Eighter -Scarlet Nocturne-
9ther 〜魔影(かげ)の中に有ル(カナ) D〜



#7
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「は〜るばる来たぜ上海ィ!」
一同「それを言うなら函館な」
 ともかく、Eighter一行、上海に降り立つ
梶太郎(かぢだろう)「やっぱ上海に来たら上海蟹を食わないと話にならんだろ!」
梓與鷹(よたか)「お前な、遊びに来たわけじゃないんだぞ」
 そんな梶太郎(かぢだろう)の発言に頭を抱える與鷹(よたか)であった。
 今回Eighter一行が上海を訪れたのは当然のことながらヴァルカナの探索のためである。断じて観光目的では無
い。
出音(でおん)・グロウシュベル「蟹なんてヴァルカナ探索の後でいくらでも食えるだろ」
梶太郎(かぢだろう)「馬鹿野郎!店が閉まってたらどうするんだ?」
一同「その時は運がなかったとしか言いようがないな」
與鷹(よたか)(おそらく今回のヴァルカナ争奪戦には明らかに出遅れている)
 なんたって場所が中国だからである。下手したらヴァルカナの下にたどり着く前に終わってしまうかもしれない
がそれでも、ヴァルカナを管理するためには出向かないわけにはいかないのだ。
出音(でおん)「で、あれがヴァルカナが安置されているという遺跡、上海栗栖幻鍔殿(シャンハイくりすげんがくでん)……」
 そこは弾幕系のトラップの多さに誰もが最深部へたどり着けなかったことで有名な遺跡であるという。
※どう考えても東方だコレ
 そして、まるで狛犬のように人民服を着たリーゼントのヤンキーの銅像が一行をお出迎え
 『誰がサ〇エさんヘアーだコラ!』という幻聴が聞こえてきそうである。
※違う意味で東方だコレ
與鷹(よたか)「ともかく、行くぞ」
梶太郎(かぢだろう)「へいへい……」
 やや不満げではあるが、梶太郎(かぢだろう)は今だ與鷹(よたか)に逆らうことが許されない身だ。
 一行は遺跡の中へと足を踏み入れるのであった。

梶太郎(かぢだろう)「弾幕系の罠ってなんだろうな?」
與鷹(よたか)「さぁな……」
 まぁ、古代の遺跡だから銃弾ってことはないだろうとは思うが……と與鷹(よたか)。
 それはさておき、何が来ても対処できるように身構えつつも一行はある程度奥まで進むのだが、しかし、この間
何も起こらない。
梶太郎(かぢだろう)「なんだよ、何も起こらないじゃねぇか」
 あまりに拍子抜け過ぎて、思わず毒づく梶太郎(かぢだろう)であった。
出音(でおん)「いや、何も起きないに越したことはないと思うんだが……」
與鷹(よたか)「それはもしかしたら、既に罠が発動した後で俺たちは何事もなく進めているだけかもしれんがな……」
 それは出遅れていることの証明でもある。

#8
 そして、奇しくも三つの組織は一つの場所で鉢合わせる。
クラウド・ノシュケー・マルーメ「お!?」
*「あぁ!?」
梶太郎(かぢだろう)「お前らはッ」
 一触即発。襲い掛からんとした矢先にクラウドが祈るように呟く
クラウド「イエスキリストノータッチ!」
一同「イエスキリストノータッチ!」
*「そうか、そっちがノース光輪結社というわけか……」
 こちらは有マ幇(ユーマハン)。そう名乗った漢は自らをユウ・ユウジャオと告げた。
アレフ・サンドクロック「よもやこんな場所で再開するとはな」
梶太郎(かぢだろう)「それはこっちのセリフだっての!」
與鷹(よたか)「違う。あっちだ!」
梶太郎(かぢだろう)「あん?」
 與鷹(よたか)が指さす向こう。それは有マ幇(ユーマハン)。そして、そこにはかつてサイレントウィザードにいたネサリウスとラキエ
ルの姿があった。
アレフ「お前らはそっち側ってことなんだな……」
ラキエル「……あぁ、そうだ。悪いな……」
カイゼルグ・N・ショー「あぁ!?てめぇ喧嘩売ってんのか!」
 とりあえず、カイゼルグでは埒が明かないので、おいといて、ネサリウスとラキエルは改めて自己紹介をするこ
ととなる。
 ウェステリアとドキエルは本当はノース光輪結社の一員だったように、ネサリウスとラキエルは本当は有マ幇(ユーマハン)の
一員だったのだ。
 ネサリウスだった漢は新田姜馬(きょうま)、ラキエルだった漢は古畑呂司(りょうじ)と言った。
 ちなみに、余談だが有マ幇(ユーマハン)のユウ・ユウジャオ。彼もまた有マ幇(ユーマハン)当代盟主、猫耳萌(マオ・アルメン)と同じく日本人相手に漢字で
名乗ることを頑なに拒否する御仁である。
 彼の名、ユウ・ユウジャオを漢字で表記するとこうなる。
 御御脚、それは日本では『おみあし』と読む。
カイゼルグ「ストロンティ!」
アレフ「イース!」
新田姜馬(きょうま)「ヤークシュ!」
古畑呂司(りょうじ)「ザイクロトル!」
 魔術師四人、召喚呪術でそれぞれハルバード、刃のついた鉤棍、巨大な爪を彷彿させる形状のカタール、蔓のよ
うな一見すると斬撃には向かない刃の木刀を生み出し死合う。
*「クラウド様……」
クラウド「奴らは旧知の仲のようですね……まぁ、好きにさせておきなさい」
 勝手に死合いだすカイゼルグとアレフを見て若干狼狽える宣教倶楽部の面々であった。

#9
クラウド「さて、では、俺たちは俺たちでやるか?」
 ズイっと拳を見せびらかすクラウド。その掌にはIVの数字が刻まれていた。《皇帝》のヴァルカナリアクターで
ある。
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「お前もヴァルカナリアクターか……」
 御脚(ユウジャオ)もズズイっと拳を見せびらかす。その掌に刻まれし数字はI。《魔術師》のヴァルカナリアクターだ。
梶太郎(かぢだろう)「ヴァルカナリアクターが二人……面白ぇ」
出音(でおん)「えぇ!?」
クラウド「で、そちらは?」
梶太郎(かぢだろう)「この化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)、てめぇらに名乗る名前はねぇ!」
一同「いや、盛大に名乗ってるから……」
 思わず突っ込まずにはいられない一行であった。
梶太郎(かぢだろう)「俺様は梶太郎(かぢだろう)……別にヴァルカナリアクターでもないが、てめぇらを叩く!」
御脚(ユウジャオ)「ヴァルカナリアクターでもない奴が俺たちを叩く!?」
出音(でおん)「こっちはヴァルカナリアクターではないが、ヴァルカナホルダー」
クラウド、御脚(ユウジャオ)「ヴァルカナホルダー!?」
 なんだそれは、聞いたことないな?と首を傾げる二人だが、単にヴァルカナを保持しているだけである。
與鷹(よたか)「三人がかりだが、悪く思うなよ?」
 そして、三つ巴の死合が始まる


END

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