S.B.J.
FILE011 〜その名は血の涙ブラッディ・ティアー



ライリンハルト山頂に用があるというユラをつれて、ウルズへとやって来たジェーン・・・そこにいたのは
ユラの妹、イオンであった
ユラ「妹のイオン・ツキカゲ、ま妹っても義理なんだけどね、」
イオン「始めまして。」
ジェーン「・・・ツキカゲ・・・?」
ユラ「ああ、ちょっとワケがあってね・・・」
イオン「お兄ちゃん方向音痴で大変だったでしょ?」
ジェーン「ええ、そりゃあもう、凄く。」
イオン「でね、実は私、この世界の人間じゃないの」
ジェーン「なっ!ちょっと待って!」
ユラ「おいおい、どうした!?」
ジェーン「あな・・・いや、どういうことなの!?」
ユラ「うん、俺が剣の修行をしに行った時に見つけたんだ。」
ジェーン「いや、そうじゃなくって・・・」
イオン「私はね、自分のいる世界がつまらなかったの。ファンタジーの世界にいけたらいいなぁ〜って思って
 いたんだけど、ある日古本屋で買った1冊の本が全ての始まり」
ジェーン「まさか・・・その本を開いたら・・・」
イオン「そ、気がついたらこの世界にいたの。」
ジェーン「ねぇ、イオン、その本は?」
イオン「どこを探しても見つからなかったよ。」
ジェーン「・・・そう・・・」
イオン「何でこんなことを聞くの?ひょっとしてお姉さんも・・・?」
ジェーン「ええ、そうよ。あなたと違う点は、私の場合は頭に声が聞こえて、それで気がついたらここにいた
 ってワケ。」
イオン「そうなんだ。」
ジェーン「そう言えば名乗って居なかったわね。私はジェーン。よろしくね。」
イオン「うん」
ユラ「何だ、ジェーンもこの世界に住みたいってわけか」
ジェーン「あいにく、私は元の世界に帰りたいの。」
イオン「え〜〜、そうなの!?こっちの世界は結構面白いよ、私の居た世界とは違って」
ジェーン「・・・イオン、あなたの世界で有名なものって何?」
イオン「え?何?う〜〜んと・・・ふわふわかな?・・・何でそんなこと聞くの?」
※ふわふわ・・・立方晶窒化炭素りっぽうしょうちっかたんそのことです。
ジェーン「ふわふわ・・・?聞かない名称ねぇ・・・そう、じゃあ、私とイオンのもともと居た世界は別って
 ことだわ。」
イオン「ふぅん、」
ジェーン「イオンはもとの世界に戻りたいって思ったことは無いの?」
イオン「無いよ。だって私がもとの世界に帰ったらきっとお兄ちゃん悲観して死んじゃうよ」
ジェーン「・・・」
ジェーン(マジでシスコン・・・)
ジェーン「はぁ、ま、いいわ・・・で、話は変わるけど、私はこれからエンケラウへ行くんだけど、貴方達は
 どうするの?」
ユラ「イオンに一任する」
イオン「エンケラウ・・・?あそこの周辺は血の涙ブラッディ・ティアーがたむろしているから気をつけた
 ほうがいいよ。」
ユラ「血の涙ブラッディ・ティアーか・・・」
ジェーン「って」
ユラ「なんだっけ!?」
ジェーン「おい!!」
イオン「血の涙ブラッディ・ティアー、それはこの世界の魔王、アーウェルンクスの力を手にして世界を支配しようって考えている
 組織だよ。」
ジェーン「魔王・・・ねぇ・・・」
イオン「アーウェルンクスの力の鍵となる何かがエンケラウの近くの街にあるとかなんとかいう話を・・・
 お兄ちゃんから聞いたんだけど、もう忘れているんだろうな・・・」
ユラ「おう、全然覚えてないぞ」
えへん!と威張ってみる
ジェーン(自慢するところじゃないって・・・)
ジェーン「と、言うわけで、行きましょうか、エンケラウへ!」
ユラ「今から!?もうちょっと休んでいこうぜ」
イオン「行こうよ、お兄ちゃん」
ユラ「おう!まかせとけ!!」
ジェーン(何だ!?この差の違い・・・)
イオン「じゃ、私準備してくるから」
ユラ「おう、お兄ちゃんは何時間でも待ってるぞ」
そう言ってイオンは宿へと向かう
ジェーン「・・・」
ジェーンの旅はますます波乱万丈に・・・


続

前の話へ 戻る 次の話へ