Eighter -Scarlet Nocturne-
30ther 〜二人の影法師邂逅 D〜
#7
乾藤葦嵩「シアめ、後で覚えておけよ……」
こうなっては仕方がない……葦嵩一人でEighter・有嗎幇(連合軍に立ち向かうしかない。
新田姜馬((奇しくもあの時と同じ……か……)
サウソール・シーヴィレ遺跡の戦闘を思い出す姜馬(。
それはさておき、今姜馬(が気になって仕方がないのは天音(シアであった。何せ情報がない……未知の相手という
のは情報厨の姜馬(にとっては恐怖の対象であるとともに魅惑の対象でもあるのだ。
姜馬((奴がどう動くかによってこの死合がどう転ぶか分からない……と、いうことはないとは思うが、用心するに
越したことはないからな……)
と、そんな時、その空気をブチ壊すように梶太郎(が叫ぶ
化野梶太郎(「おっしゃ〜〜!どうやらショートコントは終わったようだな。だったら行くぜ!」
梓與鷹(、出音(・グロウシュベル「ま、待てッ!」
このパターンは、マズイ!と與鷹(と出音(が思ったが、時すでに遅し
梶太郎(「虎伏絶掌(!」
エンジンがかかるまで時間がかかるパワーアップを発動すると満足気に一歩退く梶太郎(。
もはやお前、死合うの面倒になったからコレで時間稼ぎするつもりではあるまいな?とEighter一行は心の中で
思うのであった。
旧透水(「……ま、まぁいい……でハ、こちらも行かせテもらおう。幽闘術、覇道色の闘気(」
葦嵩(「貴様らにはサウソール・シーヴィレ遺跡での借りがある……その恨み、今こそ晴らさせてもらう」
與鷹(「何が恨みだ。お前のは単なる逆恨みに過ぎん!」
この漢を野放しにすれば考古学に悪影響しか与えない。だから、倒せるときに倒すべきなのだ。
葦嵩(「死ね!悌(・飛刃抜剣掌(!」
透水(「鶺鴒眼(!」
ズズウンッ
黒き拳の衝撃波を気弾で相殺する
古畑呂司(「お前の幽闘術は通用しないということを忘れたのか!?」
葦嵩(「俺は天才だ!そんなことを忘れるわけが無かろう!」
この隙に距離を詰めた與鷹(が殴り込みにかかるが、葦嵩(は慌てず騒がず祟るの黒き拳(で応戦。
葦嵩(「孝・貫槍抜剣掌(!」
與鷹(「おおおっ!穹狼極樹(・涅叛(!」
錐状の黒き衝撃波の拳が與鷹(に襲い掛かるも、與鷹(はアッパーと影の拳による肘鉄の同時攻撃でこれを挟み撃ち
#8
葦嵩(「ぬ、貴様……」
あの時と同じだと高をくくっていると痛い目を見るぞ!と目で訴える與鷹(。
葦嵩(「ならばッ、忠・鼎閃抜剣掌(!」
與鷹(「神狼九断(!」
同時に三つの黒き拳の衝撃波を繰り出し與鷹(を吹き飛ばそうとするが、しかし、與鷹(は一度に九つの拳打を繰り
出してこれに応戦。
葦嵩((こいつ、祟るの黒き拳(をここまで……)
少しずつではあるが、確実に祟るの黒き拳を見切り始める與鷹(に戦慄を覚える葦嵩(。
このまま死合が長引けば長引く程に時間は與鷹(に味方する。
葦嵩((天才である俺を超えることはあってはならぬ!そんなことは絶対に俺が許さん!)
ずごごごごごっ
その怒りが、恨みが、憎しみが、祟るの黒き拳(に力を与える。そして、與鷹(もそれを感じ取る
與鷹((クッ、奴の右腕の邪気が更に禍々しく……)
まさか、今までは本気ではなかったのか!?……いや、違う。今までも本気だった。が、しかし、それではまだ
足りないからこそ、ヴァルカナの力をさらに引き上げたというのが正しいのだろう。
與鷹((ヴァルカナリアクター……つくづく厄介な相手だぜ……)
葦嵩(「死ねやオラッ!信・蛇襲抜剣掌(!」
與鷹(「だが、甘いッ!」
邪悪な気を纏った黒き衝撃波の拳を聖狼躱虚(で回避すると同時にカウンターを叩き込む與鷹(。
葦嵩(「フッ、もう一度言う、俺は天才だ!」
ガアンッ
しかし、そんな與鷹(の痛烈なカウンターを、祟るの黒き拳(を発動している右腕で受け止める。
葦嵩(「ハアッ!」
ぶわっ
黒く染まった右腕から溢れ出す瘴気に、思わず距離をとる與鷹(。
葦嵩(「どうだ!」
透水(「鶺鴒眼(!」
ドドウッ
追撃を行うとした矢先、気弾が無数に迫り、葦嵩(の動きを封じる
透水(「俺モいることヲ忘れないデもらおうカ」
葦嵩(「チッ、どいつもこいつも邪魔をしおってぇ……」
姜馬(「お前がそれを言うのか!?」
ノース光輪結社と大神の降真靈(を邪魔するためにやってきたU(シレントワイザードがそんなことを言う。
それは大きなブーメランである。
#9
梶太郎(「おっしゃ〜〜!真打は遅れて登場するモンだぜぇ!」
そして、そうこうしている内に漸く……と言えばいいのか、今更ながらと言えばいいのか、ついに梶太郎(もエン
ジンが温まり、参戦を決意。
梶太郎(「……と、言いたいところだがな……どうやら俺の出番はあまりなさそうだ」
葦嵩(「何を言っているんだ?貴様?!」
梶太郎(「周りを見てみろよ!」
葦嵩(「あぁ!?なんだと……」
そういわれて、改めて周りを見てみると……
バーベラエ「ぐっ……」
星露(・ユピテルメア「おのれ、クソ兄貴ぃ!」
バーベラエも星露(もコージルや弥如(に圧されつつあった。
バーベラエはデミカナリアクターであるが、ヴァルカナリアクターであるコージルと死合うには力が足りない様
子。
一方、星露(と弥如(はともにデミカナリアクターではあるが、こちらは純粋に力量差のためである。
葦嵩(「どいつもこいつも、俺の足を引っ張りやがる……」
かくて、ここに決着はついた……のか!?
END
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