Eighter -Extra Voyage-
49ther 〜魔刃翁表裏奇譚!〜



#0
 魔刃翁……それは表の世界と裏の世界の2つの顔を持つ剣術界の重鎮……そして、こんかいはそんな魔刃翁に関
するエピシュヴェルト
※エピ『シュヴェルト』じゃなく、エピ『ソード』だからッ!!……いや、何故にソードをドイツ語で!?

#1
 天四斗(あまよと)、某所
魔刃翁「フ……ここに来るのも久しぶりだ……」
 魔刃翁は天四斗(あまよと)のとある寂れたバーに訪れていた
魔刃翁「白、黒……」
*、*「はっ」
 シュバババッ
 魔刃翁に呼ばれて颯爽と登場する2人の漢……黒と呼ばれた方は紗魏黒兎(しゃぎ・くろと)、白と呼ばれた方は紗魏雪兎(しゃぎ・ゆきと)……2人
は兄弟であった。
紗魏黒兎(しゃぎ・くろと)紗魏雪兎(しゃぎ・ゆきと)「お久しぶりです、魔刃翁様……」
魔刃翁「堅苦しい挨拶はよい」
黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)「は……」
 畏まる兄弟にであったが、魔刃翁の言葉にすぐさま面を上げる
魔刃翁「……こちらは変わりない……いつも通り、平穏だ……」
 表の世界での『平穏』と裏の世界での『平穏』とでは意味が違ってくるのだが、しかし、それでも、『平穏』で
あった……表の世界では表の世界で文字通り、平穏であり、裏の世界は裏の世界で、いつもとかわらぬ日々が続く
……故に、魔刃翁は『平穏』と応えたのだ……
魔刃翁「そちらはどうだ?」
黒兎(くろと)「変わったこと……ですか……」
雪兎(ゆきと)「最近は変な奴が多くて困る……」
 ため息をつく兄弟
魔刃翁「……そうか……」
 黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)……この2人は修羅の門と羅将門の管理人を務めている……そして、魔刃翁は裏の世界の重鎮として、
修羅の門と羅将門がどうなっているかを尋ねに来たのだ……
雪兎(ゆきと)「……そもそも、修羅の門も羅将門も……あるお方の修行の場として作られた場所だったと言うのに……」
黒兎(くろと)「……ああ、だが、そのあまりの危険な修行場故に常人がそこで修行をするということは自殺をすると言うこ
とと同義ではあったが……」
雪兎(ゆきと)黒兎(くろと)「……あのお方は……今、どこにいるのだろうか……」
 そう、もともとこの2つの場所は……ある漢のために作られた地獄より辛い修錬場であったのだ……
 いや、その漢についてはここでは多くは語るまい……だが、ひとつ言えるのは……その漢はある1人の女子高生
型宇宙人を斃すためだけにこの地獄のような修錬場を作ったのだという……
※え!?その漢ってもしや……『き』から始まるトンでも教師のことじゃぁ!?
魔刃翁「……確かに、あのお方の行方は儂の……我らの力を持ってしてもつかめておらん……」
雪兎(ゆきと)黒兎(くろと)「……」
 まさか、魔刃翁の力を持ってしても行方がつかめないなどと……流石はあのお方……と驚愕する兄弟であった。
魔刃翁「まぁ、何、そのうち戻ってくるであろう……」

#2
魔刃翁「さて、では、羅生門と修羅の門……その2つに関する詳細を述べてもらおうか……」
黒兎(くろと)「は……では、まず羅将門ですが、盲目の松が夕陽を見に通い詰めております……それから……陸堕威蔵(おかだ・いぞう)が居
を構えております」
魔刃翁「ふぅむ……盲目の松……それに陸堕威蔵(おかだ・いぞう)か……」
黒兎(くろと)「はい、あとは有象無象……先ほど述べたようにわけのわからない奴らばかりで困っております」
魔刃翁「まぁ、放っておけ……」
黒兎(くろと)「は……」
 黒兎(くろと)の報告から一呼吸置いて、今度は雪兎(ゆきと)が報告を行う
雪兎(ゆきと)「修羅の門ですが……孤高の剣鬼が……」
魔刃翁「ほぉう?あの、孤高の剣鬼か……」
雪兎(ゆきと)「あ、はい……ですが、居を構えているというわけではなく、彼女のスペースがあるだけで、今、彼女は旅に
でています」
魔刃翁「ふむぅ……」
 そのまま考え込む魔刃翁……
魔刃翁「まぁ、いい、続けろ……」
 考え込みつつ、そんなことを叫び、雪兎(ゆきと)も慌てて続きを報告する
雪兎(ゆきと)「は、はい……あとは炎の天然殺人機(お気楽マーダー)とBoAが……」
魔刃翁「ふむ、奴か……」
 炎の天然殺人機(お気楽マーダー)……それは勿論、天然蛍(あましか・けい)のことである……先日、裏の世界の重鎮のみが参加できるタワーYATOで
の会合に飛び入り参加したことで裏の世界の住人を騒がせた張本人……
 ……改めて言うが、修羅の門や羅将門は今でこそ、犯罪者が屯する無法地帯となっているが、本来の目的は修行
の場所……だから、殺人鬼や犯罪者のみが利用する場所ではない……しかし、そのあまりに『ここより先、お前に
とっては地獄より辛い道』な修行の場であるため、常人は利用すると死亡してしまうのだ……
 だからこそ、今では殺人鬼、犯罪者が、己の殺人技術を磨くために、この場所を利用するようになっているのだ
※最も、生半可な覚悟でこの場所を利用すると常人と同じように死亡します
雪兎(ゆきと)「……そして、あとは有象無象ですね……」
 長くなってしまったが、一応報告を終える雪兎(ゆきと)であった
魔刃翁「……ふむ」
黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)「魔刃翁様……」
魔刃翁「まぁ、有象無象のことは放っておけ……直、修羅の門と羅将門に呑みこまれ、消える……」
黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)「は……」
魔刃翁「それよりも……あのお方が帰ってきた際のことを考えておけ……あのお方はああ見えて結構繊細な方であ
る……お前たち、しっかりと修羅の門、羅生門を管理しておけ」
黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)「御意……」
 そして、黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)は去っていく……

#3
魔刃翁「……」
 1人残された魔刃翁は……そのままずっと寂れたバーに居座る……
魔刃翁「……あのお方……今、いずこに……」
さて、『あのお方』とは一体誰のことなのか?……そして、この作品に登場することはあるのか……
 ともかく、今日も今日とて黒兎(くろと)雪兎(ゆきと)は羅将門、修羅の門を管理する


END

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