Eighter -Extra Voyage-
47ther 〜嘘つき嘘に溺れる〜



#0
 嘘吐きは泥棒の始まり……とはよく言うものの、嘘によって不正に金を稼ぐ職業の人種は泥棒ではなく詐欺師で
ある。よって『嘘吐きは詐欺師の始まり』が正しい諺ではないのだろうか!?
 と、言うわけでこれはそんなどうでもいいようなよくないような……とある事件を綴ったエピソウルゲイン
※エピソ『ウルゲイン』じゃなく、エピ『ソード』だからッ!!ってかアクセル・アルマーの機体ですか!?

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
梓與鷹(よたか)「ディープインパクト、ドーピング発覚……ねぇ……」
 ある日のEighter本部……新聞を読みながらポツリと漏らす與鷹(よたか)
雨水(おぼろ)「ほほう、あの隕石落下映画でドーピングが?!……俳優さんも自分の演技に限界を感じてクスリに手を出
したってな感じ?」
 と、そこに(おぼろ)が食いついてくる
一同「いや、そっちのディープインパクトじゃねぇし!!」
(おぼろ)「あれ!?違うの!?」
※ディープインパクトというと、映画と競走馬……どちらを先に思い浮かべるのだろうか……
與鷹(よたか)「……競走馬の名前だそうだ……」
(おぼろ)「ゴメン、私競走馬ってったらワシントンステージとハルウララしか知らないんだ」
 與鷹(よたか)の言葉に(おぼろ)は申し訳なさそうに呟くのであった……
與鷹(よたか)「ハルウララはともかく……ワシントンステージって……」
※ちなみに、ワシントンステージとはルパン三世・TVスペシャル セブンデイズ ラプソディに出て来たマンハッ
 タンステークスでの本命馬のことである。
 と、ほのぼのした会話の中、それは起きた……
 プルルルル〜〜、プルルルル〜〜
(おぼろ)「あ、はい、もしもし……?」
 それは1本の電話から始まった……
*「拉麺(ラーメン)一丁!」
(おぼろ)「……は!?」
 依頼の電話かと思いきや、相手は開口一番拉麺(ラーメン)の注文を……
(おぼろ)「あの、電話、間違えてません?」
*「……へ……!?あ……すみません……拉麺(ラーメン)じゃなく、ピザでした!」
(おぼろ)「いや、そうじゃなく」
*「え!?じゃあ、ルームサービスで、今世間を騒がせている……デリヘルを」
※『相手を地獄に叩き落とします』殺し屋を宅配します!!デリバリー・ヘル・サービス、略して『デリヘル』…
 …『着飾った女死神(ファッション・ヘル嬢)』が依頼の相手を抹殺しに行きます……というわけで、風俗の宅配とは何の関係もございま
 せん……(いや、何がなんだか……)
(おぼろ)「だから……ウチは……」
*「あ、思い出しました……三丁目の交差点で人がひき殺されてまして……是非、犯人を探していただきたく依頼
を……」
(おぼろ)「……!?」
 ブツンッ
 そこで電話は切れる
(おぼろ)「リーダー……」
與鷹(よたか)「どうした!?火急の依頼か!?」
(おぼろ)「いえ、イタズラ電話なんです……」
與鷹(よたか)「あのな……だったら適当に切れよ!」
 呆れた表情で與鷹(よたか)は呟くのだが、しかし(おぼろ)は抗議する

#2
(おぼろ)「いえ、リーダー、知らないんですか?」
與鷹(よたか)「何がだ?」
(おぼろ)「最近、合計126回のイタズラ電話を繰り返しているナゾの漢がいるってな話……」
與鷹(よたか)「はぁ……?」
 そんなのも初耳だな……と與鷹(よたか)
(おぼろ)「そのうち73回が警察への嘘の通報で……しかも毎回違う電話番号からかかってくるらしく特定に時間がかかっ
ているらしいですよ」
與鷹(よたか)「……あ〜〜、そういや総がそんなこと言ってたかも……」
 と、ここで與鷹(よたか)も総介が前にそんなことを言っていたな……と思いだす。
(おぼろ)「これはもはや『冒涜的な悪戯電話』……許すまじ……ってなわけで、アトランティスカモン!!」
與鷹(よたか)(『アトランティスカモン』じゃなく、『アトランティスで検索お願い』の間違いだろ……全く……)
 そんなことを考えている間にも人をアゴで使う(おぼろ)の要求に健気に答えるべくアトランティスで検索を行うかんな
白拍子かんな「……相手は疚裂酷尾(やまざき・ひでお)、47歳。無職」
與鷹(よたか)「ん〜〜、無職……?毎回違う電話番号から……ってことは……てっきりプリペイド式の携帯でも……と思っ
たんだが……公衆電話……か!?」
(おぼろ)「さぁ……そんなのは分かりませんよ……でも、今、重要なのは……」
 どうやって彼に報復するか……とウフフと黒く笑う(おぼろ)
與鷹(よたか)(怖いな……)
與鷹(よたか)「……かんなも、別に(おぼろ)に付き合ってやる必要もないんだぞ……」
 カタカタカタカタッ
 そうは言われても、(おぼろ)に付き合ってあげるのはかんなの優しさである。
 その後の……疚裂酷尾(やまざき・ひでお)は……
疚裂酷尾(やまざき・ひでお)「ククククク……次はっと……」
 ピポパポパッ……プルルルル〜〜、プルルルル〜、プルルル〜〜
酷尾(ひでお)「た、大変です!警部!!街中で堂々と拳銃を乱射するという事件が発生しまして!!」
*「ただいま留守にしております。×××(ピ〜〜)×××(ピ〜〜)×××(ピ〜〜)となったらメッセージをお入れください」
※何!?この留守電!!?
酷尾(ひでお)「……バカな……なぜ俺の電話に繋がるんだ!!!?ええい、電話番号を間違えたか!?……だったら次は…
…」
ピポパポパッ
*「ただいま留守にしております。×××(ピ〜〜)×××(ピ〜〜)×××(ピ〜〜)となったら……」
酷尾(ひでお)「え!!?ど……どうして!!?くそっ……110番は……」
*「ただいま留守にしております。×××(ピ〜〜)×××(ピ〜〜)で……」
酷尾(ひでお)「な……なな……なぜだああ!!!!?」
 ……嘘つき嘘に溺れる(?)……ヤツがイタ電しようとすると自動的に自分の留守電に繋がるように細工をした
かんな……さすがの酷尾(ひでお)もこれには参り……二度とイタ電をしなくなったという……


END

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