#3
　京都府で発生した虫酋(むしおさ)警部殺害事件……どうやら犯人は彼の娘が1人、真弓嬢らしく……警察は秘密裏に事件の
解決のため動き出す……
※姉の方は何をしているんでしょう……また、母親は……存命ではないのか！？……それとも……
　ジャリッ
上(かみ)総介「規律を重んじる家系か……」
山咲(やまざき)桜「……小さな頃は、彼女も規律を重んじていたようですが……」
　事件に対し、上(かみ)警部もまた……動き出す……
総介「……中学、高校とあがるにつれ、周りとの違いを感じ、規律を重んじることに違和感を覚えたか……」
桜「ええ、そうですね」
　調書を見ながら桜が語る
総介「……時代の波に飲まれ、流された少女というわけか……」
桜「……姉の方ですが、規律のことはどうでもいいのか……のほほんと1人で暮らしているみたいですが……」
　ここで、ようやく姉の真矢についても触れてみる桜……
総介「……行くぞ……山咲(やまざき)」
桜「はい。警部……」
　そして、2人は捜査へ乗り出すのだが……

　ここで、事件の1ヶ月前に話は戻ります……
　京都府、虫酋(むしおさ)家
虫酋(むしおさ)真弓「ただいま……」
虫酋虫牟(むしおさ・じゅうぼう)「真弓……また門限を破って帰ってきたな……」
　家に帰ってきた真弓を待ち受けていたのは……鬼の様な形相の虫牟(じゅうぼう)であった……
真弓「……何よ……たかが2、3分じゃない……」
虫牟(じゅうぼう)「たかが2、3分……だと！？……いいか、世の中にはたった2、3分遅れただけで手遅れになる場合があるんだ
ぞ！！……そして、その最たるものがカップラーメンだ！！」
　ドゲ〜〜ンと虫牟(じゅうぼう)は叫ぶ
※マテ！……カップラーメンって……ここは救急車とかにしとけよ！親父！！
　更に真弓の腕をつかんで諭す虫牟(じゅうぼう)……だが……娘は無視を決め込む
真弓「……」
虫牟(じゅうぼう)「とにかく、そこに座りなさい！」
　バッ
　すたすた……
虫牟(じゅうぼう)「あ、こら、待ちなさい！真弓……」
　虫牟(じゅうぼう)の腕を振り払って部屋へ逃げていく真弓
　バタムッ
　ガチャッ
　そして、自分の部屋に閉じこもり、鍵をかける真弓……
虫牟(じゅうぼう)「開けなさい！！真弓……私の話を聞きなさい……いいか、門限も守れないような人間はだな……」
　ドンドン……
真弓「五月蝿いッ！！……静かにしてッ！！」
　ノックすると暴言が返ってくる……
虫牟(じゅうぼう)「……」
　暫くドアの前に立っていた虫牟(じゅうぼう)は……しかし、諦めて、居間へと戻るのであった……
※そして、虫牟(じゅうぼう)が居間に戻ったところで、話は今に……戻りません。（マテ！誰がそんなしょうもないことを言え
　と言った！）

#4
　……この時、既に真弓は殺意を抱いていた……
真弓「……こんな家庭……もううんざり……何もかも……コワレテシマエ！！」
　……事件発生の……2週間前……
真弓「お父さん……」
虫牟(じゅうぼう)「ん！？なんだ……改まって……」
　突如、真弓は父親に尋ねる
真弓「……これまでお父さんが関わってきた事件でこれは残虐だな……なんて事件はどれくらいあったの？」
虫牟(じゅうぼう)「どうした？……真弓……お前も……警官になりたいクチか！？……だがな、真弓……いくら家族とは言え、
一般人のお前に事件のことを……」
真弓「ダメなの？」
　うるうるっと女の武器、（ウソ）涙！……流石に、これには父親も陥落することに……
虫牟(じゅうぼう)「っと……えっと……あれは確か……3年前のバラバラ惨殺事件で……被害者は斧で手足を両断されていてだ
な……」
真弓「ふんふん」
　早速、その事件のことを話し出す虫牟(じゅうぼう)であった……
　……父親から豪快な殺し方を模索していた彼女は……その言葉をヒントに斧で殺そうと決意……
※ってか急にそんなことを聞き出したら少しは疑おうな……父親よ……

　……事件発生の1週間前……
　京都府、某鍛冶屋
＊「はい、こちらがご注文の品です」
　トマホークランサーを差し出す店主
※おい！店主、少女にンなモン売るな！！
＊「……しかし……あなたに持ち運べます……」
　ひょいっと軽々手に取る真弓……それに、店主は驚きを隠せない……
＊「！！？」
真弓「……うん。いい感じ……じゃ、御代はコレで……」
　ブラックカードを差し出す真弓
※アンタ、一体何者！！？

　……事件発生の3日前……
　京都府、某所
真弓「はああああ！！」
　ズドゴシャアアアッ
　鍛冶屋の近くで樹木を両断する真弓……予行練習のつもりらしい……
真弓「うん。いい」

　そして……Xデー……
　京都府、虫酋(むしおさ)家
真弓「お父さん……」
虫牟(じゅうぼう)「どうした！？真弓……」
真弓「死ね！」
　ぎゅるんぎゅるんぎゅるんっ
　トマホークランサーを軽々と片手でくるくる回してみせる真弓
虫牟(じゅうぼう)「なぁ！？」
真弓「おおああああ！！」
　ズドゴガシャアアッ
　そのまま両手で持って一気に両断……綺麗に両断された父親は即死だった……
真弓「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
　ガランッ
　……かくて、彼女は斧を庭に投げ捨て……家を出る……そして……現在に至るのである……


続