Eighter -Scarlet Nocturne-
28ther ~半影傑と二点奇襲 B~
#3
アレフ・サンドクロック「まさか再びこの場所を訪れることになろうとはなぁ……」
しみじみと呟きながら、人のいないかつての拠点を歩き回るアレフ
バーベラエ「かかった獲物はこれだけか……」
アレフ「な、なんだ貴様!?」
突然目の前に破って漢字をもじったような仮面をつけた謎のメイドが現れれば誰だってビビる。
*「うっさいわね!」
更にバーベラエの隣にはいかにもオーソドックスなツンデレって感じの少女が腕組みして立っていた。
魔術師ならば自明の理かもしれないが、彼女はガル。バーベラエが使役する魔導書娘である。
バーベラエ「ガル、我が元に帰れ!」
少女の姿をしていた魔導書が紙片となりてバーベラエを包み、彼女を守る鎧と化す
アレフ「なっ、貴様!?」
この場所がサイレントウィザードの終焉の地であることから、待ち構えているのは召喚呪術を駆使する魔術師で
あることは想像がついていたはずだが、それでも、驚きを隠せなかったアレフ
バーベラエ「アンタじゃ話にならないから、とっとと呼びなさいよ!」
アレフ(呼ぶ?!……カイゼルグ様をか!?)
アレフ「ふざけるな!イース!」
魔形刀を手に召喚呪術発動。刃のついた鉤棍を生み出す。更に、それだけではない!
アレフ「これを見ろ!」
掌に刻まれし赤と青の四角を組み合わせた八芒星にCXIIIの数字を見せつける。
バーベラエ「デミカナリアクターというわけね……」
アレフ「そして、これが俺の幽闘術!砂塵嵐の聖鎧套!貴様が何者かは知らんが、俺に勝てるとでも思ってるのか?」
砂嵐の鎧を纏って既に勝利宣言
バーベラエ「あなたが、私を!?……寝言は寝てから言ってほしいですわね」
そう一喝するとバーベラエは小太刀を抜刀する。
アレフ「ハッ!召喚呪術を使わない魔術師なんざ俺の敵ではないわ!圧壊せし風刃!」
ゴヒュッ
砂塵荒らしを圧縮してハンマーの様にまとめ圧殺にかかるアレフ。思わず心の中で『勝った!第三部完!』とか
フラグを立ててしまう。
※いや、Eighterのこの章は第六部なんで……
バーベラエ「草鷸!」
ズガンッ
事実、それを嘲笑うかのように風の刃で一刀両断。
アレフ「うっそだろ……」
#4
バーベラエ「とっととあいつを呼んでください」
更に勢いそのままに間合いを詰めて斬撃を繰り出す
ズダンッ
アレフ「ぐはあっ!?」
その斬撃はアレフの砂塵嵐の聖鎧套を容易く切り裂く
アレフ(馬鹿な!?俺の幽闘術が、こうもあっさり!?……幽闘術には幽闘術でしか対抗できないはず)
いや、與鷹は幽闘術使わずとも幽闘術圧倒してたやろ?
アレフ「くっ、カイゼルグ様……申し訳……」
ガギンッ
死を覚悟して目を瞑ったその次の瞬間、突如物理的に横槍が入り、凶刃が防がれる。
※横槍というか、召喚呪術、ストロンティというハルバードです
アレフ「カイゼルグ様?」
目を開けると、近くにはカイゼルグの姿があった。
カイゼルグ・N・ショー「邪魔だ、どけおら!」
アレフ「はっ、はい……」
そそくさと後ろに下がるアレフ。
バーベラエ「漸く来ましたね!」
ニヤリと笑みを浮かべるバーベラエ(最も、仮面のせいで表情は見えませんが……)
カイゼルグ「あぁ?なんだてめぇ『破』って、喧嘩売ってんのか!」
当然ながら真っ先に突っ込むのは仮面である。
バーベラエ「あなたにはここで死んでもらいます。GB様殺害に関与した罪として!」
アレフ(な、何を言っているんだ!?……あの人を殺したのはエスティリオだろうが)
まだ、サイレントウィザードの殆どはあの事件の真相を知らない。
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ……あのクソ雑魚の残党か!」
バーベラエ「大恩あるGB様に向かってなんて言い草だ……」
カイゼルグ「ハッ!雑魚に雑魚と言って何が悪い……」
アレフ「なっ、カイゼルグ様っ!?」
ここでそんな暴言を吐くことがどんな結果につながるか、分からないカイゼルグではないはずなのに……
しかし、カイゼルグの性格が、プライドがそれを邪魔する。
バーベラエ「やはりあなたには死んでもらいます」
すっと掌に刻まれし入れ墨のようなものを見せびらかすバーベラエ
アレフ「なっ、まさか……貴様もデミカナリアクターだったのか!?」
だとすれば、砂塵嵐の聖鎧套を打ち破ったのも頷ける。
アレフ(いや……そんなことよりも……)
アレフ「カイゼルグ様、お逃げください!」
カイゼルグ「あぁ!?貴様何を馬鹿なことを言ってやがる、俺に喧嘩売ってんのか!あぁ!?」
続
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