朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第4幕 〜その名は血十字ブラッディ・クロス



路地裏で烏丸からすまを見かけた俺はすぐさま後をつけ、ヤツの知る情報を得ようとした……が、努力虚しく、ヤツは
また闇へと消えたのであった……
天四斗あまよと某所、路地裏
バリバリバリバリッ
空間を歪めて大太刀を取り出した切子きりこはまた同じように空間を歪めて大太刀を仕舞った……
大典光おおのりひかる「……すごいのは認める……だがな、いちいち出すたびにそんな音を立てて
 いちゃ……まして、抜刀に時間がかかっていては戦いには不向きだ」
安童切子あんどう・きりこ「心配ない。スタンバイモードに設定しておけば解決する」
ひかる(何がスタンバイだ……パソコンじゃあるまいし……)
珠数恒次たます・こうじ「そんなことより、ひかる、今から俺の家に来れるか?」
日宗三月ひむね・みつき「『来られるか』よ『ら抜き言葉』はみっともないわ」
恒次こうじ「へいへい」
ひかる「……分かった……」
切子きりこ「……私も行く」
恒次こうじ「あ〜〜、そう?OK!任せろ!俺が帰り道までエスコートしてや……」
ゴガンッ
言葉が終わらぬうちに三月みつきによって吹き飛ばされる
三月みつき「ああいうのを『送り狼』って言うのよ。気をつけなさい」
切子きりこ「……分かった……」
・
・・
・・・
で、みんなして珠数家へとやってくる
珠数青江丸たます・あおえまる「おや、今回は2人だけじゃないのだね。ふむ。立ち話も何だし、中に入りなさい」
三月みつき「お邪魔しま〜〜す」
恒次こうじ「邪魔するなら帰れ!!」
三月みつき「うふふふ……どの口がそんなこと言っているのかしら?」
ズゴゴゴゴゴッ
一触即発
ひかる「……で、珠数たますさん……」
2人の痴話喧嘩を無視してひかる切子きりこは屋敷の中へと進む
青江丸あおえまる「はい、今回あなたをお呼びしたのは他でもありません。15年前に……いえ、15年以上前から頻繁
 に殺戮を繰り返していた朱い髪の侍……」
ひかる「……過去をあまり思い出させないでくれ……」
青江丸あおえまる「うむ、すまない……で、その侍だが……君の求める侍なのかは知らないが、血十字ブラッディ・クロスなる殺人集団の
 トップが……朱い髪の侍らしい」
ひかる「……」
青江丸あおえまる「……やはり、何度も違っていては信用も低いですか?」
ひかる「……いや、手当たり次第に教えてくれと言った俺にも責があるさ……」
青江丸あおえまる「……確かに……『朱い髪の殺戮を楽しむ侍』だけでは特定は難しいですからね」
切子きりこ「……血十字ブラッディ・クロス……」
青江丸あおえまる「ええ、そうです。ところで、そちらの方は?」
ひかる「……何でも俺と同じ境遇を持つ女……だそうだ」
青江丸あおえまる「ふむ、なるほど。君と同じ……つまりあなたも?」
切子きりこ「そう」
ひかる珠数たますさん……あなたの情報収集能力を見込んでもう1つ頼みたいことがあるんだが……」
青江丸あおえまる「ほう?何でしょう?」
ひかる「……烏丸からすまってな女が何者なのか調べて欲しい」
青江丸あおえまる「……烏丸からすま?ふむぅ……?」
ひかる「黒いボディースーツを着込んだ女だ……烏丸からすまってな名前しか分からない。……だけど……多分ヤツは
 俺の探す侍について何か知っていると思うんだ」
青江丸あおえまる「……なるほど、分かりました。調べておきましょう」
ひかる「ありがたい」
と、言う事でひかる血十字ブラッディ・クロスのアジトへ向かおうとする……
青江丸あおえまる「……ひかる……」
ひかる「うん?」
青江丸あおえまる「何度も言いましたが、ヤツらは邪道で外道、魔道に堕ちた剣客集団です。くれぐれも油断なさらぬよう
 に……」
ひかる「分かっている……」
ひかる(……それに……もう学院のレベルでは烏丸からすまに勝てない……)
ひかる「……行くぞ……」
切子きりこ「……はい」
恒次こうじ三月みつき「ちょっと待ったぁ!!」
ひかる「……お前等……」
恒次こうじ「話は影でコッソリと聞かせてもらった!!」
三月みつき「ちょっと人聞きの悪いことだけどね」
恒次こうじ「大丈夫、切子きりこさん、君の仇は俺が……」
切子きりこ「……いい、自分で討たなきゃ無意味」
恒次こうじ「あらん!!?」
見事に出鼻をくじかれる
三月みつき「ひっひ〜〜〜」
その後ろで笑う三月みつき
恒次こうじ「……と、とにかくだ……そんなことなら俺たちも行くぜ!」
気を取り直して真面目に言う。
ひかる「……痴話喧嘩……いつ終わったの!?」
恒次こうじ三月みつき「だから痴話喧嘩じゃないッ!!」
ひかる「フッ……行くぞ……」
恒次こうじ「え!?……あ、おう!!」
・
・・
・・・
ってなわけで一行は血十字ブラッディ・クロスのアジトへと向かったのである。
血十字ブラッディ・クロスのアジト
恒次こうじ「いいか、ザコには構うなよ……」
ひかる「いやいや、ザコってか相手は4人しかいないから……」
恒次こうじ「あら!?」
三月みつき「つまり、丁度いいパーティーってわけね」
ひかる「……行くぞ!」
ドドッ
アジトに乗り込む一行、そのとき……
*「フン……ネズミが入ったようです。
*「……よかろう……殺せ!」
一同「御意」
ヒュバウッ
3つの影はその場を離れ、ひかるらがもとへと赴く……さてさて、血十字ブラッディ・クロスのトップこそひかるが捜し求める仇なの
だろうか!?


続

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