Eighter -Scarlet Nocturne-
30ther ～二人の影法師邂逅 B～
#3
化野梶太郎「おい、與鷹！別に両方倒しても構わんのだろう？」
梓與鷹「……」
なんでお前は進んで死亡フラグを踏み抜きに行くのか、それが理解できない與鷹であった。
しかし、梶太郎が襲い掛かろうとした矢先、更なる闖入者が現る。
赤いマフラーを纏ったクノイチみたいなコスプレ女、『破』って漢字をもじった仮面を付けているメイド、まる
でユニコーンみたいなツノが生えた仮面を付けている女、そして、乾藤葦嵩
それはあまりに巫山戯た四人組であった。
コージル・S・アーサッキ「貴様ら、一体！？」
バーベラエ「我らⅡシレントワイザード……」
出音・グロウシュベル「ちっ、やっぱり出てきたか……」
與鷹「ってか、お前……」
なぜここに葦嵩が？！
乾藤葦嵩「フッ……発達しすぎた考古学は魔術と変わらない」
與鷹「ンなわけあるかいッ！」
それ、発達しすぎた科学は魔術と区別がつかない、やろがい！
冗談はおいといて葦嵩はなぜⅡシレントワイザードに所属することになったのか……それは単に行き倒れて介抱
された相手がⅡシレントワイザードだったというだけのこと。
コージル「……お前らは、まさか……カイゼルグとアレフを打ち倒したという……」
バーベラエ「確かに……だが、全てはお嬢様のご命令あっての事……裏切り者を粛清するのに理由は要らぬ！」
コージル「……なるほど、怨讐か……ならば、その件は何も言うまい……」
だが、それも全て終わったことだろう？……それなのに、なぜここに来た？と続けて問うコージル
バーベラエ「知れたことよ、全てはお嬢様の命令……ヴァルカナ争奪戦をかき乱せ！」
なんて迷惑な命令だ……と一行は思った。
星露・ユピテルメア「……」
弥如「ん？」
その頃、星露は弥如を見て驚きを隠せなかった。
それもそのはずだ。弥如もまた風もないのに靡くマフラーをした忍者のような風貌。しかし、彼女が驚いていた
のはそんなことではない
星露「虎骨……兄さま！？」
弥如「はて？人違いでは？……私には星露なんて妹はいませんので」
一同「いや、名前言ってないのにどうしてわかるんだよ」
盛大な突っ込みが炸裂した瞬間だった。
弥如「あっ、しまっ……」
この兄にしてこの妹あり……と言ったところか！？
#4
星露「虎骨兄さま……やっと、やっと出会えました」
両手で自分自身を抱きしめて震えながら彼女は語る
星露「漸くてめぇをぶっ殺せる時が来た！観念せいや！クソ兄貴ぃ！」
一同「えぇ……」
先ほどまでの敬称は何だったのか……って位の豹変だった。
星露「咲魔一族の掟に従い、一族から抜け出した貴様は殺す！」
梶太郎「サイ……なんだって！？ゲームズ？」
※違います
突如ワケの分からない単語が出てきて一同唖然。
弥如「やれやれ、咲魔などという巫山戯た一族から漸く抜け出したと思ったのに……忍びの道とはつくづく厄介な
代物だ……」
そりゃそうだろうなぁ……と一同が心の中で思った瞬間であった。
弥如「ならば、聞き分けのない妹に仏の慈悲を与えるのが兄としての役目」
いや、それは絶対に違うと思う。
さておき、因縁の兄妹対決がここに始まる。
バーベラエ（はぁ、あの方は今日はここにいないのですね……）
コージルと死合おうとする直前、バーベラエは與鷹の方を一瞥してそんなことを思う
與鷹（な、なんだ？なんであいつはこっちを？！）
葦嵩「どうやら俺達の相手はお前らのようだな！行くぜ！拳と槍……俺たちのコンビネーションを今こそ見せる時
が来たようだな！……んん？」
天音シアと共に臨戦態勢を整えようとする葦嵩だが、彼女から反応がない
葦嵩「おい！お前やる気あんのか？」
天音シア「え？……何？」
出音（なんだこいつ！？ぼけ～っとしているが……隙がない……わけではないな。隙だらけだな……罠か！？）
葦嵩「って、言うかお前、槍はどうした！？」
シア「え？……邪魔になるから屋敷に置いてきたけど、それが何か？」
葦嵩「……」
それが何か？ではない！じゃあ、一体何の為にここに来たというのか！？
思わず頭を抱える葦嵩であった。
シア「でも心配ありません。今日は私の代わりに死合ってくれる心強い拳法家がいますので……」
葦嵩「なるほど……って、ちょっと待てぇい！」
どう考えてもそれは葦嵩のことに他ならなかった。
一同「……」
本当にシアは一体何の為にここへやってきたのか……さておき、Eighter・有嗎幇連合軍、ノース光輪結社、大
神の降真靈、Ⅱシレントワイザードの混戦は始まる。
続
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