Eighter -Scarlet Nocturne-
10ther 〜影窟の中に有ル哉( B〜
#3
迫る大岩から逃げ回る一行
化野梶太郎(「おい、與鷹(!お前の双狼拳(のインチキ臭い奥義であれなんとかなんねぇのか?」
聖狼躱虚(のことを言っているのだろうが、大岩を回避……って言っても、こんな狭い場所では回避も何もあった
もんではない。
梓與鷹(「いくら何でも無理過ぎる」
梶太郎(「チッ、使えねぇな……」
出音(・グロウシュベル「ってか、お前が罠を発動させたんだから、お前がなんとかしろよぉ!」
ぐうの音も出ない正論だった。
梶太郎(「いいだろう、双虎拳(は無敵だぁ!ってことを見せてやるぜ!虎伏絶掌(!」
いや、ここで虎伏絶掌(使っても効果が最大になるまで逃げ続けなきゃダメじゃん。
出音(「あっ!」
與鷹(「おう!」
逃げる最中、出音(は通路の脇に隠れられる場所を見つけると與鷹(に合図。すかさず與鷹(もそこへ飛び込む。
が、しかし、梶太郎(だけは大岩を砕くために逃げ続けるのであった。
出音(「あいつ、大丈夫か?」
與鷹(「ま、まぁ、死ぬってことはない……とは思う。思いたい」
とりあえず、気を取り直して、ここからは慎重に進もうと気を引き締める與鷹(と出音(であった。
暫く進んだ後……
與鷹((しかし、妙だな……)
あの落とし穴は確かに罠だった。しかし、それにしては落ちた先、つまりここで、ホトケを見かけない。
あの大岩で潰されたのだとしてもだ……
與鷹((それに大岩の罠から逃げられる脇道もあるのも怪訝しい。罠にかかった人物を殺すためならば、そんなもの
は必要ないはずだ)
與鷹(「つまり、俺たちはヴァルカナに近づいている」
出音(「いや、いきなりなんだ!?」
與鷹(「おそらく、あの罠は遺跡の奥へと進むための近道」
出音(「な、なんだって!?」
御御脚(「ほぉ、そいつハいいことヲ聞いた」
出音(「なっ、貴様はッ!」
クラウド・ノシュケー・マルーメ「罠にもかかってみるものだな……」
いつの間にかクラウドと御脚(がそこにいた。
考えてみれば奴らも落とし穴に落ちたのだから、どこかで鉢合わせるのは必定だったのかもしれない。
クラウド「ここから先、進めるのは一人だ!」
※一人ってか一組織のみ
御脚(「いいだロう」
出音(「チッ、やってやろうじゃねぇか!」
#4
クラウド「貴様ら全員、螺旋の相克(の餌食にしてやろう」
御脚(「ハッ!甲蟲と炎雷(デ返り討ちだ!」
両手にカタールを装備するクラウドに硬化しだす御脚(
それを見て即座に出音(はクラウドを、與鷹(は御脚(を相手に決める。
ガイン、ガガキンッ
出音(「クッ……」
まるで頭だけを固定して体を回転して斬撃を繰り出しているかのような人体の構造を無視したクラウドの回転斬
撃に苦戦する出音(
クラウド「これが我が力、螺旋の相克(!……超級武振覇影斬(」
出音(「いや、どう考えても回転だが」
そして、二つの技を足して二で割ったかのようなネーミング。
クラウド「螺旋とはすなわち回転だ」
出音(「都合のいい解釈過ぎる!」
與鷹(「ハッ!神狼九断(!」
ゴドガガガガガガガガガッ
御脚(「無駄ダ!」
一方の與鷹(も拳打を繰り出してみるも、通っている感じがしなくて戸惑っている
與鷹((硬い……)
御脚(「俺ノ甲蟲と炎雷(は正しく鉄壁!……鐘ニ手を括り付けて打ち付けられる荒行ヲ超え、トラックに撥ねられる
荒行ヲ超え、果てニはパッフェルベルのカノンを聞いても生き延びテ完成する!」
與鷹(「最後だけなんか違うだろ……」
※カノン砲と間違えた説。
御脚(「そして、これガ攻撃の要、白乾児魔炎(!」
ボッ
與鷹(「うおお!?」
人差し指を突き出すと同時に炎が與鷹(に襲い掛かる、が、半身ずらしてなんとかこれを回避。
與鷹((まるで某魔術師だな)
いや、彼は《魔術師(》のヴァルカナリアクターですけど。
與鷹((さておき、あまり時間をかけるのも得策ではない……)
御脚(の出方を窺いつつどうしたものかと與鷹(が思案していると、遠くから雄叫びの様なものが聞こえてくる
梶太郎(「うぉおお〜〜〜らぁ!」
それは梶太郎(だった。
梶太郎(「漸く追いついたぜ!」
出音(「なっ、お前、生きていたのか!?」
そして、出音(もなかなかに酷い言い草である
梶太郎(「ハッ!たかが石ころ一つ、双虎拳(の力で叩き砕いて見せるって言っただろ!」
いや、言ってなかったと思うが……
梶太郎(「行くぜぇ、野郎ども!」
いや、仕切らないでほしいんだが……と、思いつつも、死合は第二局面へと進むのであった。
続
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