Eighter -Scarlet Nocturne-
28ther 〜半影傑と二点奇襲 C〜
#5
アレフ・サンドクロック「カイゼルグ様、今は言い争っている場合じゃないですよ!」
しかし、その物言いはカイゼルグの神経を逆なでするだけだ
カイゼルグ・N・ショー「あぁ?この俺に逃げろってか!?てめぇ、喧嘩売ってんのか!」
アレフ「で、ですから……」
カイゼルグ「燃える獣王の鉱刃!」
イライラしつつも、バーベラエを駆逐することは忘れない。手にしたハルバードを投げつける。
と、同時にソレは鋼で武装した獅子となりてバーベラエに襲い掛かる
バーベラエ「鷦鷯(!」
ピシャ〜〜ンッザガンッ
しかし、バーベラエは雷を落とすと同時に斬撃を放ち、叩き斬る。
カイゼルグ「チッ……」
そこそこ必殺の威力のある魔導奥義をいとも簡単に切り払う。
それはつまり、今のカイゼルグの力をもってしてもバーベラエに勝つのは難しいということだ。
カイゼルグ「それ、よこせオラぁ!」
アレフ「え!?え?!」
そして、カイゼルグが目を付けたのは百万朱版の転生小聖印(であった。
ヴァルカナと違って百万朱版の転生小聖印(は奪われても死にはしない。故にできる荒業である。
アレフ(嘘ぉ!?)
掌から百万朱版の転生小聖印(の数値刻印が消えていることに驚愕。
デミカナリアクターだった頃でさえバーベラエに勝てなかった……デミカナリアクターではなくなった今となっ
てはカイゼルグに全てを託すしかできない……
カイゼルグ「死ね!」
バーベラエ「死ぬのはあなたです」
ギンッ
行ける!先ほどと違って今の俺なら……デミカナリアクターとして同じ土俵に上がった今の状態ならば、このイ
カれた仮面の女とも互角に死合える!
カイゼルグはそう感じ取っていた。
カイゼルグ「そして、貴様に見せてやる!本邦初公開!これが俺の幽闘術だ!」
アレフ(本邦初公開って、そりゃ今日初めて使うんだから当然でしょうに……)
極めて冷静な突っ込みであった。
カイゼルグ「黄道十二宮の聖衣(!」
ガシャンガシャンッ
カイゼルグが叫ぶと無数の金属片が宙を舞い、カイゼルグを覆う。
#6
それは纏う召喚呪術。ストロンティを身に纏うことで攻撃と同時に防御も上げるという代物。
※っていうか聖○士星矢じゃん……しかも、ネーミング的に一人で十二星座分使える……
バーベラエ「終わりましたか……では行きますよ!」
いつでも来いやオラァ!と言おうとした矢先、一気に間合いを詰められる。
アレフ「なっ、速い!?」
バーベラエ「川蝉(!」
ガギンッ
更にジャンプすると同時に小太刀を逆手で構えて刺突を繰り出す……が、しかし、貫けない。
カイゼルグ「見たか!これが俺の幽闘術!ストロンティを纏った俺に死角はない!」
バーベラエ「便追(!」
ガガガガガガガガガガッ
連続刺突……しかし、全ては徒労に終わる。
カイゼルグ「喧しい鉄刃(!」
ドギャキィィインンッ
無造作に右腕を横に薙ぎ払うと同時に、轟音と共に斬撃が飛ぶ
バーベラエ「くっ……」
だが、その斬撃の欠点は轟音……分かっていれば、回避することも容易い。
まぁ、耳が多少イカれてしまうのはしょうがないが……
カイゼルグ「俺を殺すなどと巫山戯(たことをのたまっていたが、死ぬのはテメェの方だな!」
既に趨勢は決した……か!?
カイゼルグ「夢幻の鉄刃(!」
ズアアアアッ
本来は大量の刃の幻影を生み出すこの技も、ストロンティを纏っている今の状態では分身技と化す!
カイゼルグ「おらぁ!死ねぇ!」
四方八方から迫るカイゼルグ。
アレフ「勝った!今度こそ第三部完!」
またお前はそうやってフラグを立てる……
※あと何度も言うように今は第六部だから!
バーベラエ「……仕方ありませんね……では、貴方に私の幽闘術、鳳凰の愛殺(の真価を見せてあげましょう……」
そういうとバーベラエは両手を天に掲げてうっとりしながらこう呟く
バーベラエ「あぁ、愛しきあのお方……愛しくて、愛しくて、愛しくて……憎い」
ズオンッ
一同「うおおお!?」
しかし、愛を叫んでいたバーベラエは突如として憎しみをぶつける。その底冷えするような恨み言は、途方もな
い殺気をあたりに振りまく。
それはカイゼルグの分身を一蹴するほど
#7
鳳凰の愛殺(……それは愛を憎しみに変換する幽闘術。愛が深ければ深いほどに裏返って威力を増す。
つまり、可愛さ余って憎さ百倍の究極の境地なり。
バーベラエ「死〜〜ねっ」
ズバンッ
まるで恋する乙女の如く、頬を赤らめながらカイゼルグの首を刎ねる。
アレフ「ヒッ!?」
バーベラエ「うふふ……うふふふ……」
そして、死神は次のターゲットにアレフを選ぶ。
しかし、頼みの綱のカイゼルグが殺された今、アレフにこの状況を打開する手段は持ち合わせていなかった。
つまり、アレフもまたカイゼルグの後を追うしかなかったのである。
そして、主を殺された、魔導書娘は再び魔導書娘の姿としてこの世に顕現する。
バーベラエ「そうね、魔導書は魔術師にとって貴重な財産」
ミーコ「仰せの通りに……」
メイ(こくこく)
ミーコとメイを改修してバーベラエはその場を去る。
後に残されたのは百万朱版の転生小聖印(のみであった。
※なお、百万朱版の転生小聖印(は宣教倶楽部が責任をもって回収して帰りました。
END
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