Eighter -Scarlet Nocturne-
18ther 〜魔狼は幾度も蘇る B〜



#3
 光が治まると、(ゆたか)の右手にはXVの数字が刻まれていた。
ヨシーマ・Q・タヌァクァ「馬鹿な!貴様ッ!それはッ!」
 思わず自分の右手を見るヨシーマ。そこには(ゆたか)と同じようにXVの数字が刻まれていた。
ヨシーマ(何故、奴にも《悪魔(デビル)》のヴァルカナが!?)
天宮(ゆたか)「フッ……貴様はそのヴァルカナを完全に使いこなせていないッ!」
ヨシーマ「何を世迷言を!」
(ゆたか)邪狼群憑(じゃろうぐんひょう)!」
 ドドドドドドドドドドッ
 ドス黒い気が(ゆたか)を包み込んでいく。そして、死に体だったはずの(ゆたか)の肉体が再生されていくような錯覚を見た
ヨシーマ(なっ、何が……何が起きている?!)
 得体のしれない恐怖に駆られ思わず一歩後退るヨシーマ
(ゆたか)「貴様に見せてやるぜ!俺の幽闘術、悪魔が来たりて喇叭を吹く(ディアボリック・トランペッター)をな!」
 ドゴオンッ
ヨシーマ「ぐげっ!?」
 今までとはまるで別人。キレッキレの拳打を食らって吹き飛ぶヨシーマ。
ヨシーマ(馬鹿なっ!?ありえん!)
 その時、ヨシーマは自分の中から力が抜けていくような錯覚を覚えた。
 それだけではない、自分の右手に刻まれていたXVの数字がすうっと消えていくのを見て、愕然とした。
(ゆたか)「貴様はもう死ね!」
 ドンッ
 渾身の右ストレートを食らい、再び吹き飛ばされるヨシーマ
ヨシーマ「熱い、いや、寒い……げっほぅ!?」
 火傷と凍傷を一遍に味わうかのような謎の衝撃と、臓腑からこみあげてくる吐き気。
 血を吐き、その場に(くずお)れたヨシーマは、既に絶命していた。
(ゆたか)「フッ……フフフ……フハハハハハッ!與鷹(よたか)!俺は貴様を殺すために地獄から黄泉帰った!」
 俺はたった今からノース光輪結社の(ゆたか)……イエスキリストノータッチと叫ぶとその場を後にするのであった。

 それから数日後、與鷹(よたか)はというと、謎の呼び出しを食らって一人能登島へ赴いていた
 最も、かんながレムリアで調べてくれたので誰が呼び出したのかはわかっているのだが……
*「フッフッフッフッ……まずは臆せず来たことを誉めてやろう」
梓與鷹(よたか)「いや、アンタに褒められても嬉しくはないけどな……」
 そこで待っていた漢は、かんなが事前に調べた情報によるとパク・ラセロ。韓国空軍所属の特務である。
※なお、韓国陸軍所属のパク・ルンヤデは彼の兄である。

#4
與鷹(よたか)「で、一体何の要件なんだ?」
パク・ラセロ「知れたこと、兄を破滅へと追いやった恨み、今こそ晴らさん!」
與鷹(よたか)「ちょっと待て、俺は別にお前の兄さんを破滅に追いやった覚えはないが……」
ラセロ「巫山戯(ふざけ)るな!貴様のせいで兄さんは何故か手足を全く動かせなくなり、退役せざるをえなくなったんだ!
そして兄さんの恋人は、その惨状を見て介護なんてやってられるか!と兄さんと別れてしまった!挙句の果てに、
俺が狙っていた兄さんの恋人の妹とも恋が始まる前から破局状態だ!この恨み、晴らさで置くべきか!」
與鷹(よたか)「いや、それはお前の兄さんの自業自得……というか、最後のは私怨……」
 しかし、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に手を出したパク・ルンヤデが悪いんやでって言っても聞く耳は持たないだろうとい
うことを與鷹(よたか)は悟り、強くは言い返せないのであった。
※いや、唐突な駄洒落なんなの!?
ラセロ「黙れ!慰謝料として独島(竹島)を請求する!」
與鷹(よたか)「お前もかよ!」
 人の話聞かない奴だな……と頭を抱える與鷹(よたか)であった。
ラセロ「ともかく、あれもこれも全ては日本が悪い!よって貴様には死んでもらう」
與鷹(よたか)「無茶苦茶過ぎる……」
ラセロ「さぁ来い!俺は兄さんよりもサイキック能力が高いぞ!」
與鷹(よたか)「いや、そんなこと言われても……」
 臆したか、ならば、こっちらから行くぞ!と言わんばかりにラセロが拳を構えた次の瞬間、突如、ラセロの背後
に一人の漢が降り立つ。
 その漢はボロ布を全身に纏い、何者なのかは窺い知れない……だが、その凄まじいまでの邪悪な殺気から只者で
はないことだけは分かる
與鷹(よたか)「あ!?」
ラセロ「どうした!?」
 ズボッ
ラセロ「はぐ!?」
 ってか、尋常じゃない殺気を放っていたのに、背後の漢に気づかなかったのだろうか?
 無防備なラセロの腹部を謎の漢の拳が貫く。
與鷹(よたか)「な、何!?」
 そのまま漢はエルボーでも決めるような感じで握り拳を見せびらかす。
 その拳……正確には掌に刻まれしXVの数字を見て、與鷹(よたか)は驚きを隠せずにいた。
與鷹(よたか)「ヴァルカナリアクター?!」
(ゆたか)「ほぉ、知っているのか……だったら話は早いな!」
與鷹(よたか)「なっ、その声ッ!!」
 さらに漢が(ゆたか)であることを知り、與鷹(よたか)の驚愕のあまり、開いた口が塞がらなかった。


続

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