Eighter -Scarlet Nocturne-
4ther 〜嵐を呼ぶ異能影傑 B〜
#3
出音(・グロウシュベル「さぁ!答えてもらおうか!《ザ・テンペスト》についてを!」
ズビシっと剣を突き付けて出音(が吠える。
クラブの3「クッ……」
クラブの4「馬鹿な……」
クラブの5「確かに俺たちは正確にはヴァルカナリアクターではなくデミカナリアクターであるとはいえ、三人を
一瞬で!?」
クラブの3「きっ、貴様は何故《ザ・テンペスト》のことを?」
出音(「姉さんの仇、だから殺す!」
出音(の姉、璃愛(というそうだが、彼女は数年前、《ザ・テンペスト》に殺されたのだという。
そして、姉の敵討ちのために出音(は立ち上がったのだ。
クラブの5「フッ、確かに貴様は強い……だが、貴様では《ザ・テンペスト》には勝てん!」
出音(「何を?!」
そんなこと、やってみなけりゃ分からない!
*「誰が誰を殺すって……随分と面白い話をしているなぁ、えぇ!?」
そんな折、新たなる人物がそこへやってくる。
一同「なっ、誰だ!?貴様は……」
全身真っ白なスーツを着込んだサングラスの、その漢は静かに告げる
*「俺は荒曲井(ソカタ」
そんな名前を告げられても、ピンと来ない一行であった。
しかし、ノース光輪結社の連中は違った。
クラブの5「……そんな名前よりも、もっと、知られた通り名ってモンがアンタにはあるだろ?」
梓與鷹((おいおい……もしかしてあいつは……)
荒曲井(ソカタ「……そうよな、人は俺のことを《ザ・テンペスト》と呼……」
出音(「貴様ァアアアアアッ!」
自己紹介が終わるよりも先に出音(が雄叫びとともに一足飛びにかかる
出音(「姉さんの仇ィッ!死ねッ!彗天八極剣(、壱の秘剣ッ!陽明閃刃破(ッ!」
キキィンッ
目にも止まらぬ速さで刃が二度煌めく。その剣閃は確実に相手を切り裂いた……かに思われた。しかし……
ソカタ「いい技だ……だが、温いな……」
出音(「なっ、にっ!?」
しかし、《ザ・テンペスト》には届かない。
クラブの5「ハハハハハッ!だから言っただろうが……貴様では《ザ・テンペスト》には勝てんと!」
出音(「五月蠅いッ!黙れッ!」
ソカタ「死合の最中に談笑とは余裕だな」
出音(「ざけんな、この野郎ッ!」
怒りとともに出音(は滅茶苦茶に剣を振るう。
#4
クラブの5(《ザ・テンペスト》が出張ってきたとあれば、長居は無用……)
そして、もはや撤退を視野に入れているノース光輪結社。
クラブの3(し、しかし……)
クラブの5(今回見つかったのはヴァルカナではなく、ヴァルカナリアクターだ……つまり、我々の手に負えん)
クラブの4(ぐっ)
クラブの5「貴様らもここに長く留まると痛い目にあうぞ」
梓與鷹(「何だと!?」
カカッ
一同「うぐっ!?」
そんな捨て台詞を残し、ノース光輪結社は閃光と共に消ゆ
與鷹(「くそっ、逃げた!?」
上(総介「まぁ、奴らのことはいい……」
今は《ザ・テンペスト》を名乗る漢をどうにかする方が先決だ。
化野梶太郎(「おっしゃ!俺様の出番だな!」
與鷹(「いや、何もお前の出番ってわけじゃ……」
と、與鷹(が突っ込むよりも先に突っ走って行く梶太郎(。
梶太郎(「手ぇ貸してやんぜ!」
出音(「要らねぇっつってんだろうが!」
梶太郎(「お前、キれると言葉遣い悪すぎだろ……」
美人が台無しだな……なんて心の中で突っ込む梶太郎(。
それほどまでに出音(にとって姉は偉大だったのだろうか……
ソカタ「フッ、何人来ようとも、無駄だ……」
梶太郎(「あぁ!?てめぇ、俺の双虎拳(を馬鹿にしてんのか!?いい度胸じゃねぇか!死ねこらッ!極彩虎襲(!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
繰り出される拳打の嵐……しかし、《ザ・テンペスト》は涼しい顔をしてそれを受け止める
ソカタ「言っただろう……無駄だと……」
梶太郎(「てめぇ……」
與鷹(「なっ、なんだアイツ……強さが異常だぞ……」
総介「アレがヴァルカナリアクターの真の力って奴なんだろうな……」
ソカタ「ハッ!」
梶太郎(「ぐげっ!?」
梶太郎(の一瞬の隙をついて拳を繰り出す《ザ・テンペスト》……その一撃で無様に吹っ飛ばされる梶太郎(。
そして、その拳を見て、総介はぽつりと呟いた。
ソカタ「そうとも……俺は奴らのような紛い物ではなく、真のヴァルカナリアクターよ」
見せつけるように拳を突き出す《ザ・テンペスト》
そこには赤と青の四角を組み合わせた八芒星にXXIの数字があった。
ヴァルカナNo.21……その数字が示すモノは《世界(ザ・ワールド)》である……
続
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