Eighter -Scarlet Nocturne-
22nder 〜影の中に輝く太陽 B〜



#3
クラウド・ノシュケー・マルーメ「なんだ貴様は!?」
弥如(びぎん)「お前はどこの組織のものだ?」
梓與鷹(よたか)(なんだ?あいつはノース光輪結社でも大神の降真靈(こうしんりょう)でもないのか?)
*「私か……私は乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)……サウソール・シーヴィレ遺跡の第一発見者だ」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「この遺跡の第一発見者ぁ!?」
 ってことはこの遺跡にこんなオカしな名前を付けた張本人でもあるということだ
カイゼルグ・N・ショー「まぁ、なんだっていい……貴様の持つそのヴァルカナ、渡してもらおうか」
弥如(びぎん)「いいや、それは大神の降真靈(こうしんりょう)のものだ」
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」
 葦嵩(あしたか)そっちのけでいがみ合うノース光輪結社と大神の降真靈(こうしんりょう)出音(でおん)・グロウシュベル「いや、お前らのどっちものでもないだろうに……」
乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)「ヴァルカナ……それはこれのことか?」
 XIXの数字が刻まれた手を掲げる葦嵩(あしたか)
クラウド「そうだ!それは我らがノース光輪結社のためにある代物」
弥如(びぎん)「いいえ、違います。大神の降真靈(こうしんりょう)の大願成就のために必要な代物」
カイゼルグ「ざけんなよ、てめぇ……今日こそはぶっ殺してやる!イエスキリストノータッチ!」
 そして、やはり葦嵩(あしたか)そっちのけで争い合うノース光輪結社と大神の降真靈(こうしんりょう)であった。
葦嵩(あしたか)「……フッ、貴様に《太陽(サン)》が奪えるか?!」
梶太郎(かぢだろう)「おいおい、そこは『救えるか?』って言うところだろ?」
與鷹(よたか)「いや、あのなぁ……」
 それはもの〇け姫だよ!
葦嵩(あしたか)「幽闘術、祟るの黒き拳(ブラック・カーズ・ナックル)!」
 ずおんっ
 叫ぶと同時に葦嵩(あしたか)の右腕が黒く禍々しく変化する。それはタ〇リ神にやられたア〇タカのような変化であった
葦嵩(あしたか)だけに?!
與鷹(よたか)「なっ、あいつ、既に幽闘術を!?」
新田姜馬(きょうま)「来るぞ!」
葦嵩(あしたか)(てい)飛刃抜剣掌(ひじんばっけんしょう)!」
 ズドオンッ
與鷹(よたか)「うおっ!?」
 突如飛来する衝撃。
 葦嵩(あしたか)はその場を動かずにシャドーボクシングでもするかのような動作を行っただけだ。
梶太郎(かぢだろう)「拳打の衝撃波を飛ばすってことか、面白れぇ!」
葦嵩(あしたか)「フッ」
 ゾンッ
 近づかないと反撃もできないが、そもそも近づくことができない……正しく死角のない幽闘術だった

#4
古畑呂司(りょうじ)「厄介な……」
旧透水(ジウ・トウシュイ)「だガ……ノース光輪結社ト大神の降真靈(こうしんりょう)ガ潰しあっていルのは好都合」
 確かに、ノース光輪結社と大神の降真靈(こうしんりょう)の相手をしなくていいのは好都合。
與鷹(よたか)「お前の使うその力は危険なんだ!」
葦嵩(あしたか)「先ほど言ったはずだ……『貴様に《太陽(サン)》が奪えるか?』と」
 與鷹(よたか)の呼びかけを無視して拳打を繰り出す葦嵩(あしたか)與鷹(よたか)「くそっ、話を聞かない奴だな……」
梶太郎(かぢだろう)「おい、お前の双狼拳でなんとかできないのかよ?」
與鷹(よたか)「無茶苦茶いうなよ……」
 チッ、使えないな……って毒づく梶太郎(かぢだろう)に若干イラつく與鷹(よたか)だが、今は仲間内で争っている場合ではないと瞬時
に頭を切り替える。
與鷹(よたか)(さて、どうやって奴の拳をかいくぐるか……)
 まぁ双狼拳の使い手である與鷹(よたか)には既に解決策は見えているのですが……
姜馬(きょうま)「あの術式……見たことがあるな」
與鷹(よたか)「え?なんだって?」
 ぽつりと呟く姜馬(きょうま)を見逃さず、すぐさま彼の下へ駆けつける與鷹(よたか)葦嵩(あしたか)「ハッ!(てい)飛刃抜剣掌(ひじんばっけんしょう)!」
 ズドンッ
 葦嵩(あしたか)が繰り出す拳打を観察して、確信を得る姜馬(きょうま)
姜馬(きょうま)「奴の放つ拳打を見ろ!」
 そういわれて改めて葦嵩(あしたか)を見る與鷹(よたか)。殴るモーションと共に拳打が黒い衝撃波となって飛んでくるのが見える。
姜馬(きょうま)「あれは間違いなくタタールの黒き拳」
與鷹(よたか)「なん……」
 幽闘術、祟るの黒き拳(ブラック・カーズ・ナックル)……タタールの黒き拳……って、駄洒落かいッ!
呂司(りょうじ)「え?……ってことはもしかして、奴は魔術師ってことですか?」
葦嵩(あしたか)「ほう?まさか魔術に詳しい人間がいるとはな……」
 ならば、改めて自己紹介と行こう……俺は乾藤葦嵩(いぬいとう・あしたか)……考古学者にして魔術師、そして《太陽(サン)》のヴァルカナリ
アクターであるとなんだか大仰なポージングで伝える。自分に酔うタイプなのだろうか?
 ちなみに余談だが使役する魔術所娘はグラーキ黙示録のラキ。見栄っ張りで『あたしってば〇〇ね』が口癖らし
い。
葦嵩(あしたか)「そして、私が尊敬してやまない考古学者は元人鷦鷯(もとひと・しょうりょう)であるッ!」
與鷹(よたか)「いや、その人考古学者じゃなくてトレジャーハンターだから……」
 頭を抱える與鷹(よたか)であった。
※ってか、そうなると葦嵩(あしたか)も考古学者じゃなくてトレジャーハンターなんじゃ?

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