Eighter -Bizarre Investigate-
14ther 〜殺さない…殺し屋 B〜



#3
 人を殺さずして殺す……そんな矛盾を抱えた殺人は可能なのかと言われれば……スキャンダルを露呈させて社会
的に殺すことで可能である……これはそんな『殺さない殺し屋』関飛劉水明(せきとる・みあきら)の物語……
関飛劉水明(せきとる・みあきら)「……おいおい、俺の事務所を穴だらけにするなっての……」
 水明(みあきら)を取り囲む黒服を前に、恐怖することなく水明(みあきら)は叫ぶ
三遊(みあそび)楽太郎「そんなことを気に病む必要はねぇんだよ!なぜならキサマはここで死ぬんだからな」
 ジャカカカッ
 楽太郎の一声と共に、黒服は拳銃を突きつけ、撃鉄(ハンマー)を起こす
水明(みあきら)「……さて……お前らの放つ銃弾は俺に当たるかな?」
楽太郎「ハッ!何を言い出すかと思えば……貴様もオカしなヤツだぜ……」
楠木南「……じゃ、軽くウォーミングアップと行きますか……」
 ジャキッ
 ぐおんっ
 天神明(てんしんめい)をどこからともなく取り出す南。そのまま軽々と片手で上段に構えて見せる
※苦無なら、どこかに隠し持つってのは分かるけど、大鉾は一体どこにどう隠し持っていたんですか!?
楽太郎「ハッ!……死ねぇあ!!!」
 天神明(てんしんめい)を軽々と片手で持ちあげたことに若干驚きつつも、号令をかける楽太郎。そして、銃弾が迫る
 ガガウンッ
 ガガンッ
 ガンガンッ
 ガガダガアアアンッ
南「甘いよっ」
 ゴギャアアギッ
 しかし、天神明(てんしんめい)をぶん回して全ての弾を弾き飛ばす南
楽太郎「な……何ぃい!?……貴様……楠木の!!?」
一同「おごへあああ!!?」
 更に跳ね返ってきた銃弾が黒服を返り討ちにする
楽太郎「なっ……なななっ!?」
 ズビシッ
南「さ……まだやる!?」
 天神明(てんしんめい)を突き付けて南が咆える
楽太郎「あ……当たり前だ!……この俺をナメるなよッ!」
 ザッ
水明(みあきら)、南「む!?」
 ピッ
 そして、楽太郎は懐から何やらスイッチを取り出し押す。
 バラバラバラバラバラバラバラッ
水明(みあきら)「大げさなこったな……」
 やってきたのは、アメリカの攻撃ヘリ……アパッチであった……

#4
楽太郎「ハハハハ!地上の不利を知れぇあ!!」
 以下に貴様が武芸百般なんでもこなす楠木家の者でも流石に空中の敵は……と、思っていたのだが……その思わ
くは脆くも崩れ去ることとなる
南「てぇえい!!」
 バヒュッ
 ズバガッ
 ギギインッ
 ジャンプからの斬撃……ヘリはバラバラになった……
楽太郎「うそん!!」
※おい、南……テメェ人間だよな!?
 ズイッ
南「で、まだやるの!?」
 またしても天神明(てんしんめい)を突きつける南
楽太郎「ヒ……ヒイイイイ……」
 ダダダダダダダッ
 これにはさすがに、楽太郎も、黒服ズも、脱兎のごとく、逃げ去るのであった……
南「あ、逃げた……」
水明(みあきら)「放っとけ……それよか、事務所どうするよ……」
南「……どうしましょう?」
水明(みあきら)「……依頼料で事務所の1つや2つ建てられる……んだけどな……」
南「じゃ、建てましょうよ……」
水明(みあきら)「また今回のようなことがあったら無意味だろ」
南「あ……」
 最もな意見に南は打ちのめされる……
南「……じゃ、どうするの?」
 ジャリッ
(かみ)総介「……随分手ひどくやられらものだな……」
 と、そこへ、総介参上……
水明(みあきら)「なっ……誰だ!?アンタ!」
総介「(かみ)総介……警官だ……」
山咲(やまざき)桜「……山咲(やまざき)桜、(かみ)警部の秘書です」
水明(みあきら)「……サツか……ひょっとして俺を殺人罪か何かで逮捕しに来たのか?」
南「いや、殺し屋を名乗ってるけど殺人なんてやってないんだってば!」
水明(みあきら)「それとも警察上層部(上の連中)の命令で抹殺に来た……とか!?」
総介「んな下らん用件でくるわけが無かろう……」
水明(みあきら)「なっ……下らんって……」
南「じゃ、何のために……」
総介「……お前を迎えに来た」
南「はぁ?」
 突然のことにぽかんとする南
水明(みあきら)「……どういうことですか?」
総介「どういうことも……私の権限でお前を配下に加える……と言うことだ」
南「権限って……どんな権限よ!」
水明(みあきら)「……待て、南」
南「はい?」
水明(みあきら)「……もう一度、名前を聞かせてもらおう」
総介「……(かみ)総介……」
水明(みあきら)「……そうか……貴方があの……特別機動捜武装査官(SRAP)か……」
南「す……らっぷ!?」
水明(みあきら)「……日本で……いや、世界でただ1人……何事にも束縛されること無く捜査を行える人間だ……」
南「そんなの聞いたことも無いんだけど……」
桜「当然です、絶対機密ですから……」
南「絶対機密って……」
総介「……で、私の問いかけにはどう答えてくれるのかね?」
水明(みあきら)「……住処と身の安全は?」
総介「保障しよう」
水明(みあきら)「おし、乗ったぁ!!!」
南「え!?そんなんでいいの!?」
水明(みあきら)(チャンスはいつも突然やってくるものですよ、そして……チャンスはすかさず掴むもの……)
 ……と、言うわけで、総介は水明(みあきら)を配下に収めることとなる……
総介「行くぞ……」
水明(みあきら)「おう!」
 ……かくて、殺さない殺し屋の伝説は……続く!


END

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