Eighter -Scarlet Nocturne-
30ther 〜二人の影法師邂逅 C〜



#5
コージル・S・アーサッキ「我々の邪魔をするのであれば、仕方ない……我が幽闘術、心に匿いし剣(ハード・アンダーソード)の前に砕け散っ
てもらいましょう」
バーベラエ「でしたらこちらも幽闘術、鳳凰の愛殺(フェニックス・エール)で相手してあげるわ」
 コージルが抜くは長巻、バーベラエが抜くは小太刀。
 そして先に動いたのはバーベラエだった。
バーベラエ「てやっ!便追(びんずい)!」
コージル「フッ」
 ガガガガガガガガガッ
 瞬時に放たれる九回の刺突……に合わせるかのような動きで長巻を振るい(ことごと)くを防ぎきるコージル
バーベラエ「少しはやるわね……でも、今のはほんの小手調べよ?」
コージル「フッ、その強がり、いつまで続くかな?」
バーベラエ「川蝉(かわせみ)!」
 ジャンプからの逆手刺突。しかし、それも軽く受け止められる
コージル「無駄だ……」
バーベラエ「こいつ……ならば、これは捌けるか?!」
 反撃の暇を与える隙もない猛攻を繰り出すバーベラエだが、しかし、コージルは涼しい顔をして全て受け止めて
いく。
コージル「無駄だということが分かったか?」
バーベラエ「でも、そっちこそ防戦一方じゃないの?」
コージル「そうだな……ならば、そろそろ反撃と行くか」
 ニヤリと悪い笑みを浮かべると一足飛びにかかるコージル
バーベラエ「なっ、速っ……」
 だけど、反応しきれない速度ではない。迫る凶刃に合わせて小太刀を振るうバーベラエだが、しかし、その時、
コージルの太刀筋があり得ない角度で曲がる。
バーベラエ「なっ!?」
 さしものバーベラエも急激に変化する太刀筋には反応しきれなかった。しかし、そんな無茶苦茶な芸当をすれば
腕にかかる負担は尋常ではないはずだ。
コージル「冥途の土産に教えてやろう。我が幽闘術、心に匿いし剣(ハード・アンダーソード)は太刀筋を自在に操るエクストラスキル」
 故に先ほどのような無茶苦茶な太刀筋の変化が可能。更に言うならばバーベラエが繰り出す剣閃に対して全て受
け止めてみせたのものこの幽闘術のおかげ。
 いわば相手の太刀筋に対して自動追尾可能な幽闘術でもあるというわけだ。
 当然、腕にかかる負担は尋常ではないが、そこはヴァルカナリアクターの回復能力をアテにしているのだ。
※過信は禁物ですよ……

#6
星露(シンルー)・ユピテルメア「クソ兄貴!死にさらせェ!磯撫(いそなで)!」
 ドドドドドッ
 脳天を狙った苦無が大量に飛んでいく。殺意が高いにも程がある。
弥如(びぎん)虎骨(フーグイ)・ユピテルメアは死にました。私は大神の降真靈(こうしんりょう)の高僧が一人、弥如(びぎん)」
 ガガガガガガッ
 轟曦真靈杖(ごうきしんれいじょう)を振り回し、迫る苦無を弾き飛ばす。
星露(シンルー)「流石クソ兄貴、この程度では死なないか……だがッ!」
 なお、星露(シンルー)の幽闘術、魔を断つ苦無(デモン・スレイヤー)は魔術師殺しに特化したエクストラスキルなので、兄に対して効果はないよ
うです。
※よく考えるとこれって使い勝手の悪い幽闘術だな……
星露(シンルー)「だが、それでこそ殺し甲斐があるというもの!」
 恍惚な表情を浮かべながら嬉々として語るヤベェ妹がそこにいた。兄じゃなくてもドン引きである。
星露(シンルー)「さぁ!クソ兄貴!あの世で歴代の咲魔(サイタマ)一族に謝ってくる時間ですよぉ!禺彊(ぐうきょう)」
 ズシャアッ
 左右に手にした忍者刀から繰り出される剣閃……それは瞬時に弥如(びぎん)の首を刎ね飛ばす。
 ブシュ〜〜
 そして、首から迸る……黒い影。そう、血飛沫(しぶき)ではなく、影が噴き出したのだ。
星露(シンルー)「な、なんだ!?なんだこれは!?」
 確かにクソ兄貴を殺したはず……なのに、これはなんだ!?
弥如(びぎん)「教えてあげましょう。それは私のシャドウです!」
星露(シンルー)「シャドウ?!」
 背後から声がする……振り向くと、そこには弥如(びぎん)が立っていた。
 なお、この弥如(びぎん)もまた、影のような靄を纏っている……本人ではないのだろうか……
弥如(びぎん)「これが私の幽闘術、影に生き影に逝く哉(シャドウ・ハウス)」
 掌に刻まれしCCCXIVの数値を見せながら弥如(びぎん)が呟く。
 影に生き影に逝く哉(シャドウ・ハウス)。それは自分の影を自在に操るエクストラスキル。
 ……ちなみに煤ではなく、影。そこんとこ間違えなきように
※あとシャドー・ハウスじゃなくてシャドウ・ハウスですから、残念!ペ○ソナで言うところのモンスターハウス
 斬り!
 では、いつから弥如(びぎん)はシャドウとすり替わっていたのか!?
 そして、本物の弥如(びぎん)は今、どこにいるのか!?因縁の兄妹死合はまだ終わらない……


続

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