Eighter -Scarlet Nocturne-
28ther ～半影傑と二点奇襲 A～
#0
復讐するは我にあり！
これはⅡシレントワイザードの復讐の物語。そして彼女らがヴァルカナ争奪戦に参加する発端となりし物語。
いや、正確にはヴァルカナ争奪戦を邪魔するために暗躍する物語
※ヴァルカナ争奪戦を邪魔して長引かせたらその分姜馬と呂司を処刑するのが遅れないですかね？
#1
千葉県某所、悪夢の国
ヴィルヘル・奈美「時は来た！これより我らはGB様の無念を晴らす！」
GB夫人の寝室にて、そう宣言する奈美。
ちなみに、GB夫人はバラを咥えたぬいぐるみ（勿論デフォルメされたGB）を抱きかかえ、ここではないどこかを
見つめながら時折、きひひひひ……と不気味な笑い声をあげているが、今はおいておく。
＊「師匠！いよいよ始められるのですね！」
赤いマフラーを纏ったクノイチみたいなコスプレをした女性が、傅きながらも、キラキラした目で呟く。
彼女の名前は星露・ユピテルメア。もともとは赤眉の暗殺者でGB夫人暗殺のためにこの屋敷に侵入してきた不届
き物である。
しかし、彼女は奈美の手によって完膚なきまでの大敗を喫し、以降、彼女を師匠と呼び慕うようになったのだっ
た。
※依頼主を裏切って何やってんだこいつ？
＊「うふふふ……私の愛が試される時が来たのですね……」
『破』って漢字をもじった仮面を付けたメイドが感慨深くそう呟く。いや、破面ってそういうんじゃねぇから！
彼女の名前はバーベラエ。自ら愛に生きる戦士と名乗る女傑である。
奈美「お嬢様はこうおっしゃられた。GB様殺害に加担した者は殺せ！傍観した者は殺せ！惨たらしく殺せ！奴らに
地獄を見せろ！……と」
いや、今のGB夫人を見る限り、本当にそう言ったのかは分からないが……
＊「……で、私たちはどこへいけばいいんだ？」
まるでユニコーンみたいなツノが生えた仮面をつけたメイドがぽつりと呟く。
彼女は……天音シア。実は記憶喪失であり、自分のことを含め過去を一切合切忘れている女性で、この名前もヴィ
ルヘル・奈美が記憶喪失からとってつけた適当極まりない名前だ
奈美「敵はノース光輪結社と大神の降真靈にあり！」
#2
星露・ユピテルメア「ノース光輪結社……」
バーベラエ「大神の……降真靈……」
天音シア「敵は分かった……で、奴らはどこにいるんだ？」
奈美「いい質問だ。確かに、奴らがどこにいるのかは、現段階では分からない……」
星露、バーベラエ「えぇ……」
いきなり出鼻をくじかれてズコッてなる一行。だが、話は最後まで聞け！と奈美は叫ぶ。
奈美「奴らを呼び出すことはできるのよっ！」
シア「ほう？」
奴ら……呪装四天王のことだが、曲がりなりにもGB様に忠誠を誓った身。で、あるならば、GB様からの呼び出し
には応えなければならない義務がある。
※いや、その理屈はおかしい。もしそうだったらロズエリクはGBに逆らえなかったんじゃないの？
星露「それを利用するわけですね、流石師匠、そこに痺れる憧れるぅ！」
いや、こいつ、思った以上に心酔が酷いぞ……
星露「では、早速呼び出しましょう」
シア「君は実に馬鹿だなぁ」
星露「な、なぬぅ！？」
流石にその物言いにはカチンときた星露は、思わず襲い掛かろうとするが、それをバーベラエが止める。
バーベラエ「今のは50:50であなたが悪いですわね。星露」
※いや、50:50だったらどっちもどっちだろ。こいつ、頭悪いのか？
ここに敵を呼び出すなどと愚の骨頂……呼び出すならばそれなりに相応しい場所と言うものがある。
それは……シレントワイザード終焉の地、富士青木ヶ原樹海！
と、いうわけで星露とバーベラエは富士青木ヶ原樹海……かつてのシレントワイザード本拠地へと足を運んだ。
バーベラエ「では、始めましょう」
星露「あぁ、そうだな……」
そして、二人は離れた場所で呼び出しを行う。
惹閃（……こ、これは……サイレントウィザードの……緊急招集？！）
カイゼルグ・N・ショー（チッ、何だってんだ……面倒くせぇ……）
お互いに場所は違えど、呼び出しを受け取る。
呼び出しがあるならば、行かねばならぬ！と考える惹閃とは対称にカイゼルグは無視を決め込もうとした。
流石に無視するのはどうかと思うというわけで、代わりにアレフが出向くことになるのだが……
果たして、カイゼルグもおびき出すことはできるのか！？
続
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