Eighter -Chaos Desorder-
50ther 〜水魑みずちに迫るは大蛇おろち B〜



#3
みずちに銀行強盗の計画を踏み砕かれたことを逆恨みした漢、高村蠍雄かつお……彼はみずちに復讐すべく、世界で禁忌と
されている技術の一つ、クローン人間に手を染め、みずちのクローン、おろちみずちにけしかける……かくて、おろちみずちと
の死合が始まったのだが……双方互角……果たして、この死合……どうなってしまうのか!?
高村蠍雄かつお「はん!どんな魔剣を使おうが俺様の作ったおろちには敵わん!!」
自信満々に吼える蠍雄かつお……
安村さわら「うふふ、私とすばちゃんとの愛の結晶を甘く見ないほうがいいわよ」
対抗してさわらさんも自信満々に吼える!
※いや……どういう自信ですか!?さわらさん……愛は勝つって言う意味ですか!?そうなんですか!?
安村みずち「はあああ!!てい!とう!やあ!」
ギンッ
ガギンンッ
ドギャンッ
高村おろち「くっ……ぬ……」
蠍雄かつお「な……なんだと!?」
だが、先ほどまでみずちを圧していたおろちが……七曜剣を手にしたみずちと死合った途端、圧されていく
さわら(さすがみずち……通常ならば誰彼かまわず殺人を繰り返す魔剣を完全に使いこなしている。さすが私とすば
 ちゃんとの愛の結晶♪)
※いや、何の根拠にもなってないんですけど……ってかそんな危ないものを自分の娘に渡すんじゃない!!
 一歩間違ったら、あなた、殺されてますよ……
蠍雄かつお「どうした!?おろち……お前の力はそんなものでは無いはずだ!!」
おろち「五月蠅いッ!……おっさんは黙ってて!!」
蠍雄かつお「うぐっ……」
見事に黙らされる蠍雄かつお……おろちとの力関係が分かったような気がする……
みずちおろち「はああっ!!」
ギギンッ
ガガンッ
その後も、斬り込みあうみずちおろち……
・
・・
・・・
一方、その頃、それを近くで見ているものが……
斎藤そう(……クローンか……禁断の三大技術の1つ、非生産錬成俑ひせいさんれんせいようを使うとは……神にでもなったつもり
 か?)
とある任務の帰り道……そうは偶然にもその場所を通りすがり……そして、偶然にもみずちおろちの死合を目の当たり
にする……
そう(……しかし、あの剣腕は見事なものだな……)
そう……みずちおろちの剣腕に少々見とれる。そうがここに偶然現われなかったら……後のみずちおろちの運命は変わっていた
かもしれない……
そう(……まだまだ荒っぽいところもあるが……)
ウルフ・ミブに帰還して報告することも忘れ、そうみずちおろちの死合に心を奪われる……
そう(……どうやら、オリジナルを育てた者は……余程の達人と見える……)
※いやいや、みずちが進んで覚えただけです。さわらは何もしてませんよ……

#4
蠍雄かつお(ぬ……ぬぬぬ……)
みずちおろち「はあああ!!」
ガギャインッ
ギギンッ
未だ一進一退の攻防が続く……なかなか勝負が決まらないことに、蠍雄かつおもそろそろ我慢できなくなってきた
模様……
蠍雄かつお「ええい!!こんな予定では……おろちみずちを超えるべく作った存在だ……なぜ……」
※と、言うか、この人どうやってクローンに、みずちを超える情報を刷り込んだんだろう?(うぉい!)
 そもそも、クローンにオリジナルと同じ後天的な技能を付け加えることも不可能に近いはず……
ババッ
暫く斬り込みあった後……互いに距離を取る2人
みずち「はぁ……はぁ……」
おろち「ふぅ……ふぅ……」
2人とも、息も絶え絶えで……そろそろ限界が近い……
みずちおろち(……次で……決める!)
チャキッ
勝負を決めるべく2人とも刀を構えなおす
・
・・
・・・
刀を構えたまま……2人は微動だにせず……そのまま緊迫した空気が続く……
みずちおろち「てあああああ!!!!」
ズガギイイイイッ
クローンである故か、飛びかかるのは両者同時……そのまま渾身の一撃を繰り出し……組み合う
ベキバキバキバキ……
その互いの一撃が凄まじかったのか……罅の入る両者の剣
蠍雄かつお「んな……」
みずちおろち「ええええい!!!」
パァ〜〜〜〜〜ン……
ゴツン
両者の剣が砕け散り……そのまま2人がぶつかる
みずちおろち「あう!?」
そのまま2人の意識は途切れるのであった……
・
・・
・・・
みずち(……どこ……ここ!?)
おろち(何だ……この場所!?)
真っ暗な視界……どこにも何も見えない……
みずち(……おろち……?)
おろち(……みずち……?)
でも、互いに互いのことははっきり分かる……
蠍雄かつお「な……なんだ!?一体……何がどうしたと言うんだ!?」
コアアアアアアッ
さわら「あらあら……」
2人が光に包まれる
みずち(……そうか……私は……あなた……)
おろち(……あなたは……私……)
みずちおろち(私たちは2つで1つ……どちらかが欠けてもいけない存在……)
そう(共鳴……か!?……おそらく2人の同じ思い、力とがぶつかり合い、それが引き金となったのだろう)
蠍雄かつお「こら!どうした!おろち!立て!立つんだ!!立ってトドメを刺すんだ!!」
さわら「まぁ、どうしましょう……」
※この人、全然困ってないし……
むくり……
立ち上がる2人
蠍雄かつお「そうだ!とっとと殺すんだ!!」
おろち「イヤだ……」
蠍雄かつお「な……なんだと!?」
蠍雄かつおの命令を拒んだおろち……この後……2人にどんな展開が訪れるのか……!?
そして、そうはいつ動くのか!?


続

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