Eighter -Scarlet Nocturne-
7ther 〜海底霊廟の影懸想 D〜



#7
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「この俺を指名するだぁ!?」
アレフ・サンドクロック「そうよッ!今までの俺とは一味違うってことを、貴様らに見せてやるぜ!」
 そういって右掌を梶太郎(かぢだろう)に見せびらかすアレフ。
 そこにはCXIIIの数字が刻まれていた。
出音(でおん)・グロウシュベル「百万朱版の転生小聖印(ヴァーミリオン・トランスマイグレーション)か」
梓與鷹(よたか)「何!?」
 つまり、召喚呪術と幽闘術の合わせ技!?と與鷹(よたか)が考えていると、アレフはこう続ける。
アレフ「見せてやるぜ!これが俺の幽闘術ッ!砂塵嵐の聖鎧套(ソラノ・ローブ)!」
 ゴワオッ
 それは砂塵荒れ狂う黄衣。しかし、これは防御を上げるためのものだけではない。
梶太郎(かぢだろう)「面白ぇ……」
カイゼルグ・N・ショー「てめぇ、俺の邪魔だけはすんなよ?」
アレフ「あっ、はい。すいません……」
 なんとも締まらない……
 気まずい雰囲気のままアレフはカイゼルグの邪魔にならない程度距離を置いて梶太郎(かぢだろう)を誘い込む。当然、梶太郎(かぢだろう)
は何も考えずに(それはそれで酷いな……)アレフについていくのであった。

カイゼルグ「はぁ、てめぇら、サイレントウィザードだけじゃ飽き足らず、ノース光輪結社の邪魔までするか!」
(かみ)総介「フッ、こちらからしてみれば、貴様らこそが俺たちの邪魔をしているんだがな……」
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ、喧嘩売ってんのか!ノース光輪結社こそが正義!……ノース光輪結社に従わない者
には死の鉄槌を!」
與鷹(よたか)(ノース光輪結社ってやっぱこんな狂信者しかいねぇのか……)
 呆れつつも與鷹(よたか)が拳を構えようとすると、出音(でおん)がそれを遮る
與鷹(よたか)「なんだ?」
出音(でおん)「ここは俺が行く!」
 なんで?という疑問を浮かべる與鷹(よたか)に、出音(でおん)は《ザ・テンペスト》を斃すためには今より強くなる必要がある。
 そのためには多くの死合を乗り越える必要があると考えたためだ。
カイゼルグ「女ぁ!?……てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」
與鷹(よたか)(いや、出音(でおん)は女装した男性なんだけどなぁ……)
 無論、そんなことをカイゼルグが知る由も無い。
※つまり、それほどまでに出音(でおん)の女装が違和感ないってことだ。優男なのかな
 さておき、ノース光輪結社とEighter(Eighterの一員じゃない奴が結構いますが……)との死合が始まった

#8
梶太郎(かぢだろう)「おらあ!覚悟しやがれ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ゴドガガガガガガガッ
アレフ「フッ、無駄だッ!」
梶太郎(かぢだろう)「なっ、これは!?」
 これまでと同じ感覚でアレフに拳打の嵐を叩き込む梶太郎(かぢだろう)。しかし、今回は手応えがおかしかった。
梶太郎(かぢだろう)(まるで砂に拳を突き立てているような虚しさ……)
アレフ「見たか!これが俺の幽闘術、砂塵嵐の聖鎧套(ソラノ・ローブ)よ!」
梶太郎(かぢだろう)「チッ、様は防御力とか回避力が増えただけだろ」
ウェル(あ〜、うん。そね……)
梶太郎(かぢだろう)(うぜぇ)
 久しぶりに頭に響くウェルの言葉に辟易する梶太郎(かぢだろう)。
 ズキンッ
梶太郎(かぢだろう)「うぐっ!?」
 しかし、次の瞬間には突如見舞われる両手の激痛に苛まされる。
梶太郎(かぢだろう)「こ、これは!?」
 無数の小さな破片で引っ掻かれたかのような傷が拳全体にできていた
※ってか、今までソレに気づかないのは流石に鈍感すぎない?
アレフ「フッ、これが砂塵嵐の聖鎧套(ソラノ・ローブ)の真価よ!」
梶太郎(かぢだろう)「てめぇ……」
 砂塵嵐の聖鎧套(ソラノ・ローブ)……それは攻撃を兼ね備えた防御。いうなれば爆発反応装甲(リアクティブアーマー)のような
代物だ。
アレフ「さぁ、どうする?」
梶太郎(かぢだろう)「決まってんだろぉ!貴様を殴り飛ばす!双虎拳(そうこけん)をなめるなよッ!虎伏絶掌(こふくぜっしょう)ッ!」
アレフ「やれやれ、これだから脳筋は困る」
 しかし、梶太郎(かぢだろう)は今や魔導書娘、ウェルと一心同体の関係にある。そして、そうなるに至った契機は梶太郎(かぢだろう)の致
命傷を治し命を繋ぎ止めるためである。
 つまり、ウェルにとっては梶太郎(かぢだろう)を治療することが最優先なのだ
 しゅおおっ
アレフ「なっ!?何!?」
 擦り傷だらけで痛々しかった梶太郎(かぢだろう)の両腕が何事もなかったかのように治療されたことに驚きを隠せないアレフ
梶太郎(かぢだろう)「おらああ!双虎拳(そうこけん)は多分無敵だぁ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
※そこは推定せずに叫んでおこうぜ
 ドガガガガガガガガッ
アレフ「だが、無駄だッ!」
 先程は少し驚いたが、アレは召喚呪術の一種であると考えればどうということはない。
 そして、召喚呪術は無限に使えるものではない。つまり、治療も無制限に行えるわけではない。
 ならばあとは根比べになるのだが、生憎アレフはそれに付き合う義理などない。

#9
アレフ「静かなる風刃(ルフト・ルーイヒ)!」
 ゴアッ
 無数の鎌鼬を繰り出し梶太郎(かぢだろう)を知らずの内に切り裂こうとするアレフ
梶太郎(かぢだろう)「ハッ!貴様がその幽闘術を使ったのは失敗だったな!」
 見えざる風の刃で敵を切り裂くのが静かなる風刃であるのに、砂塵を纏っているせいで丸見えであった。
 そして、見えているのであれば、避けることは造作もない。
アレフ「ぐっ……」
梶太郎(かぢだろう)「ハッ!銀號懺月(ぎんこうざんげつ)!」
 ガオオンッ
 虎の咆哮の如き衝撃波で砂塵嵐の聖鎧套(ソラノ・ローブ)を吹き飛ばそうとする梶太郎(かぢだろう)。しかし、それは叶わなかった
アレフ「無駄だと言っているのが、まだ分からんようだな!」
梶太郎(かぢだろう)「チッ……」
 どうしても砂塵嵐の鎧の前に拳打の威力が削がれてしまう。
 以前のように風を殴って空気圧でアレフを攻撃する方法も通用しない。
 これでは梶太郎(かぢだろう)の攻撃はアレフには届かず、勝負は膠着するかに思われた。
 しかし、梶太郎(かぢだろう)はエンジンがかかりきってない状態なのだ。
 梶太郎(かぢだろう)が絶好調になるのが先か、それとも……


END

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