Eighter -Scarlet Nocturne-
7ther 〜海底霊廟の影懸想 A〜



#0
 ヴァルカナ、それは世界を暴くシステム。革命せよ!
※違ぇよ!『ヴァル』までしかあってねぇよ!
 さておき、謎に包まれていたヴァルカナの秘密の一端が明らかになり、ヴァルカナの情報も得られるようになっ
た。
 ヴァルカナにいち早くたどり着けるのは誰だ!?それではヴァルカナ争奪戦、レディ〜〜ゴォ〜〜!
※いや、なんなの、そのノリ

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
 その日、與鷹(よたか)はスマホを片手にボケっとしていた。
 いや、ボケっとしている……というのは語弊がある。だが、スマホをいじくっているのにはワケがある。
 先日、場違いな影の遺物の上位存在、かつては《シルエット》などと呼ばれていたアドラよりヴァルカナの出現
を知ることができるようになったのだが、それがスマホアプリという形だったので、早速インストールしてみたの
だ。
梓與鷹(よたか)「……まぁ、そんなすぐ通知がくるとは思わないけどね……」
 キン、コ〜〜ンッ
與鷹(よたか)「うおお!?びっくりした!」
 その時、アプリがアラームをもってしてヴァルカナの出現を通知する。
與鷹(よたか)(しかし、一体どういう原理なんだろうな……)
 どうして現存するヴァルカナを一気に全部通知しないのでしょうか?
※仕様ですかね……
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「行くぜオラァ!瀬戸内海が俺を呼んでいる!」
一同「いや、なんなのそのノリ!?」
 と、そこへ唐突に出現する梶太郎(かぢだろう)與鷹(よたか)「……」
 なんかお前、ノリが交喙(トレジャーハンター)に似てきたな……なんてことを考える與鷹(よたか)なのであった。
 ちなみに、先ほど登場した梶太郎(かぢだろう)が言い出したように、今回ヴァルカナが出現したと通知された先は瀬戸内海で
ある。

 と、言うわけで、一行はひとまずアプリが指し示すポイントに近い場所……四国は愛媛までやってきた。
與鷹(よたか)「……」
 しかし、早速行き詰った感じが否めない與鷹(よたか)であった。
 と、言うのも、アプリが示すポイントがどう考えても瀬戸内海ど真ん中だったからである。
出音(でおん)・グロウシュベル「海中に沈んでいるってことなのか?これは……」
梶太郎(かぢだろう)「いや、もしかしたら天空って可能性もあるかもな」
 いやいや、いくら何でも流石にそれはないだろと一同が心の中で突っ込んだ瞬間であった。

#2
(かみ)総介「フッ、瀬戸内海の海底に霊廟があるそうだ」
 と、そんな折、総介が桜と供に推参
出音(でおん)「墓ぁ!?」
山咲(やまざき)桜「はい」
與鷹(よたか)「しかし、なんでまたそんな場所に霊廟なんてものを?」
桜「かつてこの一帯の裏社会を仕切っていた根布照須(ねふてす)一家が作ったものと言われていますね」
 根布照須(ねふてす)一家は海運業で財を成した組織であり、いわゆる海賊であった。
 そして海の上で生まれ、海の上で死ぬことをモットーに霊廟も海底に作ったのだと言われている
※いや、それだと海の上で生まれ、海の中で死ぬになるんですけど……
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、なんでもいいぜ!とっとと行こうぜ!」
総介「だが、コトはそう簡単にいくわけではない」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?墓に行く前にその極道と話を付けなきゃいけないってことか?」
 水を差すんじゃねぇぞって感じの梶太郎(かぢだろう)だった。
桜「いえ、根布照須(ねふてす)一家はもう随分前に裏社会から姿を消しました」
出音(でおん)「何!?……そりゃ、どういうことだ?」
総介「一説では抗争に敗れて皆殺しにされたとも言われているがな……」
 だが、真実は闇の中だ……
梶太郎(かぢだろう)「じゃあ、なんでだよ?」
桜「海底霊廟へ調査に向かった団体がいたのですが、彼らは結局その中に入ることができなかったと言います」
與鷹(よたか)「罠でもあったのか?」
総介「奴らは霊廟の扉を開けることができなかったそうだ……」
出音(でおん)「閉ざされた霊廟か……」
 もし、ここに交喙(いすか)がいたら面白いとか言い出したかもしれない。
與鷹(よたか)(ノース光輪結社の奴らも必ず来るんだろうな……)
 逃げ場のない海底で激突すれば、どちらかが帰ってこられなくなることもあるだろう。
 あとは海底霊廟までどうやって向かうかなのだが、そこも抜かりはない。
 総介は自衛隊海軍特務と話を付けてここに来たのだ。

シーゼロ「我々は海上タクシーではないのだがな……」
 坂本ぜよ子こと、シーゼロはため息をつきながら総介を迎え入れる。
 ちなみに、総介は彼女の上司、北郷南留(みなと)とも話を付けてあるので彼女の部下であるシーゼロは従うし
かないのだ。
シーゼロ「まぁ、骨拾ってやる」
出音(でおん)「泳いで!?」
シーゼロ「ンなわけあるかいッ!クレーンだっての!」
 そんな馬鹿やってないで、一行は問題の海底霊廟へと向かうのであった。


続

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