこ)「うぅうう……ひどいです……」
 ぐすん、よよよとその場に泣き崩れる曾子(そうこ)
孝一「さ、次はななこの番だぞ」
ななこ「あ、はい……では、挨拶がわりに……」
 ズドンッ
 そのままパイルバンカーに変身して突撃するななこ
五廢子(いほこ)「貴様ッ!なんだこの挨拶は喧嘩売ってるのか!?」
ななこ「はわわわ……わざとじゃ……わざとじゃないんです……」
孝一「ぐっじょぶ!」
五廢子(いほこ)「……さては、弟一位主人格(アドミニストレーター)……お前がこうプログラミングした(しくんだ)のか!?」
曾子(そうこ)「まぁ、まぁ落ちついて……ね?」

#3
孝一「……と、言うわけで、3人とも、喧嘩せず仲良くな……」
曾子(そうこ)「了解です」
ななこ「はい!」
五廢子(いほこ)「ふん、好きにしろ」
 ……と、言うわけで、今日も今日とて、孝一はアンドロイドに囲まれて社会不適合な生活を過ごしている……
 ああ、孝一が社会復帰することは……まぁ、もうないんだけど……こんなんでいいのか!?


END

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