Eighter -Scarlet Nocturne-
4ther 〜嵐を呼ぶ異能影傑(リアクター) C〜



#5
梓與鷹(よたか)真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)!」
テノ「だるだる〜」
 このままでは梶太郎(かぢだろう)出音(でおん)が負けるとも思えないが、得体のしれない不安にかられ、與鷹(よたか)も参戦を決める。
荒曲井(あれくせい)ソカタ「ヘッ、三対一か……いいぜ。何人来ようとも俺の敵ではないってことを思い知らせてやる!」
與鷹(よたか)「正直、囲って殴るなんてのは俺の主義じゃねぇんだが、お前は得体が知れなさすぎる」
 悪く思うなよ……と心の中で続ける與鷹(よたか)
出音(でおん)・グロウシュベル「てめぇら、姉さんの仇を勝手に討つんじゃねぇぞコラ!」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「ハッ!敵討ちは早い者勝ち!それが双虎拳(そうこけん)の掟よ!」
 いや、もう双虎拳(そうこけん)関係ないから……
梶太郎(かぢだろう)「余裕かましていられんのも今のウチだぜ!虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
 そう叫びつつ梶太郎(かぢだろう)も戦線へ復帰
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)翳噛(えいごう)!」
梶太郎(かぢだろう)銀號懺月(ぎんこうざんげつ)!」
出音(でおん)彗天八極剣(すいてんはっきょくけん)ッ、弐の秘剣ッ!陰精瞬天破(いんせいしゅんてんは)ッ!」
 ズドドガガガガッ
 與鷹(よたか)の九回プラス九回の拳打、梶太郎(かぢだろう)の虎の咆哮の如き衝撃波、出音(でおん)の間合いを詰めてからのV字斬りが炸裂
 しかし、まだ足りない……
(かみ)総介「おおおっ!抉蒼紅穿(かっそうこうせん)!」
 ゴギャアッ
 その時、総介も参戦。蒼王の刃(ブルーロード)をドリルのように回転させながら穿ち来る。
ソカタ「ハッハッハ、いいねぇ……」
與鷹(よたか)「くそっ、これでもダメってか……」
 どんなバケモノだよ……と毒づく與鷹(よたか)
ソカタ「だが、流石に四人が相手だとちょっと分が悪いようだな……」
出音(でおん)「貴様、ここから逃げられるとでも思っているのかよッ!」
ソカタ「フッ……時に、何故俺が《ザ・テンペスト》などと呼ばれているかわかるか?」
出音(でおん)「知るかよ!ンなことッ!」
 ピカッ
 ゴロゴロゴロゴロッ
與鷹(よたか)「な、なんだよ!?」
 突如雷鳴を伴い、激しい雨風が吹き荒れる。
 これは、嵐だ!そして、嵐は英語でARASHIだ!
※ってそれちゃうから!アーティストやん!普通、嵐は英語で……Stormやな……Tempestはあんまり使わないな
ソカタ「雨男、晴れ男、雪男……なんてのがいるが、俺は嵐男だ!」
 だから人は俺のことを《ザ・テンペスト》と呼ぶ!などと豪語する。
與鷹(よたか)「いや、雪男って毛色が違うだろ!」
 思わず突っ込まずにはいられない與鷹(よたか)だった。

#6
ソカタ「オラ、嵐を呼ぶ漢ダゾぉ〜?!」
 劇場版クレ〇ンしんちゃんかッ!って突っ込みたくなってくる與鷹(よたか)だった。
ソカタ「ハハハハハッ!ハハハハハハッ!俺を殺す……できるものならやってみろ……姉と同じあの世へ送ってや
ろうじゃねぇか!」
出音(でおん)「貴様ッ!姉さんを馬鹿にするなよ!」
ソカタ「貴様には特別にコレをやろう……貴様が俺を殺せるというなら、俺を追ってくるがいいさ!ハハハハハッ
ハハハハハハッ!」
 笑い声とともに、《ザ・テンペスト》は姿を消した。
 そして、《ザ・テンペスト》が消えると、さっきまでの嵐が嘘のように穏やかな日和へと戻っていた。
出音(でおん)「くっそぉ!逃したッ!」
 地面に拳を叩きつける出音(でおん)
出音(でおん)「ってか、お前らが出しゃばらなければ奴は逃げなかったんじゃねぇか!どうしてくれんだ!」
與鷹(よたか)「えぇ……」
 八つ当たりが酷い。
出音(でおん)「責任を取って俺の敵討ちの協力をしてもらおうじゃねぇか!」
與鷹(よたか)「第一人称が俺ってまるで冥時(みょうじ)だな……」
白拍子かんな「リーダー、あの人、漢です」
一同「はい?!」
 ぼそりと重要なことをカミングアウトするかんな。
一同「え、えぇ〜〜〜!?」
 かんなが冗談やでまかせを言うはずもなく、一行は盛大に驚くのであった。

與鷹(よたか)「ええと……どうして女装なんかを?」
 頬をぽりぽりとかきながらとりあえず疑問を投げかけてみる
出音(でおん)「これは姉さんの形見なんだ!」
與鷹(よたか)(いや、理由になってない気がするんだが……)
 とりあえず、重度のシスコンだってことは分かった。
與鷹(よたか)「そういえば、さっき何か貰ってなかったか?」
出音(でおん)「あぁ?……これか?」
 と、出音(でおん)が見せるのはクリアカードで出来たタロットカードのようなものだった。
一同「そ、それはッ!」
 Xの数字と、輪に絡まる2匹の動物と、その上の台座に1匹の生物が描かれたソレは、間違いなくヴァルカナだ
與鷹(よたか)「そいつは場違いな影の遺物(シルエット・オーパーツ)……って言っても分からんか……ともかく、俺たちが管理するから……」
出音(でおん)「断る!こいつは姉さんの形見だ!……つまり、俺にとっては姉さん等しい!……姉さんは俺だけのものッ!
絶対に誰にも渡さんッ!」
與鷹(よたか)「いや、姉さんに等しいって……」

#7
山咲(やまざき)桜「はぁ、そうですか……では、話を変えますが、貴方の姉はヴァルカナリアクターだったというわけですか
ね?」
出音(でおん)「ん?……まぁ、そういうことになるかな……だったらなんだよ?」
総介「フンッ、まぁいいだろう……だったら、それは貴様が持っていろ」
與鷹(よたか)「おい、総……」
総介「そして、敵討ちに協力する件だが、貴様も俺たちのヴァルカナ争奪戦に協力しろ。そうすれば優先的に奴と
死合わせてやる」
與鷹(よたか)「いや、何を勝手に!?」
出音(でおん)「姉さんの仇を討つためならば、たとえ地獄だろうが着いていくぜ!……姉さんのいないこんな世界なんて、
俺にとっては既に地獄だからなッ!」
※この勇者(?)が、俺TSUEEE(?)癖にシスコンすぎる
 しかし、與鷹(よたか)を放置してトントン拍子に話は進んでいくのであった。
與鷹(よたか)「え〜〜」
かんな「こうなったらもう、仕方ないですね……」
與鷹(よたか)「う、うん……」
 毒を食らわば皿まで……と、言った感じだ。
 とりあえずは、戦力が確保できたことをよしとすべき……なのだろうか?


END

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