Eighter -Verdant Nightmare-
1ster 〜砕かれし世界結界 A〜
#0
誰も知らないことなのだが、世界は緩やかに破滅へと向かっていた。
そして、その発端はこの世界の主神、鵺帛主の討滅まで遡る。
しかし、鵺帛主(を討たなければ人は鵺帛主(の手によって粛清されていたのも事実。だから遅かれ早かれ人類が破
滅へ向かうのは止められなかったということになる。
これは人知れず世界の破滅を防ぐために奔走する物語……かもしれない
※いや、断定しろよ!
#1
東京郊外に、一つの豪邸がある。それが萬聖院(家だ。
萬聖院(家は古くから異世界との交信を行っていたというイカれた一族である。しかし、頭のおかしい人間の発想
は時として金になる。萬聖院(家はソレで莫大な富を築いてきた。
そんな萬聖院(家の当主、萬聖院(喜一は今、異世界の神の召喚にご執心であった。
メイド「ようやくこの時が来たのでございますことよ」
メイド「その言葉遣い、どうにかなりません?」
メイド「これは仕方のないことだったりしちゃったりして……」
メイド「まぁ、いいわ……」
言葉遣いの怪しいメイドさんと、褐色の怪しいメイドさんが何やら会話を交わしている。
メイド「それよりも、これが最後のバニシングストーンでございますことよ」
言葉遣いの怪しいメイドさんは漆黒の菱形の結晶を褐色の怪しいメイドさんに投げ渡す。
メイド「怒愛座(世界、黶鬥甦(世界……そして他の三つの世界……」
バニシングストーンが全部揃ったことは、実に感慨深いことだった。
メイド「これで、五つ揃いましたことですよ」
メイド「ええ、今日は我らが主の復活祭……」
そんなことを話し合っていると、屋敷の主人がやってくる
萬聖院(喜一「おお、遂に!この時が来たか!……漸(くだ!漸(く、異世界の神を召喚できる!」
焦点のあってない虚ろな目でブツブツとそんなことを呟きながら、覚束(ない足取りで喜一は屋敷の地下へと足を
運ぶ。
そして、二人のメイドさんもそのあとをついていく。
が、メイドさんのどちらも、ふらつくご主人様の手助けをしないが、それでも喜一は何も言わなかった。
そして、地下のとある一室へ……そこには、嘉曦渋寺(で召喚され、そして、突如として姿を消した『氷』の破壊
神、刺舞鴉(……その肉体がお札の付いた鎖で床に描かれた魔法陣に繋がれていた。
この喜一、大神の降真靈(と関係のある人物なのだろうか?
#2
メイド「まさか、浚澄羽帝(世界で虚空へと消えた刺舞鴉(の肉体が、この世界に召喚されるとは……これが運命とい
うものかもしれないわね……」
メイド「ええ、これぞ神の采配だったりしちゃったりして……」
喜一「では、始めよう!」
感慨深く語るメイドさん二人をよそに、喜一は狂気の笑みを浮かべつつ宣言する。
メイド「あの者の手により五つに分断、封印された我らが主の復活祭……」
メイド「封印解除の儀式を始めるのでございますことよ」
ここにきてメイドさん二人の会話が怪訝(しいのだが、しかし、狂気の中にいる喜一はその言葉が耳に入っていな
い様子だった。
そんなことはさておいて、二人のメイドさんはバニシングストーンを刺舞鴉(の額、右手、左手、左足、左足へと
埋め込んでいく。いや、正確には突き刺している。
喜一「ではッ!」
メイド「ええ!」
ブスリッ
喜一「かはっ!?」
突如、褐色の怪しいメイドさんが背後から喜一を刺す。その凶刃は喜一の心臓を的確に貫いており、最早喜一が
助かる術はなかった。
メイド「光栄に思いなさい。貴様の血が、我らが主の礎となっちゃったりしたりして……」
喜一の血が、刺舞鴉(に……バニシングストーンに降りかかる
刺舞鴉(「オオオオッ」
カキィインッ
刺舞鴉(の肉体が吠える。それはこの儀式から逃れるべく藻掻(いている様だった。更にそれと呼応するかのように
刺舞鴉(を中心に氷嵐が吹き荒れる。
ズドオオオンンッ
しかし、それも一瞬の事。その氷は蒸発し、轟音と共に天上を貫く光の柱が上がる。
そして、ソレは降臨する
一同「ああ、我らが主、――様!」
メイドさん二人は涙しながら、ソレに傅(く。
*「大義である」
メイド「勿体ないお言葉です」
メイド「身に余る光栄だったりしちゃったりして……」
*「よい」
しかし、褒賞のためにソレが一歩前に出た時、異変は起こった。
ビシリッ
一同「なっ!?」
突如、ソレの肉体に亀裂が走る。
メイド「馬鹿なっ、――様に匹敵する強さを持つ刺舞鴉(の肉体をもってしても、耐えられぬというのか!?」
*「違う!」
一体、何が違うというのか?
続
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