Eighter -Bizarre Investigate-
12ther 〜家政婦希望は想う C〜



#5
 京都府で発生した虫酋(むしおさ)警部殺害事件……犯人は警部の娘真弓嬢……彼女は規律を重んじる家系に育ち成長するに
つれ、周りとのギャップを感じ、そして、規律からの解放を望んだのだった……かくて、彼女は父親
を殺し……逃走するのだが……果たして、彼女は逃げ切ることができるのか!?それとも……
警官「……砂薄(さうす)警部……聞き込みの成果も……無いですね……」
砂薄野夜児(さうす・やよじ)「むぅ……」
 ドタバタッ
 と、そこへ1人の警官が走ってくる
警官「さっ……砂薄(さうす)警部……大変ですッ!!」
野夜児(やよじ)「どうした!?まさか、第2の犯行か!?」
警官「いえ、その……それがですね……聞き込みの最中に……見かけたんですよ!」
一同「何ぃ!?」
 一同が、一体何を見かけたんだ!?と、固唾をのんで見守っていると……警官は答える
警官「……(かみ)警部を!!」
一同「ななななああああ……!!?……何だってぇえ!!!!?」
 一同驚愕のあまり、怯える
野夜児(やよじ)(かみ)警部が……ここに!!?」
警官「ええ……」
野夜児(やよじ)「……この事件の調査……か!?」
警官「……はい、そのようです……」
野夜児(やよじ)「……くっ……」
 総介が捜査を担当してきた……という恐ろしい事態に、一行は戦慄……
※ってか、お前ら……怯え過ぎだぞ……そんなに、(かみ)警部が恐ろしいか!?……
警官「砂薄(さうす)警部……どうします!?……(かみ)警部が出張ってきたということは……この事件は(かみ)警部に任せておけば
問題ないかと思うのですが……」
 帰っちゃいましょうか……と警官……しかし、そんな警官を怒鳴り散らす砂薄(さうす)警部
野夜児(やよじ)「バカヤロウ!!だからといってここで帰ってみろ……『お前ら、捜査を途中で止めるのならまず警察を辞
めろ』と脅されるに決まっている!!」
警官「ぐっ……そ……それは……確かに……」
警官「……だったら……行きましょう……」
野夜児(やよじ)「バカヤロウ!行ったところで『無能警官が何人来ても同じだ……帰れ!』と叫ばれるだけだ!!」
一同「じゃ、どうすればいいんですか!!だったら!!」
野夜児(やよじ)「俺に言うな……」
 進んでも駄目、退いても駄目……八方塞がりになってしまった京都府警の無能警官と砂薄(さうす)警部……

 ……そして……しばし沈黙が流れ……
野夜児(やよじ)「……よし!分かった!分かったぞ!」
警官「砂薄(さうす)警部!?」
野夜児(やよじ)「俺は警察署へ報告に戻る……お前らの過半数はここで捜査を続けるフリをして、残りは(かみ)警部のもとへ行
くんだ!これならさしもの(かみ)警部も文句は言えまい!!」
一同「おお!さすが砂薄(さうす)警部!」
※……おいおい、砂薄(さうす)警部……アンタ1人で逃げたいだけだろ……
 ……そして、語るだけ語って砂薄(さうす)警部は脱兎のごとくその場を去っていく……

#6
一同「おおおっし!と、なれば……いくぞ……じゃんけん……」
 ジャカカカッ
 じゃんけんを行うはずなのに……なぜか、一同、一斉に拳銃を装備
一同「負けろ!!さもないと撃つぞ!!」
※みなさん誰しも、(かみ)警部のもとへは行きたくない様子……それだけに、必死である……
警官「本気で撃つ……ぞ!!だから……」
一同「!!!!」
 ササッ
 と、その時、警官の殆どが銃を仕舞いこむ……
警官「フッ……さしものお前たちも、生命が惜しいようだな……」
 残った1人が……どうやら俺のオーラに畏れを成したようだななどと考えていると、背後から度肝を抜く声が聞
こえてくる
(かみ)総介「……何をやっているんだ?お前ら!?」
警官「!!!!!?かかかかか……(かみ)警部ぅう!!?」
 ……総介登場、それを察知した警官一行は拳銃をしまいこみ、背中を向けていた数人はそのまま拳銃を装備して
いたのだ……
総介「お前ら、やる気がないなら、帰れ!」
一同「……」
警官「かかかっかっかかかかか……(かみ)警部!!」
総介「……何だ?何か文句でも!?」
警官「彼女が……出ました!!!」
 と、そこへ……ふらふらっと真弓登場……
警官「(かみ)警部……ここは俺達に任せてください!」
 ダダッ
 と駆けつける警官数人
虫酋(むしおさ)真弓「……」
警官「逮っ……」
 ドゴアンッ
警官「げふぉああ!?」
 だが、トマホークランサーを軽々振舞わすような怪力を相手に適うはずもなく、吹き飛ばされる
総介「だからお前らは帰れといったんだ……」
 ずずいっと総介
真弓「……」
総介「……虫酋(むしおさ)真弓……虫酋(むしおさ)虫牟殺害の容疑で……逮捕する!!」
真弓「……逮捕は呪縛……呪縛は規律……規律はイヤ……」
 ゴヒュオアッ
 バシッ
 目にも留まらぬ一撃が総介に飛ぶ……が、しかし、それを受ける総介
 ガチャリッ
総介「話は署で聞く……行くぞ山咲(やまざき)山咲(やまざき)桜「はい。警部……」
 ……そして、総介は去っていく……
警官「……俺ら、帰っていてもよかったんじゃね?」
一同「今更それを言うな……」
 ……かくて、規律を重んじる……呪縛から抜け出したかった彼女が手に入れたのは自由ではなく、留置場という
呪縛であった……
※あれ!?そういえば結局真矢って……名前だけの登場なのね……いや、まぁ、別にいいんだけど……


END

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