Eighter -Scarlet Nocturne-
7ther 〜海底霊廟の影懸想 C〜



#5
 海底霊廟の中から何かの気配を感じる
出音(でおん)・グロウシュベル「お、おい、何かいるぞ」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「ノース光輪結社の連中ってか!?」
梓與鷹(よたか)「いや、そんな馬鹿な……」
 しかし、確実には言い切れない。霊廟の入り口はここだけとは限らず、奴らは既に中へ入っている可能性もある
 ともかく、何が出てきても対処できるように周囲に注意しつつ、一行はそこへと向かい、そして驚愕する。
一同「ウオオオオオッ」
與鷹(よたか)「な、なにぃ!?」
 そこにいたのは人間の上半身に、一見すると蛇に見えるが、よくよく見ると魚類な下半身を持つ、ミイラのよう
な謎の化け物だった。
梶太郎(かぢだろう)「コイツがサギハンって奴か」
出音(でおん)「それを言うならサハギンじゃねぇの?」
 サギハンだと人を騙してお金を奪い取る犯罪者みたいだよ
※サギハンってか、詐欺犯
山咲(やまざき)桜「根布照須(ねふてす)一家が海運業で財を成した秘密が、おそらくコレなのでしょうか?」
與鷹(よたか)「何だって!?」
 最初から半魚人だったからこそ、海で財を成すことができた。最初から半魚人だったからこそ、海の上で生まれ
海の上で死ぬ生活スタイルとなったとでも!?
與鷹(よたか)(おいおい……ちょっと待てよ……)
 そして、半魚人……より正確に言うならば人魚について、日本には古来より伝承がある。
 人魚の肉を食べて不老不死になった八百比丘尼だ!
※最も、それは福井県の伝承で、実際には不老不死じゃなくて八百歳まで生きたって伝承なのですが……
*「オアアアアッ!」
 だが、今はそんなことを言っている場合ではない。半魚人と言えばコレって位にお馴染みの三叉槍を構えて襲っ
てくる。
上総介「今はお喋りのヒマはなさそうだな」
與鷹(よたか)「チッ」
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃ!與鷹(よたか)双狼拳(そうろうけん)双虎拳(そうこけん)、どっちが敵を多く倒せるか勝負だ!」
 ノリノリで突っ込んでいく梶太郎(かぢだろう)に、本当に、お前、交喙(いすか)にそっくりだな……とため息をつく與鷹(よたか)であった。
出音(でおん)「俺と姉さんとの絆は、誰にも引き裂けないッ!」
 そのうち〇〇の呼吸、××の型とか言い出さないだろうな……なんてどうでもいいことを考える與鷹(よたか)であった。
※よく考えたら《ザ・テンペスト》に姉を殺されている時点で絆は引き裂かれているのではなかろうか?

#6
 迫りくるバケモノを撃退しつつ一行は先へ進むと、敵が侵入を躊躇うかのような仕草を見せる空間を発見。
 そこで一旦休憩をする事に
與鷹(よたか)「はぁはぁ……」
梶太郎(かぢだろう)「てめぇは何匹倒したんだ!?」
與鷹(よたか)「お前は無駄に元気だな……」
 ゲンナリする與鷹(よたか)であった
総介「山咲(やまざき)ッ!」
桜「はい。照合は終わっています」
出音(でおん)「照合ってなんのだよ?」
桜「ここまで撃退してきた敵ですが、やはり、根布照須(ねふてす)一家の手のもののようです」
一同「何だって!?」
 いずれも抗争で裏社会から突如姿を消したと言われているメンバーでしたとも付け加える。
與鷹(よたか)「まさか……」
 根布照須(ねふてす)一家は殺されたのではなく、人の姿を保てなくなったから人間社会から姿を消したとでも!?

総介「さて、この休憩が終わればいよいよ本番だ。気を抜くなよ!」
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃあ!双虎拳(そうこけん)の血が騒ぐぜ!」
出音(でおん)「あいつは本当に気楽でいいよな」
與鷹(よたか)「あぁ……」
 どうしてこうなったというか、梶太郎(かぢだろう)ってこんな性格だったっけ?ってな疑問すら出てくる始末である。
 そして、総介がいよいよ本番だと言った理由はすぐにわかることになる
與鷹(よたか)「貴様は、ウェステリア!?」
 休息を終えて更に奥へ向かうと、そこで、ノース光輪結社の連中と鉢合わせることになる。
 ここに来る道中に我が元に帰れ(ヴォレーゲン)を使っているのか魔導書娘の姿は見当たらない。
カイゼルグ・N・ショー「あぁ?てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」
與鷹(よたか)(奴の部下がもともとノース光輪結社の手のものだったって聞いた時から、おそらく……とは思っていたが、
やはり、奴も……)
カイゼルグ「てめぇらには改めて喧嘩売ってやる!俺はノース光輪結社の司祭が一人、カイゼルグ・N・ショー」
 カイゼルグの中では『喧嘩を売る』 = 『自己紹介する』なのだろうか?
※いや、それだと毎回『自己紹介してんのか?』って怒鳴ってるってことになるんですが……
與鷹(よたか)「やはり、お前たちもヴァルカナを……」
カイゼルグ「あぁ!?なに当然なことを聞いてやがる、てめぇ、喧嘩売ってんのか!」
梶太郎(かぢだろう)「いいぜぇ、その喧嘩、買ってやるぜ!」
アレフ・サンドクロック「いや、貴様の相手はこの俺だ!」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?てめぇが?!」
 既に梶太郎(かぢだろう)の中ではアレフは格下扱いであり、勝負にならないと踏んでいた。
 しかし、奴も梶太郎(かぢだろう)を指名するからには何か策があるのではないだろうか!?


続

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