#5
熾烈を極める蛟（みずち）と蟒（おろち）の死合……そして、それを遠くから眺める弐（そう）……
そして、蛟（みずち）と蟒（おろち）が渾身の一撃を繰り出した時、両者の意識は弾け飛び……かくて、蟒（おろち）は蠍雄（かつお）から離反する！？
高村蠍雄（かつお）「何！？拒否するだと！？蟒（おろち）、どういうことだ！」
高村蟒（おろち）「……」
いきなり命令を無視され、困惑しつつも、怒りに満ちた表情で蠍雄（かつお）が怒鳴る
安村鰆（さわら）「つまり、もう貴方のもとで働くつもりは無い……そういうことじゃないですか？」
サラっと鰆（さわら）が言ってのける……
蠍雄（かつお）「くそっ……とんだ計算違いじゃねえか！コピーの分際でぇえ！！……いいだろう！こうなったら、
　この私が直々に貴様ら2人をブチ殺す！！この……五曜剣でなぁ！」
スラリッ
九曜剣、七曜剣に匹敵する力を秘めた魔剣を抜く蠍雄（かつお）
安村蛟（みずち）「くっ……」
流石に丸腰では分が悪い蛟（みずち）は退こうとする……
蟒（おろち）「心配ない……」
私があんたのクローンなら、私が貴方の代わりに生命を使う！と蟒（おろち）が立ちはだかる……のだが、そこへ……
ジャリッ
斎藤弐（そう）「高村蠍雄（かつお）……人間のクローン作成の罪はあまりに重い……悪・即・斬のもと、キサマを殺す！」
蠍雄（かつお）「はぁ！？何を言い出すか！？」
ここで、遠巻きに死合を見ていた弐（そう）が、満を持して登場
チャキッ
弐（そう）「覚悟するんだな……」
刺突の構えを取る弐（そう）……
蠍雄（かつお）「ほざけ！」
蟒（おろち）「何よそ見してるんだよ！おっさん！」
蛟（みずち）「こっちだよ！」
蠍雄（かつお）「はぁ！！？」
と、振り向いた途端蠍雄（かつお）は信じられないものを眼にする……武器を持っていなかったはずの蛟（みずち）と蟒（おろち）が……
武器を手に襲い来ているのだ……
蛟（みずち）、蟒（おろち）「回伏勢（かいしせい）」
ドギャザシュアアアッ
蠍雄（かつお）「ながぁあぁ……っとぉお！！？」
斬り上げと斬り下ろしをセットで行い、蠍雄（かつお）をエモノごと叩ききる
弐（そう）「……」
私が殺るはずだったのに……と突然の事の成り行きを、ただ呆然と見ることしかできなかった弐（そう）……
鰆（さわら）「こんなこともあろうかと持ち歩いていたレーヴァティンとグラムがあってよかったでしょう？」
蛟（みずち）「うん」
蟒（おろち）「……」
なぜ、素手のはずの蛟（みずち）と蟒（おろち）が武器を手にしていたのか疑問だったのだが、鰆（さわら）が七曜剣の他に更に武器を持っていた
ことが判明する。良かった良かった……と蛟（みずち）、しかし蟒（おろち）はなんでこの人こんなに武器持ってるの！？と困惑
※いや、だから、考え方おかしいですよ鰆（さわら）さん！なんで、あなたは武器を平然と持ち歩いているんですか！？
鰆（さわら）「あ、そうだ、蟒（おろち）ちゃん。グラム（それ）あげるから正式にウチの子にならない」
蟒（おろち）「はい！？」
そして、鰆（さわら）は何を想ったのか、蟒（おろち）を自分の言えに勧誘する……
鰆（さわら）「う〜〜ん、別にイヤならそれでかまわないんだけど……」
蟒（おろち）「……好きにすればいい……」
鰆（さわら）「じゃ、決定。早速戸籍に登録してこなくちゃ♪」
るんるん気分の鰆（さわら）さん……一目見たときからこうしようと決めていたのか！？
※……ところで、鰆（さわら）さんの買い物籠の中に普段何が入っているのか非常に気になる……

#6
弐（そう）「……ところで……」
鰆（さわら）「はい？何でしょ？」
鰆（さわら）と蛟（みずち）と蟒（おろち）の会話が終わったところで、弐（そう）が会話を切り出す
弐（そう）「突然こんなことを言うのもの何ですが、2人を私に預けさせてもらえませんか？」
鰆（さわら）「預ける……？それは、何！？」
弐（そう）「2人の剣の素質は確かなものです……ですが、このまま野放しに成長させるのは危険……一歩間違えば
　魔道に堕つることもありえます……」
※ま、正当な（？）意見だな……
鰆（さわら）「……あなたは……閣氏（カクシ）新撰組の……斎藤弐（そう）さん……？」
弐（そう）「ええ」
鰆（さわら）「そう……蛟（みずち）、蟒（おろち）」
蛟（みずち）「うん？」
蟒（おろち）「何？」
鰆（さわら）「これからは弐（そう）のお姉さんの言うことをしっかり聞いてしっかり修行に励むのよ」
蛟（みずち）「は〜〜い」
蟒（おろち）「分かった……」
鰆（さわら）「さて、それでは弐（そう）さん。ウチの2人の娘をよろしくお願いします」
弐（そう）「……行くぞ、2人とも」
蛟（みずち）、蟒（おろち）「うん……」
こうして……蛟（みずち）、蟒（おろち）の2人は弐（そう）のもとで剣の腕を磨くこととなった……
・
・・
・・・
一方……
天四斗（あまよと）、安村家
鰆（さわら）「ただいま、ア・ナ・タ……」
安村昴（すばる）「おう、おかえ……蛟（みずち）は！？」
鰆（さわら）「預けてきたわよん」
昴（すばる）「いや、誰にだよ！？」
鰆（さわら）「もちろん弐（そう）さんのとこよ」
昴（すばる）「そう……って誰！？」
鰆（さわら）「だからぁ、女壬生狼の斎藤弐（そう）さんよ！」
昴（すばる）「おいおい、俺の承諾も無く……勝手に……」
鰆（さわら）「あ〜〜ら、私の承諾もなくふらふらっとオーパーツ探しに行くあなたの言えることかしら！？」
昴（すばる）「うっ……」
鰆（さわら）「でね、でね、もうひとつうれしいお知らせがあります」
戸籍届けを見せる
昴（すばる）「はい……！？安村蟒（おろち）……ちょ、ちょっと待て……」
鰆（さわら）「買い物の途中で出会ったのよ！蛟（みずち）のクローンに」
昴（すばる）「いや、待て待て待て……クローンに出会ったなんてそんなことありえないだろ」
鰆（さわら）「と〜〜こ〜〜ろ〜〜がぁ！！この物語（世界）ならありえるのよ！！」
昴（すばる）「いや、何でもかんでもそんなことで済ますのはやめてくれ……」
鰆（さわら）「……ってのは冗談で……」
……とりあえず事情を聞き、なんとか納得した昴（すばる）さん……
こうして、再び夫婦水入らずの生活に戻ることが出来た鰆（さわら）は……早速夜の営みを再開しようと昴（すばる）を誘って
みたりするのだが、それはまた別の話である。


END