Eighter -Scarlet Nocturne-
5ther 〜影光と致死の反動(デスリアクション) A〜



#0
 ヴァルカナ……それを取り込んだ者は人知を超えた力を行使することができる。
 そして、そんなヴァルカナ争奪戦にEighterも参戦することとなった。
 争奪戦の果てに、一体何が待っているのだろうか
※少なくとも《ザ・テンペスト》は待ってますね。

#1
 埼玉県、秩父市某所
 その日、高校卒業後、ストリートミュージシャンに俺はなるッ!なるったらなるッ!と豪語して家を飛び出した
青年、青井(そら)は絶望に打ちひしがれながらでトボトボと帰路(実家ではなく、一人暮らしの1LDKのアパート)につ
いていた。
 時代が悪かったとしか言いようがない……時は大コロナ禍時代!外出する人がいないのだ!
※いや、そんな中よくストリートミュージシャンになるとか豪語したね……
青井(そら)「くそっ、俺にもっと力があればッ!……具体的にはレッド〇ホット〇チリ〇ペッパーみたいな……」
 力があったところでどうにもならない気がするのだが……しかし、そんなことを今の彼に言っても聞いてはくれ
ないだろう。
 しかし、彼の願いは奇しくも叶ってしまうこととなる。
 その日、なんとなく立ち寄った古本屋で、意味もなく購入してしまった一冊の本が彼の人生を一変させる。

(そら)「なんだこりゃ!?」
 パラパラと古本をめくっていると、中から一枚のカードが出てきた。
 それはクリアカードで出来たタロットカードのような代物で、XVの数字とバフォメットのようないかにも悪魔と
いった生物が描かれていた。
 それは紛れもなくヴァルカナであったが、当の本人にそれを知る術はなかった。
天「俺は人間をやめるぞオヤジぃ!」
 なんて冗談のつもりで言ってみると、突如カードが閃光につつまれる
 カカッ
(そら)「ななななっ!?」
 閃光が治まると、カードは消え、右の掌には赤と青の四角を組み合わせた八芒星にXVの数字が刻まれていた。
(そら)「……い、いけるッ!今なら俺は行ける!」
 ギャイィ〜〜〜ンッ
 エレキギターを鳴らすと先ほど夢にまで見たレッド〇ホット〇チリ〇ペッパーのような能力を手に入れている事
を知った(そら)は、有頂天のまま、マスクもつけずに街に繰り出すのであった。
※いや、マスクつけんのか〜〜い!
(そら)「三密回避なんてくだらねぇッ密!俺の歌を聞ッけぇ〜〜〜」
 ギョワイ〜〜〜ンッ
 絶好調、気分は上々と言った感じの(そら)であった。

#2
 熊本県、天草市
 ……その中でもかつて牛深市と呼ばれた都市の某所に、ノース光輪結社の日本支部はある。
*「イエスキリストノータッチ!」
一同「イエスキリストノータッチ!」
 まずはあいさつ代わりのイエスキリストノータッチ!
*「そうか、我らが大願を阻む輩がいるというか……」
クラブの3「ハッ、申し訳ございません……」
*「C(クトゥルー)文書に書かれし予言……それを妨げようとするとは、神罰を下さねばなるまいな」
*「然り……我らが大願を阻むものには神罰を!」
 C(クトゥルー)文書はノース光輪結社の聖典であり予言書だ。
 だが、どう考えてもキリスト教じゃなくて邪神を崇める魔導書にしか思えないの。
※ちなみにA(アルハザード)文書とかB(バルザイ)文書なんてものは存在しません。あしからず

 それはさておき、ここに一つの情報が齎される。
 無論、埼玉県、秩父市某所に発生したヴァルカナリアクターのことである。
クラブの5「では、早速我ら宣教倶楽部がコトにあたりましょう」
*「いや、私が出よう」
一同「なっ!?司祭様?!」
 宣教倶楽部の上に位置する幹部……司祭と呼ばれる中の一人が静かに呟く。
クラブの4「しかし……」
*「お前たちもヴァルカナリアクターに違いはない……だが、真のヴァルカナリアクターに対抗できるのは同じく
真のヴァルカナリアクターのみである」
 と、彼は右の拳を見せびらかすように皆に見せる。
 そこにはXVIIIの文字が刻まれていた。
※いや、だから実際には刻まれてないですが……
 彼は《月》のヴァルカナリアクター。名をジョスィフ・クロードと言う。
*「では、お手並み拝見と行こうではないか」
ジョスィフ・クロード「はっ、イエスキリストノータッチ!」
一同「イエスキリストノータッチ!」
 かくて、ノース光輪結社は秩父へと赴く。
 そして、動き出したのはノース光輪結社だけではなかった。
 Eighterも(と、言うか総介だが……)その情報を入手したのだ。

梓與鷹(よたか)(毎回思うが、総ってどこからこんな情報を入手しているんだ?)
(かみ)総介(フッ、それはお前でも教えられんな……)
與鷹(よたか)(まぁ、いいけど……)
 一番ありそうなのは潜入捜査官かなぁ……などと、考えつつ、一行も秩父を目指すのであった。


続

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