Last Banisher
放浪の75 〜皇女ユノの真実 中編〜



生まれつきの遺伝子疾患で余命幾許も無いユノ・・・彼女を救うため、皇帝、エターナーはジャミルにユノを
任せる決心をしたのであった・・・
ジャミル「私は何もユノ皇女を化物にしようなどと思っては居ない・・・ユノを救おうと思っているのだ」
サラ「白々しい・・・」
ダダダダダッバムッ
と、そこへ現れる女中
*「サラ皇女様・・・ユノ皇女様の容態が急変しました。」
サラ「何ですって!?」
ジャミル「・・・もはや一刻の猶予も無い・・・今、ここでユノを殺すか・・・それとも生かすか・・・あなた
 にはユノ皇女を殺すことなど出来やしない」
サラ「・・・分かったわ・・・ジャミル・・・でも、私も付き添います」
*「サラ皇女様!?」
ジャミル「・・・構わんが・・・どうなってもしらんぞ・・・」
サラ「血を見る?・・・そんなことくらい・・・」
ジャミル「さて・・・どうかな・・・」
*「ジャミル・・・」
ジャミル「ユノ皇女を私の研究室ラボへ!」
*「な、何を言う!ジャミル!手術室ではないのか!?」
ジャミル「たわけ!あそこに遺伝子解析の機械を運ぶ時間など無いわ!」
*「・・・分かりました。直ちに・・・」
サラ「・・・ジャミル・・・」
ガラガラガラガラガラッ
移動式ベッドで運ばれるユノ
サラ「ユノ・・・」
ジャミルの研究室ラボに運び込まれる
ジャミル「・・・衛生のためだ、サラ皇女・・・別室でご覧になっていただく」
サラ「・・・分かったわ・・・その代わり・・・絶対にユノを助けなさいよ!」
ジャミル「・・・任せておけ!」
バタムッ
そういうとジャミルは自分の研究室の中へと入っていく
サラ「・・・」
ジャミル(ついにこの時が来た・・・トール王家の血を解析する時が・・・そして・・・私の・・・栄光の
 始まりが・・・)
ゴボゴボゴボゴボッ
ユノを特殊な培養液のカプセルに入れる
エターナー「サラ・・・お前も居たのか・・・」
サラ「お父様・・・」
エターナー「・・・ジャミルに任せる・・・と言ったとはいえ・・・やはり・・・不安は・・・拭えなくてな
 ・・・」
サラ「ジャミルは・・・」
ピッピッピッピッ
ジャミル(やはり・・・ここの遺伝子構造が悪かったんだ・・・しかし・・・ここは・・・切除するわけにも
 いかんな・・・何か別の物に繋ぎかえる必要がある・・・)
モニターとにらめっこをするジャミル
サラ「ジャミル・・・何をやっているの・・・」
エターナー「・・・ジャミルでも・・・厳しいのか!?」
サラ「え!?」
ジャミル(いや、私の今の研究に必要なのは・・・これだよ!)
チャカチャカチャカッ・・・
早速遺伝子治療を行うジャミル・・・
ドクンッ
サラ「ユノ・・・!」
しばらくするとカプセルからユノが出される
エターナー「ユノは・・・」
ジャミル「心配はいらん・・・直に目覚める」
サラ「治したんでしょうね?」
ジャミル「無論。」
ユノ「う・・・ん!?」
サラ「ユノ!?」
ダダッ
ユノに駆け寄るサラ
ユノ「・・・サラ・・・姉さん・・・?」
・
・・
・・・
後日の精密検査の結果、ユノの遺伝子疾患は見事に治っていたとの報告があった・・・
エターナー「・・・ヴァルハラの医師でも治せなかったものを治すとは・・・さすがだな・・・ジャミル」
ジャミル「いえいえ・・・」
サラ「・・・」
しかし、サラだけは治療に疑念を持っていた・・・ジャミルが普通にユノを治すわけが無い・・・と・・・
だが、治療のデータは全てジャミルが管理している上、そのデータベースは情報独立網スタンドアローン
となっている・・・
エターナー「どうした?サラ?」
サラ「ん?・・・何も・・・」
ユノ「サラ・・・姉さん・・・?」
サラ「ユノ、おめでとう・・・」
ユノ「ありがとう。」
ジャミル(・・・これで・・・いや、まだ私の計画が実行できると決まったわけでは無いか・・・)
ジャミルはユノに一体何をしたのか!?


続

前の話へ 戻る 次の話へ