#0
　……これはとある爆発事件の顛末を綴った事件簿である
　……いや、しかし……この事件は……とても爆発事件とは思えない事件なのであるが……
　ともかく、その事件は……東京都で起こった……

#1
　東京都、某所
＊「ぶっ殺してやる！！アイツは絶対に俺がブチ殺すぅうう！！！！！」
　殺意に満ちた表情で怒り狂う漢……果たして……この男に何があったのか！？
＊「見ていろ……アイツぅうう……ほえ面かかせてやるぁ！！」
　何かのサイトを見ながらなにやら作っている男……
＊「ええと、次に、こっちをこうして……で、これがこうなって……くっそ、ややこしいっ……」

　ズゴッ
　ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
一同「なな……何だ！！？」
　その日、突如東京都にて地震が発生した……
＊「……治まった……！？」
＊「地震の予報も何もなかったわよねぇ……」
　突然の地震なんて怖いわねぇ……と近所の人も話し合っていると……そこへ1人の漢が走ってやってくる
＊「お、おい、お隣さんの家……崩壊してっぞ！」
＊「何ぃ！！？」
　すぐさま一行は消防と警察に連絡を行い……そして、10分後、警察が到着する。
警官「刀持警部、瓦礫の下から死亡した家の主、歯頓溺無(ばあとん・できむ)氏が発見されました……」
刀持隕山(いんざん)「なるほど……地震に巻き込まれて死亡……か……」
　こりゃあ、災害……ウチらの出番はないな……などと考える刀持警部……だが、部下の1人が呟く
警官「……し、しかし、刀持警部……おかしくはありませんか！？」
隕山(いんざん)「……何がだ！？」
　どこにおかしいところがある……寧(むし)ろ、おかしいのはお前の頭じゃないか！？といきなり頭ごなしに否定してみ
たりする刀持警部
※この世界の警官って……上の役職であればあるほど、無能（総介は別）だったりするという可能性
警官「……地震が起こったのはこの歯頓(ばあとん)宅とその周辺半径3kmにも満たない区域です」
一同「何ぃ！！？」
隕山(いんざん)「まさか……これが、局地地震というヤツか！？」
一同「な、なるほど、確かに」
　いや、絶対に違うから！
隕山(いんざん)「あとは震源がどこかとか調べればこの事件はお終いだな」
警官「ただ、それってウチの仕事じゃないですよね？」
隕山(いんざん)「まぁ、そうなんだよなぁ……」
　とりあえず、引き上げるぞと、いうことで刀持警部は部下と共にその場を後にするのであった。

#2
　一方、東京都の別の場所でも……同じような事件は発生していた……
警官「……どういうことでしょうか、巡令(めぐれ)警部……地震が起こったのはこの党田値真(とうだ・ねま)氏の家とその周辺ちょっとだ
けですよ……」
巡令樹留(めぐれ・きりゅう)「んむぅ……」
　ボリボリとあたまを掻きながら、巡令(めぐれ)警部が唸る……
　……このとき、この2つの事件がつながっているなどと誰も思わなかった……誰しもみな、共通点が『間違った
局地地震』だけであると思い込んでいた……

　数日後……
　東京都、警視庁
警官「巡令(めぐれ)警部……どうやら、あの間違った局地地震ですが、もう1件起こっていたらしいですね……」
樹留(きりゅう)「ああ、どうやら、そのようだな……」
警官「これは……もしや……連続殺人事件なのでは……ないでしょうか！？」
樹留(きりゅう)「馬鹿馬鹿しい……第一、どうやって地震を起こすんだ！？犯人は神とでも言うのか！？」
　事件じゃなくて、事故だ事故！ときっぱりと言い放つ巡令(めぐれ)警部。
警官「……いえ、巡令(めぐれ)警部……ホラ、前にあったじゃないですか、原発を爆破して地震を起こすってアレ」
※前にあったと、言うか、それ、ル〇ン対複製人間って映画の話なのでは？
樹留(きりゅう)「馬鹿野郎！この東京都のどこに原発があるってんだ！？」
警官「……ですよねぇ……そう来ますよねぇ……」

　そのころ……
　東京都、党田(とうだ)宅跡
上(かみ)総介「……」
山咲(やまざき)桜「……見事に壊滅していますね……」
　瓦礫を見渡しながら桜が呟く
桜「警部……この事件は不明瞭な点が多いですが……」
　そもそも調書をまとめ上げた警官が適当に報告しているのが原因だったりするのだが、今はそれはおいておく
総介「……ここで起きた地震の震源地は2階の一室だったな、山咲(やまざき)？」
桜「はい。……調査の結果は確かに2階の値真(ねま)氏の部屋が震源地と推定されています」
　だが、そんな馬鹿な話があるだろうか？……そもそも『地震』なんてものは『大"地"が激"震"』するからこその
『地震』なのであり、空中で地震が巻き起こるなどと聞いたことがない。
　無能警官がここにいたら、『分かった！これがいわゆる空間震ですね！』などと言い出したに違いない。
※どこのデート〇ア〇ライブだよ！
　ちゃん〜〜る〜〜る〜〜る〜〜る〜て〜てんてんてん♪る〜〜るるる〜〜る〜るる〜るんるん♪
　と、そのとき、携帯が鳴りだす。着メロはSAGAだった。
総介「ああ、俺だ……ん……わかった……」
　それはもう一つの事件……歯頓(ばあとん)宅跡の方も、震源地が1階リビングだと正式にわかった……という報告だった
桜「警部……瓦礫の下からこんなものが……」
総介「む……」
　……桜が取り出したのは壊れたノートパソコン……
総介「……データのサルベージも必要だが、今は、歯頓(ばあとん)宅へ行くぞ……」
桜「はい、警部！」
　……この2つの間違った『局地地震』……一体どう繋がっているのか！？


続